感染症対策

感染症から守る

生物テロにも注意!炭疽菌から身を守る

- 炭疽菌とは炭疽菌は、土壌中に普通に存在する細菌です。牛や羊、山羊などの草食動物が感染する病気として有名ですが、人にも感染することがあります。炭疽菌は、乾燥すると「芽胞」という非常に強い状態になり、土壌中で長い間生き続けることができます。人が炭疽菌に感染する経路は主に3種類あります。一つ目は、「皮膚炭疽」です。これは、炭疽菌に汚染された土壌、動物の体やその毛、皮などに直接触れることで、皮膚から菌が侵入し、感染する経路です。炭疽に感染した動物の肉を扱う作業者などに多く見られます。二つ目は、「消化器炭疽」です。これは、炭疽菌に汚染された肉などの食品を食べることで感染します。十分に加熱調理されていない肉を食べることで感染するリスクがあります。三つ目は、「吸入炭疽」です。これは、炭疽菌の芽胞を空気と共に吸い込むことで感染します。過去には、羊毛などを扱う工場などで集団発生したことがありますが、現在では、工場の衛生管理が進むとともに、発生は少なくなっています。炭疽菌への感染は稀ですが、感染した場合は適切な治療が必要です。疑わしい症状が出た場合は、速やかに医療機関に相談しましょう。
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病院感染を防ぐためにできること

病院という場所は、病気の方々が治療を受けるために集まる場所ですが、同時に、そのために多くの病原体が持ち込まれる可能性がある場所でもあります。病院感染とは、このような医療施設内で、患者さんや医療従事者が新たに感染症に罹ってしまうことを指します。これは、入院中に限らず、退院後に発症する場合も含まれます。感染経路は様々で、外部から持ち込まれるケースと院内に存在するものが原因となるケースが考えられます。例えば、季節性の流行性感冒などが、外から持ち込まれてしまい、院内で患者さんの間、あるいは患者さんと医療従事者の間で広がってしまうことがあります。また、院内では、免疫力が低下した患者さんが多く入院されていることから、院内で発生した多剤耐性菌の感染などが広がってしまう可能性もあります。病院感染は、患者さんの病気の回復を遅らせたり、重症化させたりする可能性があります。そのため、医療施設では、手洗きの徹底や消毒、隔離などの感染対策を徹底することで、病院感染のリスクを減らす取り組みを行っています。
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サーベイランス:感染症から身を守る仕組み

- サーベイランスとはサーベイランスとは、感染症など、人々の健康に影響を与える可能性のある病気の動向を常に監視することです。これは、まるで病気の動きを探る探偵のような役割を果たします。具体的には、感染者数や亡くなる方の数の変化、流行している地域、患者さんの年齢や性別といった様々な情報を集め、分析します。サーベイランスの目的は、病気の発生状況を早期に把握し、適切な対策を講じることで、人々の健康を守ることです。例えば、ある地域で特定の感染症の患者さんが急増した場合、サーベイランスによっていち早くその状況を把握することができます。そして、流行の原因を突き止め、感染拡大を防ぐための対策を迅速に実施することができます。サーベイランスで得られた情報は、医療従事者間で共有され、病気の予防や治療に役立てられます。また、一般の人々にも情報提供することで、一人ひとりが予防対策を講じたり、早期に医療機関を受診したりするなど、健康を守る行動を促すことができます。このように、サーベイランスは、目に見えない病気の脅威から私たちを守るために、重要な役割を担っているのです。
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免疫の力:追加免疫でさらに強化

