
意外と知らない?核物質と核燃料物質の違い
- 核物質とは原子力発電所でのエネルギー源として利用される一方で、兵器への転用が可能なことから国際的な規制の対象となっている核物質。今回は、その種類や危険性について詳しく解説します。-# 核物質とは何か?核物質とは、ウランやプルトニウムといった、原子核の分裂や融合によって莫大なエネルギーを放出する物質のことを指します。国際原子力機関(IAEA)憲章では、この核物質を大きく二つの種類に分類しています。一つ目は「原料物質」と呼ばれるもので、天然から産出されるウラン鉱石や、そこから核分裂しやすい成分を取り除いた劣化ウラン、さらにそれらを加工して精製した金属や合金、化合物が該当します。二つ目は「特殊核分裂性物質」と呼ばれ、核兵器の製造に直結する物質です。これは、人工的に作り出されるプルトニウム239やウラン233、そして天然ウランに含まれる核分裂しやすいウラン235の濃度を高めた濃縮ウランを含む物質が該当します。-# 核物質の危険性核物質は、エネルギー源として人類に貢献できる一方で、その強力なエネルギーは、兵器に転用された場合、計り知れない破壊力を持つことになります。過去には、広島や長崎への原子爆弾投下、チェルノブイリ原発事故など、核物質の危険性を物語る痛ましい出来事が起こりました。このような事態を防ぐため、核物質は国際原子力機関による厳格な管理の下に置かれ、その平和的な利用のみが認められています。しかし、核兵器の開発やテロ行為への利用を完全に阻止するためには、国際社会全体の継続的な努力と協力が不可欠です。