
潜む脅威: たばこ火災を防ぐために
- 静かな火災の恐怖火災と聞くと、炎が激しく燃え上がる様子を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、目に見えないところで静かに進行し、私たちの命を脅かす火災もあります。その代表例が、たばこの不始末による火災、特に「無炎火災」と呼ばれる現象です。無炎火災は、一見消えたように見えるたばこが、布団やゴミ箱の中などでくすぶり続け、高温状態を維持することで発火を引き起こす現象です。炎が上がっていないため、煙やにおいに気づきにくく、発見が遅れてしまうことが大きな特徴です。そのため、気づいた時には部屋全体に煙が充満し、逃げ遅れてしまったり、大規模な火災に発展してしまうケースも少なくありません。中でも特に注意が必要なのは、就寝前に吸うたばこを消し忘れる「寝たばこ」です。布団や衣類、カーペットなどは燃えやすいものが多く、700~800℃にもなる高温の火種であるたばこが長時間接触することで、容易に発火に至ります。眠気や疲れから、つい消し忘れをしてしまいがちですが、就寝時のわずかな油断が、取り返しのつかない事態を招く可能性があることを忘れてはなりません。火災を防ぐためには、たばこの不始末を絶対にしないことが何よりも大切です。特に、寝る前やお酒を飲んだ後は、注意力が散漫になりがちなので、より一層の注意が必要です。また、万が一、火災が発生した場合に備え、住宅用火災警報器の設置や、避難経路の確認など、日頃からの備えを徹底しましょう。