
原子力発電の安全: 外部電源喪失とその対策
- 外部電源喪失とは原子力発電所は、発電した電気を使用するだけでなく、施設の運転や安全確保のために、膨大な量の電力を常に必要としています。この電力は、発電所自身で発電した電気を利用するほか、外部の電力網からも供給を受けています。外部電源喪失とは、地震や台風、落雷などの自然災害や、送電線の事故、電力会社のトラブルなど、様々な要因によって、原子力発電所への外部からの電力供給が途絶えてしまう事態を指します。外部電源が喪失すると、発電所内の照明や換気システム、計器類など、運転や安全確保に必要な設備が停止するリスクがあります。特に、原子炉の冷却機能が停止すると、炉心溶融などの深刻な事故につながる可能性があります。外部電源喪失への対策として、原子力発電所では、非常用ディーゼル発電機などの自家発電設備が備えられています。外部電源が喪失した場合、これらの自家発電設備が自動的に起動し、原子炉の冷却など、安全確保に必要な電力を供給するシステムが構築されています。さらに、電力会社との連携強化、送電線の二重化など、外部電源喪失を未然に防ぐための対策も進められています。