
心臓のポンプ機能と前負荷の関係
私たちの体にとって欠かせない臓器である心臓は、全身に血液を送る重要な役割を担っています。心臓は休むことなく拡張と収縮を繰り返し、血液を循環させています。この心臓の働きにおいて、どれだけの負荷がかかっているのかを示す指標のひとつに「前負荷」があります。心臓が血液を全身に送り出すためには、まず心臓自身に血液を取り込む必要があります。心臓は、まるでポンプのように拡張することで、体中から戻ってきた血液を心室と呼ばれる部屋に受け入れます。この時、心室内の血液量が多いほど、心臓の筋肉はより強く収縮する必要があります。想像してみてください。小さな風船よりも、大きな風船を膨らませるには、より多くの空気と力が必要になりますよね。これと同じように、心室内の血液量が多いほど、心臓はより大きな力で収縮しなければなりません。この、心臓が拡張している時に、心室内の血液量によって心臓にかかる負荷のことを「前負荷」と呼びます。前負荷は、心臓が効率的に血液を送り出すために重要な要素の一つです。