
緊急時に注意!奇脈とその重要性
- 奇脈とは?聞き慣れない言葉かもしれませんが、「奇脈」は心臓の健康状態を把握する上で重要なサインです。健康な状態では、息を吸うと胸腔が広がり、心臓に戻る血液の量が一時的に減少します。すると、体は血圧を保とうとして、心臓をより強く収縮させます。そのため、通常は息を吸っても血圧は大きく変動しません。しかし、心臓に何らかの異常があると、このバランスが崩れます。例えば、心臓を包む袋に水が溜まる「心タンポナーデ」や、心臓を圧迫するような病気にかかると、心臓は十分に血液を取り込めなくなります。その結果、息を吸った際に心臓に戻る血液量がさらに減少し、血圧が大きく低下してしまうのです。これが奇脈です。具体的には、息を吸った時の収縮期血圧(心臓が収縮した時の血圧)の低下が10mmHg以上になると、奇脈と診断されます。奇脈は、脈拍が弱くなったり、場合によっては消失するように感じられることもあります。これは、息を吸った際に心臓のポンプ機能が低下し、血液を十分に送り出せなくなるために起こります。奇脈は、心臓の病気が隠れているサインである可能性があります。そのため、もしも奇脈のような症状を感じたら、速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。