呼吸

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酸素運搬のカギ!ボーア効果とは?

私たちは、生命を維持するために、常に呼吸をしています。呼吸とは、空気中の酸素を取り込み、体内で不要となった二酸化炭素を排出する、生きる上で欠かせない行為です。呼吸によって取り込まれた酸素は、血液によって体中の細胞へと運ばれます。この時、重要な役割を担っているのが、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」という物質です。ヘモグロビンは、酸素と結びつきやすい性質を持っており、肺で酸素を取り込み、体中を巡りながら、必要な組織や細胞まで酸素を運び届けるという、大変重要な働きをしています。ヘモグロビンは、酸素が多く存在する場所では酸素と結びつきやすく、酸素が少ない場所では酸素を離しやすくなるという性質も持っています。この性質のおかげで、肺で効率よく酸素を取り込み、体の隅々まで酸素を届けることができるのです。そして、細胞に酸素を届けたヘモグロビンは、今度は細胞から二酸化炭素を受け取り、肺まで運んでいきます。このように、呼吸と酸素運搬は密接に関係しており、私たちの生命維持に欠かせないメカニズムと言えます。
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肺の柔軟性を示す「肺コンプライアンス」

- 肺コンプライアンスとは私たちは、普段意識することなく呼吸をしていますが、この呼吸によって肺は膨らんだり縮んだりして、空気を取り入れたり、吐き出したりしています。この時、肺がどれくらいスムーズに膨らむことができるのかを示す指標が、肺コンプライアンスです。肺コンプライアンスは、肺の柔らかさを表す数値と例えることができます。 数値が大きいほど、肺は柔らかく、少ない力で大きく膨らみます。 風船に例えると、少しの息を吹き込むだけで、大きく膨らむ状態です。反対に、数値が小さい場合は、肺が硬くなっており、膨らみにくくなっていることを示します。これは、風船でいうと、ゴムが硬くなってしまい、同じ力で膨らませようとしても、なかなか大きくならない状態をイメージすると分かりやすいでしょう。肺コンプライアンスは、呼吸のしやすさに大きく関係しています。そのため、肺の病気などによって肺コンプライアンスが低下すると、息苦しさを感じたり、呼吸をするためにより多くのエネルギーを必要とするようになります。
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二相性陽圧とは?仕組みと利点を解説

二相性陽圧の概要二相性陽圧は、自発的に呼吸をする力を助ける医療機器の一つで、持続的気道内陽圧(シーパップCPAP)をさらに進化させたものです。シーパップは、常に一定の圧力で空気を気道に送り込み続けることで、気道の閉塞を防ぎます。一方、二相性陽圧は、シーパップのように常に一定の圧力をかけるのではなく、高い圧力と低い圧力を交互にかけることで、より自然な呼吸をサポートします。この圧力の変化は、通常、自発呼吸のリズムよりも長い周期で繰り返されます。低い圧力の時は、息を吸いやすくすることで呼吸を楽にし、高い圧力の時は、十分な酸素を体に取り込めるようにサポートします。この二つの圧力を交互にかけることで、自然な呼吸のリズムに近づき、快適な睡眠を得ることができます。二相性陽圧は、シーパップよりも効果が高い場合があり、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられます。ただし、すべての人に効果があるわけではなく、医師の診断が必要です。
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危険なサインを見逃すな!チェーンストークス呼吸とは?

- 呼吸の異変、チェーンストークス呼吸とはチェーンストークス呼吸とは、呼吸のリズムと深さに異常がみられる呼吸パターンのことです。健康な状態では、呼吸は一定のリズムと深さを保っていますが、チェーンストークス呼吸では、浅く速い呼吸から始まり、次第に呼吸が深くゆっくりとなっていきます。そして、再び浅く速い呼吸に戻り、最終的には数秒から数十秒にわたって呼吸が停止する「無呼吸」状態になります。この、呼吸が徐々に速く深くなり、その後遅く浅くなって無呼吸に至るというサイクルを繰り返すのが、チェーンストークス呼吸の特徴です。チェーンストークス呼吸は、心不全や脳卒中、脳腫瘍などの病気によって脳の呼吸中枢が障害されることで起こると考えられています。また、モルヒネなどの薬剤の影響で現れることもあります。チェーンストークス呼吸がみられる場合は、背景にある病気が進行している可能性があります。そのため、速やかに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることが重要です。