
知っていますか?在宅避難者
災害が発生すると、多くの人は避難所での生活を想像するかもしれません。確かに、住居が被害を受けたり、周囲の環境が危険な状態になったりする場合は、避難所への避難が不可欠です。しかし、一方で、自宅に被害がなく、一見すると普段通りの生活を送れているように見える人々の中にも、様々な困難に直面し、支援を必要としている人々がいます。こうした人たちは「在宅避難者」と呼ばれています。在宅避難者となる主な原因は、ライフラインの断絶です。電気、ガス、水道といったライフラインが止まると、日常生活に大きな支障が生じます。例えば、電気が止まれば照明が使えなくなり、冷蔵庫も機能しなくなります。ガスが止まれば暖房が使えず、調理も困難になります。水道が止まれば、飲料水はもちろん、トイレの使用や手洗いもままなりません。このような状況下では、自宅が無事であっても、安全で健康的な生活を送ることは難しいと言えます。さらに、在宅避難者は、周囲からの孤立という問題も抱えています。避難所には多くの人が集まるため、情報交換や助け合いの機会がありますが、在宅避難者の場合、周囲に相談できる人がおらず、必要な情報や支援を十分に得られない可能性があります。また、周囲の目が行き届きにくいため、健康状態が悪化したり、犯罪に巻き込まれたりするリスクも高まります。このように、在宅避難者は、一見すると問題がないように見えても、実際には様々な困難を抱えています。そのため、災害時には、避難所の状況だけでなく、在宅避難者の状況にも目を向け、必要な支援を提供していくことが重要です。