
外傷性窒息: 圧迫による見えない脅威
事故と聞くと、自動車同士がぶつかる様子や、高いところから落ちてしまう様子を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん、交通事故や転倒は重大な事故です。しかし、事故には、火災や水難など、様々な種類があります。そして、これらの事故で忘れてはならないのが、事故による怪我や衝撃によって呼吸ができなくなってしまう「外傷性窒息」という危険です。外傷性窒息は、事故によって胸やお腹を強く圧迫されることで、肺に空気が入らなくなり、呼吸困難に陥る状態を指します。例えば、工場などで機械に挟まれたり、工事現場で足場が崩れて体の一部が挟まれたりすることで起こることがあります。また、階段で転倒して将棋倒しになったり、雪崩や土砂崩れに巻き込まれたりするなど、私たちの身近にも危険は潜んでいます。外傷性窒息は、一刻を争う危険な状態です。事故現場では、まず、周囲の安全を確保し、直ちに救急車を要請しましょう。そして、可能であれば、二次災害を防ぎながら、呼吸がしやすい体位を保つなどの応急処置を行うことが重要です。