健康被害

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アシドーシス:体の酸性化にご用心

私たちの体は、健康を維持するために、まるで精密な機械のように体内環境を一定の状態に保とうと懸命に働いています。この絶妙なバランス調整機能の一つに、「酸塩基平衡」と呼ばれるものがあります。これは、体の液体が酸性とアルカリ性のどちらに傾いているかを表す指標で、私たちの体は、常に弱アルカリ性に保たれるように調整しています。しかし、様々な要因によってこのバランスが崩れ、体が酸性に傾きすぎる状態になることがあります。これが「アシドーシス」と呼ばれる状態です。アシドーシスは、呼吸が浅くなったり、疲労感が増したり、食欲不振に陥ったりするなど、様々な不調を引き起こす原因となります。また、重症化すると、意識障害や昏睡状態に陥ることもあり、命に関わる危険性も孕んでいます。この酸塩基平衡を維持するためには、日々の食生活が非常に重要です。肉類や糖質の過剰摂取は、体を酸性に傾ける原因となります。逆に、野菜や海藻類など、アルカリ性食品を積極的に摂取することで、酸性に傾きがちな体を中和し、バランスを整えることができます。健康な体を維持するためには、酸塩基平衡を意識した食生活を心がけることが大切です。
その他

見えない脅威: 大気汚染とその影響

- 大気汚染とは大気汚染とは、私たちが呼吸する空気中に、健康や環境に悪影響を及ぼす物質が含まれている状態を指します。目に見えない小さな粒子やガス状の物質が、私たちの周りで静かに広がっているのです。これらの有害物質は、その発生源によって大きく二つに分けられます。一つは、工場や事業場から排出される煙や、自動車の排気ガスなど、人間の活動に伴って発生するものです。特に、工場の煙突から排出される煙や、道路を走る自動車の排気ガスは、大気汚染の大きな原因となっています。もう一つは、火山噴火や黄砂など、自然現象によって発生するものです。これらは、人間の力では防ぐことのできない場合もありますが、私たちの生活に大きな影響を与えることがあります。大気汚染物質として代表的なものは、非常に小さな粒子である「PM2.5」や、工場や自動車から排出される「窒素酸化物」「硫黄酸化物」などが挙げられます。これらの物質を吸み込むことで、呼吸器系の病気や循環器系の病気など、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。また、植物や生態系にも悪影響を及ぼすことが知られています。目には見えなくても、私たちの健康や環境に大きな影響を与える可能性を秘めている大気汚染。その実態と対策について深く理解し、私たち一人ひとりが行動を起こしていくことが大切です。
けが人へ医療

薬物過敏症の基礎知識

- 薬物過敏症とは薬は病気の治療や予防のために有効ですが、時に体に思わぬ反応を引き起こすことがあります。その一つが薬物過敏症です。薬物過敏症とは、服用した薬が、その人の体質や体調によって、通常とは異なる過剰な反応を示し、体に害を及ぼす状態を指します。誰でも経験する可能性があるものですが、高齢の方や複数の薬を服用している方は特に注意が必要です。例えば、ある種の抗生物質を服用した際に、皮膚に発疹が出たり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。これは、その抗生物質に対して体が過敏に反応しているために起こる現象です。薬物過敏症は、その症状の重さや現れ方によって、大きく3つのタイプに分けられます。* -即時型反応- 薬を服用してから数分から数時間以内に、じんましん、かゆみ、呼吸困難などの症状が現れます。重症の場合、意識消失や血圧低下などを伴うアナフィラキシーショックを起こすこともあります。* -遅延型反応- 薬を服用してから数日〜数週間後に、発疹、発熱、肝機能障害などの症状が現れます。* -その他- 薬剤性肺炎や間質性肺炎などのように、特定の臓器に障害が現れる場合があります。薬物過敏症は、適切な治療を行えば症状を抑え、改善することができます。気になる症状が出た場合は、自己判断せずに、すぐに医療機関を受診しましょう。
その他

