化学物質

その他

危険な雲、プルームから身を守る

- プルームとはプルームとは、煙突から吹き出す煙や、雪原で冷やされた空気が白く立ち上る雪煙のように、気体が空気中に浮かび上がり、広がっていく現象のことを指します。私たちが日常生活で目にするプルームは、工場の煙突や自動車の排気ガス、冬場の吐く息など、比較的安全なものがほとんどです。しかし、災害時においては、このプルームが深刻な脅威となる可能性があります。例えば、工場の火災や爆発事故が起こった場合、有害な化学物質を含んだ煙がプルームとなって周辺地域に拡散することがあります。また、火山噴火では火山灰や火山ガスが、原子力発電所の事故では放射性物質を含む気体が、それぞれプルームとなって広範囲に影響を及ぼす可能性があります。プルームは目に見えない場合もあり、危険を認識しにくいという特徴があります。そのため、災害発生時には、公式な情報源からの情報に注意し、プルームが発生している可能性がある場合は、不要な外出を控え、窓を閉め、換気扇を止めるなど、適切な行動をとるように心がけましょう。
感染症から守る

身近に潜む危険、中毒とその対策

- 中毒とは私たちの身の回りには、口に入れたり、吸い込んだりすることで、体に害を及ぼすものがたくさんあります。このような物質の有害な性質によって、体に不調が現れることを「中毒」といいます。中毒は、誤って口に入れてしまった場合に起こることが多くあります。例えば、幼い子供が誤って洗剤を飲んでしまったり、大人が薬品と間違えて農薬を飲んでしまったりするケースが挙げられます。また、使い方を誤った場合にも、中毒症状が現れることがあります。例えば、殺虫剤を部屋に大量に散布したために、その成分を大量に吸い込んでしまったり、調理器具の使い方を誤ってフグ毒を摂取してしまったりすることがあります。中毒症状は、原因となる物質の種類や量、そして体の状態によって大きく異なります。軽い場合には、吐き気やめまい、腹痛などがみられますが、重症化すると、意識障害や呼吸困難、痙攣などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。中毒を引き起こす物質は、洗剤や農薬などの人工的に作られた化学物質だけでなく、自然界に存在するものも少なくありません。毒キノコやフグ、トリカブトなどは、誤って口にしてしまうと、体に深刻な影響を与える可能性があります。日常生活の中で、中毒を防ぐためには、危険な物質を正しく理解し、適切に管理することが何よりも大切です。特に、小さな子供がいる家庭では、子供が誤って口に入れてしまうことのないよう、置き場所や保管方法に十分注意する必要があります。
感染症から守る

目に見えない脅威:汚染から身を守る

私たちは日常生活の中で、「汚染」という言葉を、衣服に泥が付着したり、水が濁ったりする様子を表現する際に使います。確かに、これらの現象も「汚染」と呼ぶことができます。しかし、防災の観点から「汚染」について考える場合、目には見えない脅威にも注意を払う必要があります。具体的には、放射性物質、化学物質、細菌などが挙げられます。これらの物質は、微量であっても私たちの身体に付着することで、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。例えば、放射性物質は、細胞を傷つけ、がんや遺伝的な影響を引き起こす可能性があります。また、化学物質は、アレルギー反応や呼吸器疾患、臓器への悪影響など、様々な健康被害をもたらす可能性があります。さらに、細菌は、食中毒や感染症の原因となり、場合によっては命に関わることもあります。さらに恐ろしいことに、これらの物質は、空気中を漂ったり、水や土壌に溶け込んだりすることで、周囲に拡散していく可能性があります。そして、拡散した先でさらに多くの人々や環境に影響を及ぼし、被害を拡大させてしまう危険性も孕んでいます。そのため、防災の観点では、目に見える汚れだけでなく、目に見えない脅威である放射性物質、化学物質、細菌による汚染にも注意を払い、適切な予防対策と対処法を身につけておくことが重要になります。
組織

いざという時の情報源:日本中毒情報センター

私たちの身の回りには、日々の生活を快適にする様々な便利な製品があります。洗剤や殺虫剤、医薬品などもその一つです。しかし、これらの製品には、私たちの健康に影響を与える可能性のある化学物質が含まれていることを忘れてはなりません。例えば、毎日のように使う洗剤。もしも誤って飲んでしまったら、吐き気や腹痛を引き起こす危険があります。また、害虫を駆除するために使う殺虫剤も、成分によっては吸い込むことで、めまいや呼吸困難を引き起こすことがあります。さらに、私たちの健康を守るための医薬品でさえ、正しく使わなければ危険なものです。医師の指示や薬の説明書をよく読み、用法・用量を守って使うことが大切です。これらの化学物質は、正しく使えば私たちの生活を豊かにしてくれます。しかし、その反面、危険性も潜んでいることを理解し、日頃から十分な注意を払い、安全に使いこなしていくことが重要です。
その他

化学メディエータとアレルギー反応

私たちの体の中では、様々な種類の細胞がそれぞれ役割を担い、互いに連携を取りながら活動しています。この細胞間の連携をスムーズに行うためには、細胞同士が情報をやり取りする仕組みが必要不可欠です。細胞間の情報伝達を担う重要な役割を果たしているのが、「化学伝達物質」と呼ばれる物質です。化学伝達物質は、特定の細胞から分泌され、血液などの体液を通じて他の細胞に情報を伝えます。情報を伝える相手は、すぐ近くの細胞の場合もあれば、遠く離れた臓器や組織の細胞である場合もあります。化学伝達物質には、ホルモンや神経伝達物質など、様々な種類が存在します。例えば、ホルモンは、血液によって全身の細胞に運ばれ、成長や代謝、生殖など、体の様々な機能を調節しています。また、神経伝達物質は、神経細胞の間で情報を伝える役割を担っており、思考や感情、運動など、脳の働きに関わっています。このように、化学伝達物質は、細胞間のコミュニケーションにおいて欠かせない役割を担っており、私たちの体が正常に機能するために非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。今回は、この化学伝達物質の中でも、アレルギー反応に深く関わるものについて詳しく解説していきます。
その他

身近に潜む危険!ホルマリンの正体

ツンとくる刺激臭で、誰もが一度は嗅いだことのあるあの独特な臭い。そう、ホルマリンです。理科室の人体模型や動物の標本を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。あのホルマリンは、実は「ホルムアルデヒド」という物質の水溶液のことを指します。ホルムアルデヒド自体は、常温では無色で、あのツンとくる刺激臭を持つ気体です。実は私たちの身の回りにも多く存在し、家具や建材などに使われる接着剤や塗料に含まれており、空気中に放出されています。そのため、日常生活で知らず知らずのうちにホルムアルデヒドを吸い込んでいる可能性があります。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つとしても知られています。目や鼻、喉などの粘膜を刺激し、涙や咳、鼻水などの症状を引き起こすことがあります。高濃度になると、吐き気や呼吸困難を引き起こすこともあり、注意が必要です。ホルマリンは、その強い殺菌・防腐作用から、生物標本の保存などに使用されてきました。しかし、人体への影響を考慮し、近年ではその使用が制限されつつあります。