急性硬膜外血腫

けが人へ医療

意識清明期の重要性:頭部外傷を見逃さないために

- 頭部外傷と意識清明期頭部を強打するなどの外傷は、初期には軽い症状しか見られなくても、時間の経過とともに重篤な状態を引き起こす可能性があり、注意が必要です。 特に、頭蓋骨と脳の間に出血が生じる急性硬膜外血腫は、命を落とす危険性もあるため、迅速な対応が求められます。頭を強く打った直後、一時的に意識を失うことは珍しくありません。しかし、その後、一見すると回復したように見える期間が存在することがあります。 これが「意識清明期」と呼ばれるもので、急性硬膜外血腫の特徴的な症状の一つです。 この時期には、頭痛や吐き気、軽いめまいなどを感じることもありますが、多くの場合、周囲の人との会話も普通にでき、普段通りの様子を見せるため、周囲の人は安心してしまうことがあります。 しかし、意識清明期はあくまで一時的なもので、再び意識レベルが低下し、昏睡状態に陥ることがあります。 これは、脳内に出血した血液が徐々に溜まり、脳を圧迫することで神経機能に障害が生じるためです。 意識レベルの低下以外にも、麻痺や言語障害、瞳孔の異常など、さまざまな神経症状が現れることがあります。急性硬膜外血腫は、早期に発見し適切な処置を行えば、救命できる可能性が高い病気です。 頭部外傷後、たとえ一時的に意識が回復したように見えても、決して油断せず、医療機関を受診することが重要です。