放射線障害とその多角的な分類について

- 放射線障害とは放射線障害は、目に見えない放射線を浴びすぎることで、私たちの体がダメージを受けることをいいます。レントゲン検査のように、短い時間に少量の放射線を浴びる場合は問題ありません。しかし、原子力発電所の事故などで、一度に大量の放射線を浴びてしまうと、体の細胞が傷ついてしまい、様々な症状が現れます。放射線による体の影響は、どれだけの量の放射線を浴びたか、どれだけの時間浴び続けたかによって大きく変わってきます。また、体のどの部分を放射線が通ったかによっても、影響は異なります。例えば、骨髄など細胞分裂が活発な組織は、放射線の影響を受けやすく、吐き気や脱毛などの症状が現れやすいです。放射線には様々な種類があり、それぞれ性質が異なります。そのため、放射線の種類によって、体に与える影響も異なってきます。さらに、同じ量、同じ種類の放射線を浴びたとしても、人によって症状の重さや回復の速さが異なることがあります。これは、年齢や健康状態などによって、放射線への強さが異なるためです。放射線は目に見えず、匂いもしないため、普段の生活で意識することはほとんどありません。しかし、放射線は私たちの身の回りに存在し、使い方によっては私たちの生活に役立つものです。放射線の性質と危険性を正しく理解することが大切です。
その他

原子力災害と放射性ヨウ素

- 放射性ヨウ素とは放射性ヨウ素とは、私たちになじみのある元素であるヨウ素の中に、放射線を出す性質を持つものが存在し、それらをまとめて指す言葉です。原子番号53番のヨウ素は、自然界に広く存在し、私たちの体にとっても、甲状腺ホルモンを作るために欠かせない大切な役割を担っています。しかし、このヨウ素には、不安定で放射線を出しながら壊れていく、放射性同位体と呼ばれるものがいくつか存在します。これらの放射性同位体を総称して、放射性ヨウ素と呼びます。放射性ヨウ素には、ヨウ素131やヨウ素133など、いくつかの種類があります。これらの放射性ヨウ素は、原子力発電所の事故などで発生する可能性があり、空気中や水に混じって広がり、呼吸や飲食を通して私たちの体に取り込まれることがあります。体内に取り込まれた放射性ヨウ素は、甲状腺に集まりやすく、甲状腺がんや甲状腺機能低下症などの健康への影響を引き起こす可能性があります。放射性ヨウ素から体を守るためには、事故発生時には、政府や自治体からの情報に注意し、指示に従って行動することが重要です。屋内退避や安定ヨウ素剤の服用など、適切な対策を講じることで、健康への影響を最小限に抑えることができます。
感染症から守る

身近に潜む危険、中毒とその対策

- 中毒とは私たちの身の回りには、口に入れたり、吸い込んだりすることで、体に害を及ぼすものがたくさんあります。このような物質の有害な性質によって、体に不調が現れることを「中毒」といいます。中毒は、誤って口に入れてしまった場合に起こることが多くあります。例えば、幼い子供が誤って洗剤を飲んでしまったり、大人が薬品と間違えて農薬を飲んでしまったりするケースが挙げられます。また、使い方を誤った場合にも、中毒症状が現れることがあります。例えば、殺虫剤を部屋に大量に散布したために、その成分を大量に吸い込んでしまったり、調理器具の使い方を誤ってフグ毒を摂取してしまったりすることがあります。中毒症状は、原因となる物質の種類や量、そして体の状態によって大きく異なります。軽い場合には、吐き気やめまい、腹痛などがみられますが、重症化すると、意識障害や呼吸困難、痙攣などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。中毒を引き起こす物質は、洗剤や農薬などの人工的に作られた化学物質だけでなく、自然界に存在するものも少なくありません。毒キノコやフグ、トリカブトなどは、誤って口にしてしまうと、体に深刻な影響を与える可能性があります。日常生活の中で、中毒を防ぐためには、危険な物質を正しく理解し、適切に管理することが何よりも大切です。特に、小さな子供がいる家庭では、子供が誤って口に入れてしまうことのないよう、置き場所や保管方法に十分注意する必要があります。
感染症から守る

身近に潜む危険!中毒性ショック症候群とは?

