心停止

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脈がないのに心臓は動いている? 無脈性電気活動とは

- 無脈性電気活動 生存のために理解すべき心臓の緊急事態無脈性電気活動(PEA)という言葉は、医療関係者以外の方にはあまり馴染みがないかもしれません。しかしこれは、心臓が血液を送り出すという重要な役割を果たせなくなる、命に関わる深刻な状態です。つまり、心臓の電気信号は動いていても、心臓自体は効果的に拍動しておらず、血液を身体全体に循環させることができない状態を指します。PEAは、心筋梗塞や重度の出血、中毒など、様々な要因によって引き起こされます。心臓が正常に拍動しなくなるため、意識を失ったり、呼吸が止まったりするなど、生命の危機に直結する症状が現れます。PEAを疑う症状が現れた場合、一刻も早い対応が不可欠です。迷わず救急車を要請し、救急隊員に状況を正確に伝えましょう。医療現場では、PEAの原因を特定し、心臓を正常な状態に戻すための処置が行われます。PEAは決して他人事ではありません。日頃から、PEAに関する正しい知識を身につけておくことが、自分や周りの人の命を守ることに繋がります。
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見えない脅威:低酸素脳症を防ぐために

私たちの脳は、思考や記憶、運動など、生命維持に欠かせない様々な機能を司っています。 脳が正常に働くためには、大量の酸素が常に供給されていることが必要不可欠です。しかし、心臓発作や呼吸困難、窒息などによって、血液によって運ばれる酸素が脳に十分に行き渡らなくなると、脳細胞が深刻なダメージを受けてしまうことがあります。このような状態は、低酸素脳症と呼ばれています。低酸素脳症の症状は、酸素不足の程度や時間によって大きく異なります。 軽度の場合は、集中力の低下や記憶力の低下、めまい、頭痛などがみられます。酸素不足が長く続くと、意識が朦朧としたり、体の動きが思うようにコントロールできなくなったりすることもあります。さらに重症化すると、意識を失ったり、痙攣を起こしたり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。低酸素脳症は、一刻も早い対処が必要となる深刻な状態です。酸素不足が疑われる場合は、直ちに救急車を呼ぶなどして、医療機関を受診することが重要です。
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命を繋ぐAED:その役割と使用方法

- 街中で見かける機会が増えたAED近年、駅や公共施設など、街中の様々な場所で目にする機会が増えたAED。AEDは「自動体外式除細動器」の略称で、心臓がけいれんを起こして血液を送り出すポンプ機能が停止した状態(心室細動)になった際に、電気ショックを与えて心臓の働きを正常に戻すための医療機器です。AEDは、医療従事者でなくても使用できるよう、音声ガイダンスやイラストなどで操作方法が分かりやすく表示されています。また、電気ショックが必要な場合にのみ作動する安全設計となっているため、誰でも安心して使用することができます。心臓が突然停止した場合、数分以内に適切な処置を行わないと、命を落とす危険性が高まります。AEDは、その場で居合わせた人が救命活動を行うための重要なツールであり、設置数が増加していることで、より多くの命が救える可能性が高まっています。AEDは、街中で見かけた際に、使用方法を具体的にイメージできるよう、日頃から使用方法について理解を深めておくことが大切です。また、AEDの設置場所を把握しておくことも重要です。
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命を脅かす緊急事態:心タンポナーデ

私たちの心臓は、「心膜」と呼ばれる袋のような組織に包まれて守られています。普段は、心膜と心臓の間には少量の液体(心嚢液)があり、心臓がスムーズに動くようにサポートしています。しかし、病気や怪我など、何らかの原因でこの心嚢に血液や体液が過剰に溜まってしまうことがあります。すると、心臓は圧迫されてしまい、正常に拍動することができなくなります。これが「心タンポナーデ」と呼ばれる危険な状態です。心タンポナーデは、心臓を圧迫することで血液を全身に送り出すポンプとしての機能を低下させます。その結果、息切れやめまい、意識障害などの症状が現れ、最悪の場合、死に至ることもあります。心タンポナーデは、迅速な対応が必要となる緊急事態です。症状が現れた場合は、一刻も早く医療機関を受診する必要があります。治療では、過剰に溜まった心嚢液を針で穿刺して排出する「心嚢穿刺術」などが行われます。心タンポナーデは命に関わる病気ですが、早期発見・早期治療によって救命できる可能性があります。
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いざという時の備え!AEDを知ろう

- AEDとはAEDは、Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)の略称です。これは、心臓が突然停止してしまった際に、電気ショックを与えることで心臓の正常なリズムを取り戻すための医療機器です。心臓が止まってしまうことを「心停止」といいますが、これは、心臓のポンプ機能が何らかの原因で停止し、血液を全身に送ることができなくなる状態です。心停止は、心臓発作や溺水、感電、事故など、様々な原因によって引き起こされる可能性があります。AEDは、この心停止状態の人に電気ショックを与えることで、心臓の動きを正常に戻すことを試みるための機器です。AEDは、医療従事者でなくても使用できるように設計されており、音声ガイダンスやイラスト表示に従って操作することができます。AEDは、街中や駅、学校、公共施設など、多くの人が集まる場所に設置されています。もしも目の前で人が倒れ、意識がない、呼吸をしていないなどの心停止の兆候が見られた場合は、ためらわずにAEDを使用することが重要です。迅速な対応が、救命の可能性を高めることに繋がります。
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一時的ペーシング:緊急時の心臓のペースメーカー

- 一時的ペーシングとは心臓は、規則正しいリズムを刻んで血液を全身に送り出す、人間の体にとって非常に重要な臓器です。しかし、様々な原因によって、このリズムが乱れてしまうことがあります。心臓の鼓動が遅くなりすぎる状態を「徐脈」といい、放置すると、めまいやふらつき、意識消失、最悪の場合は心停止に至ることもあります。このような徐脈の状態に対して、心臓に電気的な刺激を与えて、正常なリズムに戻すための緊急処置が、「一時的ペーシング」です。一時的ペーシングは、主に、洞不全症候群や房室ブロックといった、心臓の電気信号の伝達に異常をきたす病気によって引き起こされる徐脈に対して行われます。一時的ペーシングには、体外式と経静脈式の二つの方法があります。体外式は、胸部に電極を貼り付けて、外部から電気刺激を与える方法で、救急現場などでよく用いられます。一方、経静脈式は、静脈からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓内部に電極を留置して電気刺激を与える方法で、より精密な治療が必要な場合に選択されます。一時的ペーシングは、徐脈による症状を改善し、生命を維持するために非常に重要な役割を果たします。