心的外傷

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防災と向き合う: PTSDへの理解を深める

地震や台風、洪水といった自然の猛威は、私たちの日常を一瞬にして奪い去り、大きな被害をもたらします。住み慣れた家が崩壊し、大切な家族や友人を失うなど、想像を絶するような経験は、身体的な傷だけでなく、心の奥深くに癒えることのない傷跡を残します。多くの人々は、こうした未曾有の苦難を前にしながらも、時間と共に立ち直り、新たな一歩を踏み出していきます。しかし、一方で、心の傷が深く、長い年月が経っても苦しみから抜け出せない人たちがいることも事実です。災害時に経験した恐怖や喪失感、無力感は、トラウマとして深く心に刻まれ、日常生活に支障をきたすこともあります。心の傷は目に見えないだけに、周囲の人々に理解されにくく、本人にとっても、その苦しみを言葉で表現することが難しい場合があります。そのため、心のケアは容易ではなく、時間と周囲の温かいサポートが不可欠です。周囲の人々は、被災者の心の叫びに耳を傾け、寄り添い、支えていくことが大切です。そして、被災者一人ひとりが、自らのペースで心の傷と向き合い、回復への道を歩んでいけるように、社会全体で支えていく必要があるのです。
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見えにくい傷跡:外傷後ストレス障害について

- 心の傷跡外傷後ストレス障害とは外傷後ストレス障害(PTSD)は、私たちの心に深い傷跡を残し、様々な症状を引き起こす障害です。交通事故や自然災害、犯罪被害、虐待など、日常生活では考えられないような衝撃的な出来事を経験した後、その時の恐怖や無力感が忘れられず、心の傷が癒えない状態が続きます。まるで時間が止まってしまったかのように、当時の記憶や感情が突然よみがえる「フラッシュバック」は、PTSD患者を特に苦しめる症状の一つです。悪夢にうなされたり、不安や緊張が強まり、常に危険を感じて過剰に警戒したりする人もいます。些細な物音や出来事に驚いてしまうなど、周囲の人には理解されにくい症状に苦しむこともあります。心の疲労は、集中力や記憶力の低下、趣味や仕事への意欲減退にもつながります。かつては楽しめていたことができなくなり、社会生活に支障をきたすこともあります。PTSDは決して特別な人がなるものではありません。衝撃的な出来事に遭遇した人なら、誰でも発症する可能性があります。もし、あなたやあなたの周囲の人がPTSDの症状で苦しんでいる場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することをお勧めします。