- 中毒性ショック症候群の概要中毒性ショック症候群は、体に有害な物質を作る細菌が引き起こす、命に関わる危険性もある深刻な病気です。主に黄色ブドウ球菌やA群溶血連鎖球菌といった細菌が原因となります。これらの細菌は、健康な人の皮膚や鼻の中などにもともと存在している場合があり、普段は悪さをしません。しかし、傷口や粘膜などから体内に侵入し、増殖すると毒素を作り出すようになります。この毒素が血液中に入ると、全身に運ばれて様々な臓器に悪影響を及ぼします。中毒性ショック症候群になると、高い熱が出る、血圧が急激に下がる、体に赤い斑点が出るといった症状が現れます。また、吐き気や嘔吐、下痢、筋肉痛、意識障害など、風邪や食中毒に似た症状が現れることもあります。さらに、症状が進むと腎臓や肝臓などの臓器が正常に機能しなくなり、命に関わる危険性も高まります。特に1980年代には、生理中の女性がタンポンを使用していたことが原因で、中毒性ショック症候群が多発した事例が広く知られています。タンポンの長時間使用は、細菌が増殖しやすい環境を作り出すため、注意が必要です。しかし、タンポンを使用していなくても、傷口や手術後、火傷後などに発症するケースもあります。中毒性ショック症候群は、早期に発見し、適切な治療を行えば回復の可能性が高い病気です。少しでも疑わしい症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。
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見えない脅威: 放射性降下物

- 静かなる脅威、放射性降下物とは「放射性降下物」という言葉に、不安や疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。これは、核爆発や原子力発電所の事故といった、私たちの生活から遠く離れた場所で起こる出来事と関連しているように思えるからです。しかし、放射性降下物は、距離を超えて私たちの生活に影響を及ぼす可能性があるのです。放射性降下物は、目に見えない脅威です。核爆発や原子力発電所の事故が起こると、放射性物質を含んだ塵や雨となって、大気中を漂い、やがて地上に降り注ぎます。まるで、目に見えない灰が静かに降り積もるように、私たちの生活圏を汚染してしまうのです。放射性物質は、目には見えませんが、健康に深刻な影響を与える可能性があります。そのため、放射性降下物への備えは、私たちの安全を守る上で非常に重要です。普段から、情報収集を心がけ、非常時の行動について家族と話し合っておくことが大切です。
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蚊が媒介する脅威!ウエストナイル熱とは?

- ウエストナイル熱の概要ウエストナイル熱は、蚊を介して感染する病気です。主に鳥の間で流行しますが、蚊が人や馬を刺すことで感染が広がることがあります。感染すると、高熱が出たり、頭が痛くなったりするなど、風邪に似た症状が現れます。多くの場合、これらの症状は数日で治まります。しかし、高齢者の方や免疫力が低下している方などは、脳炎や髄膜炎といった重い神経系の病気を発症する危険性があり、注意が必要です。ウエストナイル熱は、感染した蚊に刺されることで感染します。蚊は、感染した鳥の血を吸うことでウイルスを獲得し、その後、別の人や動物を刺す際にウイルスを媒介します。そのため、ウエストナイル熱の予防には、蚊に刺されないようにすることが重要です。蚊は、水たまりや排水溝など、水が溜まっている場所に卵を産み付けて繁殖します。そのため、自宅周辺の水たまりをなくしたり、排水溝を定期的に掃除したりするなど、蚊の発生源を減らすように心がけましょう。また、外出する際は、長袖、長ズボンを着用し、肌の露出を少なくする、虫除けスプレーを使用するなど、蚊に刺されないように対策を取りましょう。ウエストナイル熱は、ワクチンや特効薬がないため、予防が何よりも重要です。蚊に刺されないように注意し、健康な状態を保つように心がけましょう。
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知っておきたい被曝線量と安全確保