私たちは、一度病気にかかったり、予防接種を受けたりすると、その病気の原因となる病原体に対する抵抗力を獲得します。これは、まるで体が過去の侵入者を「記憶」しているかのようで、次に同じ病原体が侵入してきたときに、素早く撃退できるように準備を整えている状態といえます。この体の防御システムの記憶は、免疫記憶と呼ばれ、私達が健康を維持する上で非常に重要な役割を担っています。免疫記憶は、主にリンパ球と呼ばれる白血球によって支えられています。リンパ球の中には、特定の病原体を認識し、攻撃する能力を持つものがあり、一度その病原体と戦った経験を持つリンパ球は、記憶細胞として体内に長く留まります。次に同じ病原体が侵入してきたときには、これらの記憶細胞が素早く増殖し、効率的に病原体を攻撃することで、発症を防いだり、症状を軽くしたりすることができるのです。しかし、この免疫記憶は、時間の経過とともに薄れてしまうことがあります。そのため、はしかやおたふく風邪など、一度かかると生涯免疫が得られると考えられている病気もありますが、インフルエンザのように、時間の経過とともに免疫が弱まり、再び感染する可能性のある病気もあります。また、加齢によっても免疫機能は低下するため、高齢者は感染症にかかりやすくなる傾向があります。免疫記憶を維持するためには、予防接種が有効な手段となります。予防接種は、病原体を弱毒化したり、無毒化したりしたものを体内に入れることで、免疫システムに病原体を「記憶」させることができます。また、健康的な生活習慣を維持することも、免疫機能を正常に保つために重要です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
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防災備蓄にも!不織布マスクのススメ

近年、新型インフルエンザの流行が懸念されていますが、私たち一人ひとりができる対策として、マスクの着用が挙げられます。中でも、厚生労働省の専門家会議が推奨しているのが不織布マスクです。専門家会議は、一人あたり20枚から25枚の不織布マスクの備蓄を推奨していますが、これはなぜでしょうか。不織布マスクは、その名の通り、繊維を織らずに作られたマスクです。熱や薬品などを用いて繊維をシート状に加工しており、ガーゼマスクに比べて目が詰んでいます。そのため、ウイルスを含む飛沫を通しにくいという特徴があります。また、不織布マスクは通気性にも優れており、息苦しさを感じにくいという利点もあります。長時間着用していても比較的快適に過ごせるため、日常生活でも使いやすいと言えるでしょう。新型インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、一人ひとりの予防対策が重要です。咳エチケットや手洗いを徹底するとともに、不織布マスクを着用して、ウイルスから自身を守りましょう。
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消毒のススメ:感染症から身を守る基礎知識

- 消毒とは何か?私たちは日常生活で、目に見えないたくさんの微生物に囲まれて生活しています。その中には、風邪やインフルエンザ、食中毒などを引き起こす、体に悪い影響を与える病原体も含まれています。消毒とは、身の回りの物や空間から、これらの病原体を除去したり、数を減らしたりして、私たちが病気にかかるリスクを減らすための作業です。病原体は、空気中に漂っていたり、ドアノブやテーブル、おもちゃなど、様々な物に付着しています。そして、これらの物に触れることで、私たちの手に病原体が付着し、その手で口や鼻、目を触ったり、食事をしたりすることで、病原体が体の中に入り込んでしまいます。消毒を行うことで、こうした病原体の付着を減らし、体内に侵入するのを防ぐ効果が期待できます。消毒には、アルコール消毒液を用いる方法や、熱湯を使って加熱殺菌する方法など、様々な方法があります。風邪やインフルエンザなどの感染症だけでなく、食中毒の予防にも消毒は有効です。特に、調理器具や食器などは、調理前や食事前にしっかりと消毒するようにしましょう。日頃からこまめな消毒を心がけ、健康的な生活を送りましょう。
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消毒の基本:感染症から身を守る知識

- 消毒とは何か消毒とは、私達の身の回りにある物や場所に存在する、病気の原因となる微生物を、薬を使って殺したり、その数を減らしたりすることを指します。この処置を行う目的は、感染症を予防することです。私達の身の回りには、目には見えませんが、風邪やインフルエンザ、食中毒を引き起こす様々な病原体が潜んでいます。これらの病原体は、空気中を漂ったり、物や人の手に付着したりして、私たちに感染します。消毒は、これらの目に見えない脅威から身を守るための、とても大切な手段と言えるでしょう。具体的には、多くの人が触れる場所を消毒することで、感染のリスクを効果的に減らすことができます。例えば、ドアノブやテーブル、トイレの便座、子どもが遊ぶおもちゃなど、毎日触れる機会の多い場所を消毒することで、これらの場所に付着した病原体が、別の人へ移動することを防ぐことができます。特に、インフルエンザが流行する時期や、食中毒が心配な時期には、こまめな消毒を心がけることが大切です。 また、消毒には、使用する薬剤によって、効果が期待できる病原体の種類が異なるという点にも注意が必要です。そのため、消毒を行う際には、どのような病原体に対して効果がある薬剤なのか、確認してから使用することが大切です。
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新型インフルエンザの脅威と対策

