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災害時の命の選別:トリアージとは?

- トリアージ多くの命を守るための選択と歴史トリアージとは、大規模な災害や事故などで、多数の負傷者や病人が発生した場合に、限られた医療資源を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うことを目的とした、治療の優先順位を決める手順です。 この言葉は、フランス語で「選別する」という意味の「トリアージュ(trier)」が語源となっています。その歴史は古く、1800年代初頭のナポレオン戦争時代にまで遡ります。戦場では、一度に多くの兵士が傷を負うため、限られた軍医や医療品を効率的に活用し、より多くの兵士の命を救う必要がありました。そこで、負傷した兵士の状態を見極め、治療の緊急性を判断するトリアージが考案されたのです。その後、トリアージは戦争だけでなく、自然災害や大事故など、様々な場面で多くの命を救うための重要な手法として認識されるようになりました。 現代では、災害医療において欠かせないものとなり、世界各国で、医師や看護師などの医療従事者によって実践されています。また、トリアージの手法は、時代の変化や医療技術の進歩に合わせて、より多くの命を救えるよう、常に改良が重ねられています。
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災害医療のジレンマ:オーバートリアージとは?

- 災害医療におけるトリアージ大規模な地震や広範囲に被害をもたらすような事故が発生すると、負傷者の数が病院や診療所の対応能力をはるかに超えてしまうことがあります。このような、医療現場が極度の緊張状態におかれる状況において、限られた医療スタッフや医薬品、資材を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うためには、的確な状況判断と迅速な行動が求められます。この、極めて重要かつ困難な役割を担うのがトリアージです。トリアージとは、刻一刻と変化する状況の中で、負傷者の容態の緊急度に応じて治療の優先順位を決定するプロセスを指します。トリアージは、ただ単に負傷の程度だけで判断するのではなく、現場の状況、負傷者の数、そして利用可能な医療資源などを総合的に考慮しながら、冷静かつ的確に判断を下していく必要があり、非常に高度な知識と技術、そして冷静さを求められます。 そのため、トリアージは、災害医療において非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。