私たちは普段の生活の中で、ごくわずかな放射線を常に浴びています。これは自然放射線と呼ばれ、太陽光や大地、宇宙などから自然に発生するものです。私たちの身の回りにある空気や食物、建物などにも、微量の放射性物質が含まれています。こうした自然放射線による被ばくはごくわずかであり、健康への影響はほとんどないとされています。一方、原子力発電所事故などの人為的な要因によって、大量の放射線を浴びてしまうことがあります。このような場合、被ばく線量と呼ばれる、浴びた放射線の量を表す指標が重要になります。被ばく線量は、グレイ(Gy)あるいはシーベルト(Sv)という単位で表されます。 被ばく線量が多いほど、細胞や遺伝子への影響が大きくなり、がんや白血病などの健康被害のリスクが高まるとされています。 被ばくの影響は、線量だけでなく、被ばくした人の年齢や健康状態、被ばくした体の部位によっても異なります。放射線は目に見えず、臭いもしないため、どれくらい浴びているのかを直接知ることはできません。そのため、放射線量計などの特別な機器を用いて測定する必要があります。国や地方自治体では、原子力施設の周辺や大気中の放射線量を監視し、安全性を確認しています。
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放射線の人体への影響:被ばくを理解する

- 被ばくとは被ばくとは、目に見えず、直接感じることもできないエネルギーである放射線を、私たちの体が浴びることを指します。放射線は、レントゲン検査やがん治療など、医療の現場で広く利用されています。 また、太陽光線のように、自然界にも放射線は存在しています。さらに、原子力発電所などの人工的な施設からも放射線は発生します。放射線は、物質を透過する能力や、細胞の遺伝子に影響を与える性質を持っています。そのため、一度に大量の放射線を浴びると、体に様々な影響が現れることがあります。これを「急性放射線障害」と呼びます。一方で、少量の放射線を長期間にわたって浴び続けることでも、発がんリスクが高まる可能性が指摘されています。私たちは日常生活の中で、医療や自然、あるいは人工的な施設から、知らず知らずのうちに放射線を浴びています。被ばくによる健康への影響を正しく理解し、必要に応じて放射線からの防護対策を講じることが大切です。
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春の脅威、黄砂への備え

- 黄砂ってどんなもの?黄砂は、主に春の季節に見られる気象現象です。中国大陸の内陸部にある広大な砂漠地帯、特にタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などで発生します。これらの地域は大変乾燥しており、強風が吹くと、地面の土が巻き上げられ、砂ぼこりとなって大量に空中に放出されます。この砂ぼこりは、偏西風と呼ばれる西から東に吹く風に乗って、数千キロメートルも運ばれていきます。そして、日本を含む東アジアの国々まで届くのです。黄砂は、春先に視界が悪くなる現象として知られていますが、私たちの健康や生活にも様々な影響を与える可能性があります。
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緊急事態!甲状腺クリーゼとは?

- 甲状腺クリーゼの概要甲状腺クリーゼは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、体に様々な症状が現れる病気です。甲状腺ホルモンは、体の代謝を調整する重要な役割を担っていますが、このホルモンが過剰になると、全身の臓器が過剰に働くようになり、様々な不調が現れます。甲状腺クリーゼは、治療を受けていない、もしくは治療が不十分な甲状腺機能亢進症の患者さんに多くみられます。甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺クリーゼは、甲状腺機能亢進症が悪化した状態とも言えます。甲状腺クリーゼは、命に関わる危険な状態です。発熱、動悸、息切れ、意識障害などの症状が現れ、重症化すると死に至ることもあります。そのため、早期に適切な治療を開始することが重要です。甲状腺クリーゼは、決して他人事ではありません。甲状腺機能亢進症と診断されている方は、日頃から自身の体調管理に気を配り、医師の指示に従って治療を継続していくことが大切です。また、甲状腺機能亢進症の症状に心当たりがある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
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高山病のリスクと対策を知ろう