- 新型インフルエンザとは新型インフルエンザは、動物の間で流行しているインフルエンザウイルスが変異し、私たち人間にも感染するようになることで発生します。鳥インフルエンザなどがその代表例です。このウイルスは、人間の体にとって初めて出会うものですから、免疫を持っている人はほとんどおらず、感染が広がりやすいという特徴があります。2009年には、豚由来の新型インフルエンザ(H1N1)が世界中で大流行を引き起こしました。この時は、多くの人が感染したものの、幸いなことに、このウイルスは毒性が弱く、重い症状を引き起こすことは稀でした。しかし、これはあくまで結果論であり、新型インフルエンザが常に軽症で済むとは限りません。中には、重症化しやすい性質を持つウイルスも存在する可能性があり、注意が必要です。新型インフルエンザの予防には、日頃から手洗いとうがいを徹底すること、そして、人混みを避けるなどの対策が有効です。また、流行時には、咳エチケットを心掛けることも大切です。万が一、感染が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。正しい知識と予防対策を身につけることで、私たちは新型インフルエンザの脅威から身を守ることができます。
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知っておきたい薬剤耐性:交叉耐性とは?

私たちは、風邪を引いたり病気になったりした時、治療のために薬を飲むことがあります。薬は、私たちの体の中に侵入してきた細菌やウイルスと戦うために、とても大切な役割を担っています。しかし、同じ薬を長い間飲み続けると、だんだん薬の効果が薄くなってくることがあります。これは、体の中の細菌やウイルスが薬に慣れてしまい、抵抗力を持つようになるためです。このような状態を「耐性」と呼びます。耐性ができてしまうと、薬の効果を得るためには、以前よりも多くの量を飲まなければならなくなってしまいます。そのため、耐性には注意が必要です。例えば、風邪薬を自己判断で長期間飲み続けると、その薬に対する耐性ができてしまい、本当に必要な時に薬が効きにくくなってしまう可能性があります。薬を正しく使うためには、医師や薬剤師の指示に従い、決められた量と期間を守ることが重要です。自己判断で服用を中止したり、量を変えたりすることは避けましょう。また、服用中に体に異変を感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談することが大切です。
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疫学調査:健康を守るための重要な監視体制

疫学調査とは、私たちが健康に安心して暮らせるように、地域全体の健康状態を常に把握し、病気の発生状況などを調べる活動のことです。これは、例えるならば、街の健康を見守る「お医者さんの目」のようなものです。病気の発生状況や原因、広がり方を明らかにすることで、地域住民の健康を守り、病気の予防や早期発見、そして適切な治療につなげることを目的としています。具体的には、どのような病気にかかっている人がどのくらいいるのか、年齢や性別、住んでいる地域に偏りがないかなどを調べます。また、新しい病気や今までになかった症状が出た場合は、その原因を突き止め、感染経路や予防策などを明らかにします。疫学調査で得られた情報は、病気の流行を予測したり、効果的な予防対策を立てたりするために役立てられます。例えば、インフルエンザの流行時期を予測し、予防接種を呼びかけたり、食中毒の原因となる食品を特定し、販売を中止するなどの対策を講じることができます。このように、疫学調査は、私たちが健康に暮らしていく上で、なくてはならない重要な役割を担っているのです。
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人食いバクテリア? 壊死性筋膜炎とは

