急性呼吸不全

けが人へ医療

腹臥位呼吸療法:急性呼吸不全の切り札

- 腹臥位呼吸療法とは腹臥位呼吸療法とは、呼吸がうまくできなくなった患者さん、特に急性呼吸不全の状態にある患者さんに対して行われる治療法の一つです。この治療法は、患者さんをうつ伏せの状態、つまりお腹を下にした姿勢にすることからその名前が付けられています。患者さんをうつ伏せにすると、一体どのような効果があるのでしょうか。私たちが呼吸をする時、肺は空気を取り込み、酸素を身体に取り込んでいます。しかし、肺炎や肺水腫など、肺の病気が悪化すると、肺はうまく膨らむことができなくなり、十分な酸素を取り込めなくなります。特に、肺の背中側がダメージを受けやすく、重症化すると、仰向けの状態では、心臓や他の臓器の重みで肺が圧迫され、さらに呼吸が苦しくなってしまうのです。そこで、腹臥位呼吸療法の出番です。患者さんをうつ伏せにすることで、背中側の肺にかかる圧迫を減らし、肺が膨らみやすくなるため、酸素を取り込みやすくすることが期待できます。この治療法は、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)など、肺の背中側に病変が集中する「背側肺障害」と呼ばれる状態に特に効果を発揮すると言われています。人工呼吸器を装着した患者さんに行われる治療法ですが、患者さんの状態や病気の種類によって、腹臥位呼吸療法が適しているかどうかは異なってきます。
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命を脅かす病気:急性呼吸促迫症候群とは

- 急性呼吸促迫症候群とは急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺に大量の水分がたまり、血液中の酸素が不足してしまう、命に関わる深刻な病気です。私たちの肺は、無数の小さな空気の袋、「肺胞」でできています。ARDSを発症すると、この肺胞が炎症によって傷つけられ、十分に機能しなくなります。その結果、血液中に十分な酸素を取り込むことができなくなり、呼吸困難に陥ります。ARDSは、肺炎や敗血症などの特定の病気にかかった後、または重度の怪我をした後に発症することがあります。ARDSは、集中治療室での治療が必要となる重篤な病気であり、場合によっては人工呼吸器による治療が必要となることもあります。ARDSの治療には、酸素吸入や人工呼吸器による呼吸の補助、炎症を抑える薬剤の投与などがあります。また、ARDSの原因となる基礎疾患の治療も重要です。ARDSは重篤な病気ですが、早期に発見し適切な治療を行えば、回復の可能性は高まります。