- 高山病とは高山病は、高い場所に短時間で移動することで発症する病気です。 2,500メートル以上の高所では、平地と比べて空気中の酸素が薄くなります。私たちの体は、酸素が少ない環境に急激に順応することができず、様々な体調不良を引き起こします。これが高山病です。高山病の症状は人によって異なりますが、代表的なものとしては、頭痛、吐き気、食欲不振、めまいなどが挙げられます。その他、倦怠感、睡眠障害、息切れ、動悸、顔面や手足のむくみなどを感じる場合もあります。高山病は、誰でもかかる可能性があります。 年齢や体力に関係なく、また、過去に高山病にかかったことがない人でも発症する可能性があります。特に、飛行機や車などで一気に高所へ移動した場合や、睡眠不足、過労、飲酒などによって体調が優れない場合は、発症しやすくなるため注意が必要です。高山病の予防には、ゆっくりと時間をかけて高度を上げていくことが重要です。1日に登る高度を制限し、途中で十分な休息と睡眠をとるようにしましょう。また、こまめな水分補給も大切です。高山病の症状が現れた場合は、無理をせず、高度を下げることが重要です。症状が改善しない場合は、医師の診察を受けましょう。
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静かなる脅威: アスベストの危険性と対策

かつて「奇跡の素材」と賞賛され、建物や工業製品に広く使われてきたアスベスト。その丈夫さ、熱への強さ、薬品への強さなど、多くの優れた特性は誰もが認めるところでした。しかし、その輝かしい側面の裏に、人の健康を蝕む恐ろしい危険が潜んでいることが明らかになりました。アスベストの繊維は非常に細かく、空気中に簡単に舞い上がってしまうため、気づかぬうちに私たちの体内に侵入してくる可能性があります。そして、肺に入り込んだアスベストは、長い年月をかけて、肺がんや中皮腫といった深刻な病気を引き起こす原因となるのです。恐ろしいのは、アスベストによる健康被害は発症までに長い年月がかかることです。そのため、自覚症状がないまま病気が進行し、手遅れになってしまうケースも少なくありません。かつての「奇跡の素材」は、今や私たちの健康を脅かす「静かなる時限爆弾」として、その存在を大きく変えてしまったのです。
けが人へ医療

痙攣:その原因と症状について

- 痙攣とは痙攣は、私たちの体を動かすための指令を出す中枢神経に異常が生じることで、自分の意思とは関係なく筋肉が収縮してしまう現象です。普段は私たちが体を動かそうとすると、脳から筋肉へ「動け」という指令が神経を通して伝えられます。しかし、痙攣が起こると、この指令系統が乱れてしまい、筋肉が勝手に収縮と弛緩を繰り返してしまうのです。痙攣が起こると、体が急に硬直したり、手足が突っ張ったり、逆に曲げ伸ばしを繰り返したりするといった症状が現れます。痙攣は、その影響範囲によって大きく二つに分けられます。全身の筋肉に症状が現れるものを「全身性痙攣」、体の一部分だけに症状が現れるものを「局所性痙攣」と呼びます。全身性痙攣は、意識を失って倒れてしまうこともあるため、周囲の人はそのような事態にも対応できるよう、正しい知識を身につけておくことが大切です。一方、局所性痙攣は、まぶたがピクピクする、指先が震えるなど、比較的軽度の症状で済む場合も多いです。しかし、頻繁に起こる場合は、重大な病気のサインである可能性も考えられます。いずれの場合も、自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断を受けるようにしましょう。
その他

潜水作業の危険:減圧症を理解する

- 減圧症とは減圧症は、潜水などの際に、高い水圧がかかる環境から低い水圧の環境へ急激に移った際に、体の中で起こる変化が原因で発症する病気です。深く水中にもぐればもぐるほど、私達の体は周囲の水圧の影響を大きく受けます。この時、私達の呼吸によって体内に取り込まれた空気中の窒素ガスは、高い水圧によって血液や体液に普段よりも多く溶け込んでいきます。この状態で、水中から水面に向かって急激に浮上すると、溶けていた窒素ガスは、圧力が低い環境になったことで、体内で気泡となってしまいます。これは、密閉された炭酸飲料水のボトルを開けた際に、一気に気泡が発生する現象と同じです。この気泡は、血管を詰まらせたり、神経を圧迫したりすることで、様々な体の不調を引き起こします。これが減圧症です。
けが人へ医療

隠れた危険!横紋筋融解症とは?

