呼吸困難

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命の危機!喘ぎ呼吸を見逃すな

- 喘ぎ呼吸とは喘ぎ呼吸とは、命の危機に瀕している人が示す、普段とは異なる呼吸のパターンのことです。これは、脳の呼吸をコントロールする中枢が正常に働かなくなり、息をすることが困難になっている状態を示しています。具体的には、息を吸ったり吐いたりする動作がとても浅く、ゆっくりとしたものになります。そして、長い時間息を止めている状態が見られるようになります。まるで、息をするために大変な労力をかけているように見えるため、周りの人は不安な気持ちになるでしょう。喘ぎ呼吸は、心停止などの深刻な状態が近いことを示唆している可能性があります。そのため、このような呼吸をしている人を見つけた場合は、すぐに救急車を呼ぶなど、適切な処置を行うことが重要です。
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運動機能と呼吸困難からみた呼吸器疾患の重症度

- ヒュー・ジョーンズの基準とはヒュー・ジョーンズの基準は、呼吸器の病気を持つ方が、どのくらい息苦しさを感じているかを、体を動かせる程度と結びつけて評価する指標です。この基準は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気を持つ方が、日常生活でどの程度活動できるかを把握する際に役立ちます。具体的には、息が切れないで歩ける距離や、階段の上り下りがどの程度可能な状態かといった、具体的な活動レベルを基準に、I度からV度までの五段階で評価します。* I度息苦しさを感じることなく、日常生活を送ることができます。激しい運動でも支障はありません。* II度平坦な場所を歩いたり、日常生活を送る際には問題ありませんが、階段の上り下りや坂道を登る際には、息苦しさを感じることがあります。* III度平坦な場所を歩いたり、自分の身の回りのことをする際には問題ありませんが、それ以上の活動になると息苦しさを感じ、休まなければならなくなります。* IV度少し体を動かすだけでも息苦しさを感じ、日常生活に支障が出てきます。* V度安静にしていても息苦しさが強く、身の回りのことを自分で行うことができません。ヒュー・ジョーンズの基準を用いることで、患者さん自身の状態を客観的に把握できるだけでなく、医師とのコミュニケーションをスムーズにすることにも役立ちます。
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息苦しさのサイン:努力呼吸とは?

私たちは普段、特に意識することなく呼吸をしています。これは、横隔膜や肋間筋といった呼吸筋が自然と動いているからです。このような呼吸は、静かで楽に行われ、胸の中は常に一定の圧力よりも低い状態に保たれています。しかし、激しい運動をした後や、病気などにより、息苦しさを感じることがあります。このような時には、体はより多くの酸素を取り込もうとして、普段使わない筋肉まで使って呼吸を始めます。これが努力呼吸です。普段通りの呼吸では、息を吸うときには横隔膜が収縮し、息を吐くときには弛緩します。一方、努力呼吸では、横隔膜の動きに加えて、首や肩、胸、背中などの筋肉も動員されます。そのため、呼吸をするたびに、首や肩、胸、背中などが上下に大きく動くのが特徴です。努力呼吸は、体が酸素不足に陥っているサインです。したがって、努力呼吸が続く場合には、無理をせずに速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。
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胸腔ドレナージ後のリスク:再膨張性肺水腫

- 胸腔ドレナージとは私たちの肺は、「胸腔」と呼ばれる袋状の空間に包まれています。通常、この空間には少量の液体があるだけで、肺は自由に膨らんだり縮んだりして呼吸をしています。しかし、病気や怪我などによって胸腔内に空気が溜まったり(気胸)、通常よりも多くの液体が溜まったり(胸水)、血液が流れ込んでしまったり(血胸)することがあります。これらの異常事態が起こると、肺は圧迫されてしまい、十分に膨らむことができなくなります。その結果、息苦しさを感じたり、呼吸が速くなったり、場合によっては唇や指先が青紫色になるチアノーゼといった症状が現れることがあります。このような状態を改善するために、胸腔に溜まった空気や液体、血液を体外に排出する処置が必要になります。それが「胸腔ドレナージ」です。胸腔ドレナージでは、胸部に小さな穴を開け、そこからチューブを胸腔内に挿入します。そして、このチューブを専用の装置に接続することで、胸腔内の空気や液体、血液を体外に排出します。胸腔ドレナージは、呼吸困難を引き起こす様々な病気の治療に役立つ重要な処置です。
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呼吸性アシドーシス:原因と症状、そして対策について

