
犯罪と向き合う~起訴という選択~
街の平和を揺るがす犯罪が起こると、警察が動き出します。現場に急行した警察官は、被害状況を詳しく確認し、目撃者がいれば話を聞いて事件の全体像を掴もうとします。 犯人が残した痕跡がないか、付近をくまなく探します。指紋や足跡、そしてわずかな遺留品も見逃しません。 警察は、集めた情報を元に、事件に関わったと疑われる人物を特定します。そして、その人物を捕まえ、詳しい事情を聴きます。この時、警察は証拠に基づいて話を聞くのですが、必ずしも罪を認めさせようとするのではありません。 十分な捜査を終えた警察は、集めた証拠や関係者の証言などをまとめ、事件を担当する検察官へ送ります。事件を引き継いだ検察官は、警察とは別の視点から事件を調べます。そして、裁判で審判を請求するに足る証拠が揃っているかどうかを慎重に判断します。 もしも、十分な証拠があると判断した場合には、検察官は裁判官に対して審判を請求します。これを「起訴する」と言います。 一方で、証拠が不十分だと判断した場合は、「不起訴」として裁判にかけずに事件を終わらせます。このように、犯罪が起きた後には、警察と検察官による綿密な捜査と判断が行われた後、初めて裁判が始まるのです。