- 壊死性筋膜炎の概要壊死性筋膜炎は、皮膚のすぐ下にある浅層筋膜という組織が細菌に感染し、急速に壊死が広がっていく恐ろしい病気です。この病気は、決して他人事ではありません。ちょっとした傷口や虫刺され、注射や軽い怪我、火傷など、日常生活でよくあるようなことがきっかけで発症する可能性があります。初期症状は、発熱や発赤、腫れ、痛みなど、他の病気と区別がつきにくいため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。しかし、壊死性筋膜炎は、早期発見・早期治療が極めて重要な病気です。放置すると、急速に症状が悪化し、壊死が広範囲に及んでしまう可能性があります。重症化すると、血液凝固異常や敗血症といった命に関わる合併症を引き起こすこともあります。そのため、少しでも異常を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。特に、糖尿病や免疫不全などの基礎疾患がある方は、重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。
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感染経路を断つ!様々な感染症対策をご紹介

- 感染経路の種類私たちは、目に見えない小さな生き物である「病原体」によって、病気にかかってしまうことがあります。この病原体が、どのようにして私たちの体の中に入ってくるのか、それが「感染経路」です。感染経路には、いくつかの種類があります。まず、「飛沫感染」です。これは、くしゃみや咳をした時に口や鼻から飛び散る、比較的大きな唾液の粒によって病原体が運ばれてくる経路です。この唾液の粒は、空気中をそれほど遠くまで飛ぶことはなく、2メートル程度といわれています。次に、「空気感染」です。飛沫感染よりも小さな、空気中を漂う微粒子によって病原体が運ばれてくる経路です。この微粒子は、長時間空気中を漂うことができるため、遠くまで広がる可能性があります。また、「接触感染」があります。これは、病原体が付着した物に触れることで、私たちの体の中に入ってくる経路です。例えば、ドアノブや手すりなどを触った後、その手で口や鼻を触ってしまうと、病原体が体内に入ってしまうことがあります。さらに、「経口感染」があります。これは、病原体で汚染された飲食物を口にすることで感染する経路です。水道水が十分に消毒されていなかったり、食品が適切に処理・保管されていなかったりすると、この経路で感染が広がることがあります。最後に、「垂直感染」があります。これは、妊娠中や出産時に、母親から胎児や新生児へ、病原体が感染する経路です。これらの感染経路を理解し、それぞれの感染経路に合わせた予防策を行うことが、健康を守る上で非常に重要です。
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病院を守る!感染対策チームの重要性

病院は、病気や怪我を治すために多くの人が訪れる場所です。しかし、多くの人が集まる場所であるという事は、同時に、感染症が蔓延するリスクも高いという事を意味します。病院には、免疫力が低下している患者さんも多く入院しており、感染症にかかると重症化する可能性も高いため、徹底した対策が必要です。病院内で感染症が蔓延してしまうと、入院中の患者さんだけでなく、病院で働く医師や看護師など医療従事者にとっても大きなリスクとなります。医療従事者が感染してしまうと、病院の機能が低下し、適切な医療を提供することが難しくなってしまう可能性もあります。病院内での感染症対策には、患者さん自身の協力も不可欠です。病院を訪れる際には、マスクの着用や手洗い、咳エチケットなどを心掛け、感染予防に努めましょう。また、発熱や咳などの症状がある場合は、事前に病院に連絡し、指示に従うようにしましょう。病院側は、患者さんや医療従事者を守るために、日頃から感染症対策を徹底する必要があります。例えば、院内の清掃や消毒を徹底する、患者さんの隔離や面会制限を行う、職員の健康管理を徹底する、などの対策が考えられます。感染症のリスクと隣り合わせであるという事を、病院を訪れる私たちも、病院で働く人たちも、常に意識しておく必要があります。
犯罪への備え

リスク回避で安全を確保

- リスク回避とはリスク回避とは、危険や損害が起こるかもしれないと予測して、そうした事態になること自体を避ける行動をとることをいいます。別の言い方をすれば、危険な目に遭わないために、そもそも危険な場所や状況に近づかないようにする、という考え方です。たとえば、犯罪に巻き込まれないようにするためには、夜間の外出を控える、人通りの少ない道は避ける、といった行動が考えられます。また、火災の危険を避けるためには、火を使う際には周囲に燃えやすいものを置かない、寝タバコは絶対にしない、といった対策が有効です。このように、リスク回避とは、危険を予測し、事前に対策を講じることで、安全を確保するという、防災や防犯の基本的な考え方の一つなのです。リスク回避は、私たちが安全で安心な暮らしを送る上で、とても大切な考え方といえます。