- 筋肉の病気、横紋筋融解症とは私たちの体を支え、動かすために欠かせない筋肉。実は、この筋肉で構成される細胞が壊れ、血液中に流れ出すことで発症する病気があります。それが「横紋筋融解症」です。まるで、身体の土台が崩れてしまうかのような、大変深刻な病気です。一体なぜ、このようなことが起きるのでしょうか? 実はその原因は、私たちの身近に潜んでいます。例えば、激しい運動や運動不足、肉体的負荷の高い労働などが挙げられます。また、交通事故などによる強い衝撃や、圧迫なども原因の一つです。さらに、薬の副作用によって発症するケースもあるため、注意が必要です。横紋筋融解症は決して他人事ではありません。過度な運動や肉体労働の後、筋肉に強い痛みや脱力感を感じたら、注意が必要です。また、尿の色が赤褐色になるなど、いつもと違う体の変化にも気を配りましょう。 日頃から適度な運動を心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂ること、そして十分な休息をとることが、この病気を予防するために大切です。
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身近に潜む危険!ホルマリンの正体

ツンとくる刺激臭で、誰もが一度は嗅いだことのあるあの独特な臭い。そう、ホルマリンです。理科室の人体模型や動物の標本を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。あのホルマリンは、実は「ホルムアルデヒド」という物質の水溶液のことを指します。ホルムアルデヒド自体は、常温では無色で、あのツンとくる刺激臭を持つ気体です。実は私たちの身の回りにも多く存在し、家具や建材などに使われる接着剤や塗料に含まれており、空気中に放出されています。そのため、日常生活で知らず知らずのうちにホルムアルデヒドを吸い込んでいる可能性があります。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つとしても知られています。目や鼻、喉などの粘膜を刺激し、涙や咳、鼻水などの症状を引き起こすことがあります。高濃度になると、吐き気や呼吸困難を引き起こすこともあり、注意が必要です。ホルマリンは、その強い殺菌・防腐作用から、生物標本の保存などに使用されてきました。しかし、人体への影響を考慮し、近年ではその使用が制限されつつあります。
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都市型大気汚染「光化学スモッグ」とは?

光化学スモッグとは、工場や自動車などから排出される窒素酸化物や炭化水素といった物質が、太陽光線に含まれる紫外線と反応することで発生する大気汚染です。工場や自動車が主な発生源として知られていますが、近年では家庭用燃料の使用も原因の一つと考えられています。光化学スモッグは、風が弱く晴れた日に都市部で発生しやすく、特に気温が高く日差しが強い夏の時期に多く見られます。これは、太陽光線が強く、大気が安定しているため、大汚染物質が拡散しにくいことが原因です。光化学スモッグが発生すると、目がチカチカしたり、喉が痛くなったり、咳が出たりといった症状が現れます。また、ひどい場合には、頭痛、吐き気、呼吸困難を引き起こすこともあります。特に、呼吸器系や循環器系の疾患を持つ人や、お年寄り、子供は、健康への影響を受けやすいと言われていますので注意が必要です。光化学スモッグの発生を防ぐためには、発生源となる物質の排出量を減らすことが重要です。そのため、工場では排煙処理装置の設置や運転方法の見直し、自動車では排ガス規制の強化や環境に優しい車の利用などが進められています。私たち一人ひとりが、環境問題について考え、できることから取り組んでいく姿勢が大切です。