- 呼吸性アシドーシスとは人間の体は、常に一定の状態に保たれています。それは体温の調節や、今回のテーマである体内の酸性とアルカリ性のバランスも例外ではありません。このバランスが崩れ、血液が酸性に傾いた状態をアシドーシスと呼びますが、その中でも肺の機能低下が原因で起こるものを呼吸性アシドーシスと言います。私たちは呼吸をすることで、体内に酸素を取り込み、それと同時に二酸化炭素を体外へ排出しています。この二酸化炭素は、体内で酸性を示す物質に変化します。健康な状態であれば、呼吸によってこの酸性の物質が体外へ排出されるため、血液の酸性度は一定に保たれています。しかし、肺の病気や呼吸筋の麻痺などにより、呼吸機能が低下すると、体外へ排出されるべき二酸化炭素が体内に蓄積してしまうのです。その結果、血液中の酸性度が上昇し、呼吸性アシドーシスを引き起こします。呼吸性アシドーシスの主な症状としては、倦怠感や頭痛、意識障害などがあります。重症化すると、昏睡状態に陥り、命に関わる危険性も高まります。呼吸が速くなったり、息苦しさを感じたりする場合は、呼吸性アシドーシスの可能性も考えられますので、速やかに医療機関を受診しましょう。
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息苦しさの原因と対処法:起坐呼吸とは?

- 起坐呼吸とは「-起坐呼吸-」とは、横になって休むよりも、座ったり体を起こしたりした方が呼吸が楽になる状態を指します。人は誰でも、横になると重力によって肺が圧迫され、呼吸が少し浅くなるものです。しかし、心臓や肺に何らかの問題を抱えている場合、この影響が顕著に現れ、横になると呼吸が苦しくなることがあります。これが起坐呼吸です。起坐呼吸は、心臓や肺の機能が低下しているサインである可能性があります。心臓の機能が低下すると、体中に血液を送り出すポンプとしての役割が弱まり、血液の循環が悪くなります。その結果、肺に血液が溜まりやすくなり、横になった際に呼吸困難を引き起こしやすくなるのです。また、肺炎や肺水腫などの肺の病気でも、肺に体液が溜まりやすくなるため、起坐呼吸が現れることがあります。起坐呼吸は、これらの病気のサインとして現れることがありますが、必ずしも深刻な病気の兆候であるとは限りません。しかし、頻繁に起坐呼吸が見られる場合や、動悸、息切れ、むくみなどの症状を伴う場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
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いつもと違う?要注意!奇異呼吸を見分ける

私たちは普段、息を吸ったり吐いたりすることを意識せずに生活しています。これは呼吸が、生命維持に欠かせない非常に重要な働きでありながら、通常は無意識のうちに行われているからです。しかし、体に病気や怪我などが生じると、この呼吸に異常が現れることがあります。これを「奇異呼吸」と呼びます。奇異呼吸は、呼吸の回数、リズム、深さなどが通常とは異なる状態を指します。例えば、息を吸うのが苦しい、呼吸が速い、呼吸のリズムが乱れるといった症状が現れます。これらの症状は、肺炎や喘息などの呼吸器疾患だけでなく、心不全や糖尿病など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。普段は意識することの少ない呼吸ですが、その状態は体の健康状態を反映する重要なサインです。そのため、自分自身や周りの人の呼吸にいつもと違う様子が見られた場合は、すぐに医療機関に相談することが大切です。早期発見と適切な対応によって、重症化を防ぐことができる場合も少なくありません。