応急処置

けが人へ医療

院外心肺停止:知っておきたい知識と対策

- 院外心肺停止とは病院の外で、突然心臓と呼吸が止まってしまう恐ろしい状態を、院外心肺停止と言います。心臓は、全身に血液を送るポンプの役割を担っています。この心臓が停止してしまうと、血液は体の中を巡ることができなくなり、酸素も各臓器に届けられなくなります。酸素不足の状態が続くと、脳をはじめとする臓器に回復できないダメージが残ってしまいます。呼吸は、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するために欠かせない体の機能です。呼吸が停止すると、体内に酸素が取り込めなくなり、心臓が止まっている状態では、心臓マッサージで心拍を再開させても、呼吸が再開しなければ、救命することはできません。院外心肺停止は、いつ、どこで、誰にでも起こりうる可能性があります。発生から数分間が生死を分ける非常に重要な時間であり、一分一秒を争う迅速で適切な処置が必要不可欠です。
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応急処置の基礎知識

- 応急処置とは病気や怪我をしてしまった時、すぐに病院に行けば良いとは限りません。救急車が到着するまで、あるいは病院に到着するまでの間、適切な処置を行うことで、命を救ったり、症状が悪化するのを防いだりすることができます。このような、医療機関による専門的な治療を受けるまでの間に行う一時的な処置のことを、応急処置と言います。応急処置の目的は、大きく分けて三つあります。最も重要なのは、生命の危機を回避することです。例えば、呼吸が止まってしまった場合や、大量に出血している場合、一刻も早い処置が生死を分けることになります。次に、症状が悪化するのを防ぐことも大切です。怪我の状態によっては、適切な処置を行わないことで、後遺症が残ってしまう可能性もあります。そして、回復を助けることも、応急処置の重要な役割です。早期に適切な処置を行うことで、回復を早めたり、痛みを和らげたりすることができます。応急処置は、医師や看護師などの専門家だけがするものと思われがちですが、決してそうではありません。一般市民であっても、正しい知識と技術を身につけていれば、応急処置を行うことができます。いざという時に、落ち着いて行動し、大切な人を守るためにも、日頃から応急処置について学んでおくことが重要です。
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隠れた危険!横紋筋融解症とは?

- 筋肉の病気、横紋筋融解症とは私たちの体を支え、動かすために欠かせない筋肉。実は、この筋肉で構成される細胞が壊れ、血液中に流れ出すことで発症する病気があります。それが「横紋筋融解症」です。まるで、身体の土台が崩れてしまうかのような、大変深刻な病気です。一体なぜ、このようなことが起きるのでしょうか? 実はその原因は、私たちの身近に潜んでいます。例えば、激しい運動や運動不足、肉体的負荷の高い労働などが挙げられます。また、交通事故などによる強い衝撃や、圧迫なども原因の一つです。さらに、薬の副作用によって発症するケースもあるため、注意が必要です。横紋筋融解症は決して他人事ではありません。過度な運動や肉体労働の後、筋肉に強い痛みや脱力感を感じたら、注意が必要です。また、尿の色が赤褐色になるなど、いつもと違う体の変化にも気を配りましょう。 日頃から適度な運動を心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂ること、そして十分な休息をとることが、この病気を予防するために大切です。
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AEDってどんなもの?

- AEDって何? AEDは、Automated External Defibrillatorの頭文字をとったもので、日本語では自動体外式除細動器と言います。AEDは、心臓がけいれんを起こして突然倒れた人の心臓の状態を自動的に調べて、電気ショックが必要かどうかを判断してくれる医療機器です。心臓がけいれんを起こすと、全身に血液を送ることができなくなり、数分以内に命を落としてしまう危険性があります。AEDはこのような事態に陥った人を助けるための、とても大切な医療機器なのです。AEDは、病院や救急車の中だけでなく、駅や空港、公共施設など、人が多く集まる場所に設置されているのを目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。AEDは、医療従事者でなくても使用できるように設計されています。使い方も簡単で、音声ガイダンスに従って操作すれば、誰でもAEDを使用することができます。AEDは、いざという時に人の命を救うことができる、大変重要なものです。AEDの存在を意識して、もしもの時に備えましょう。
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命を救う行動: CPRの基礎知識

- CPRってどんなもの?CPRとは、CardioPulmonary Resuscitation(心肺蘇生法)の略称で、心臓や呼吸が止まってしまった人の命を救うための緊急処置です。心臓が止まると、血液は体全体に行き渡らなくなり、脳も含めた体の各部分に酸素が届けられなくなってしまいます。CPRは、胸の真ん中あたりを強く押す「胸骨圧迫」と、口から息を吹き込む「人工呼吸」によって、心臓と肺の働きを代わりに肩代わりし、脳への酸素供給を維持することを目的としています。CPRは、適切に行われれば、心臓や呼吸が止まった直後の人に対して特に有効です。一刻も早く処置を開始することが重要となるため、救急隊に連絡すると同時に、近くにいる人はためらわずにCPRを開始することが大切です。近年では、人工呼吸を省略した胸骨圧迫のみのCPRも推奨されています。これは、人工呼吸に抵抗がある人でもためらいなく救命処置を行えるようにするためです。CPRは特別な技術や知識がなくても、誰でも習得することができます。地域の消防署や日本赤十字社などが定期的に講習会を開催しているので、ぜひ参加して、いざという時に備えましょう。
水害について

水の事故から命を守る:溺水の基礎知識と予防策

水辺でのレジャーや日常生活の中で、予期せぬ水の事故に遭遇する可能性は誰にでもあります。海や川、湖などの水辺は、私たちに安らぎや楽しさを与えてくれますが、同時に危険と隣り合わせであることを忘れてはなりません。水深が浅く見えても、急に深くなっている場所や、流れが複雑な場所もあります。また、水温や天候、水底の状況など、予測できない要素も多く存在します。水に慣れていない人だけでなく、泳ぎに自信がある人でも、水の事故に遭う可能性は十分にあると言えるでしょう。水に浸かることで呼吸ができなくなる状態を溺水と呼びます。溺水は、ほんの数分の出来事で、意識を失い、最悪の場合、死に至ることもあります。かつては、溺水しても命を取り留めた場合、「ニア・ドローニング」という言葉が使われていましたが、現在は使用されていません。なぜなら、たとえ短時間であっても、呼吸ができない状態は、脳や心臓を含む身体に深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。後遺症が残る可能性もあり、決して軽視できるものではありません。水辺では、安全に対する意識を常に持ち、事故を防ぐための対策をしっかりと講じることが重要です。