
知っておきたい!クラッシュシンドロームの脅威
大地震や建物崩壊といった災害現場は、救助を待つ多くの人々にとって、過酷な環境となります。瓦礫の下敷きとなり身動きが取れない状態が長く続くことは、肉体的にも精神的にも大きな負担となり、命に関わる深刻なリスクをもたらします。その中でも特に注意が必要な症状の一つに、「挫滅症候群」と呼ばれるものがあります。「挫滅症候群」は、長時間、体の広い範囲を圧迫されることで引き起こされます。筋肉組織が損傷を受けると、ミオグロビンやカリウムなどの物質が血液中に流れ込みます。そして、救出されて圧迫が解放されると、これらの物質が心臓や腎臓などの重要な臓器に悪影響を及ぼし、場合によっては命を落とす危険性もあるのです。症状としては、意識障害、呼吸困難、不整脈、腎不全などが挙げられます。そのため、災害現場においては、安否確認を迅速に行い、救助活動を進めることが極めて重要です。また、「挫滅症候群」の可能性を考慮し、救出された方の容態を注意深く観察する必要があります。迅速な医療処置が、救命率の向上に大きく貢献します。