体位

けが人へ医療

知っておきたい! ファウラー体位の効果と活用法

- ファウラー体位とはファウラー体位とは、ベッドに仰向けに寝た状態から上半身を起こし、背もたれを30度から90度の角度に調整した姿勢のことです。この体位は、医療現場や介護の場面で広く活用されています。ファウラー体位は、心臓や肺への圧迫を軽減するため、呼吸が楽になるという利点があります。そのため、肺炎や心不全などの呼吸器疾患や心臓疾患の患者さん、手術後の患者さんによく用いられます。また、食事や経管栄養の際に誤嚥を防ぐ効果も期待できます。ファウラー体位には、角度によっていくつかの種類があります。背もたれの角度が30度程度のものをセミ・ファウラー体位、45度から60度程度のものをハイ・ファウラー体位と呼びます。それぞれの症状や状態に合わせて、適切な角度が選択されます。ファウラー体位は、患者さんの負担軽減や症状緩和に役立つ体位ですが、長時間同じ姿勢を続けることで、褥瘡(床ずれ)のリスクが高まる可能性もあります。そのため、定期的な体位変換や、皮膚の観察など、適切なケアが必要となります。
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知っていますか?トレンデレンブルグ体位のリスク

- 救急医療における体位とは?救急医療の現場では、一刻を争う状況の中、患者さんの状態を素早く把握し、適切な処置を行う必要があります。その際、患者さんの体位は、呼吸の確保、血液循環の維持、そして症状悪化の防止などに大きく影響を与えるため、非常に重要です。適切な体位をとることで、患者さんの身体への負担を軽減し、より効果的な処置を行うことができます。例えば、呼吸困難に陥っている患者さんに対しては、気道を確保するために頭を反らし、あごを持ち上げる体位が有効です。この体位をとることで、舌根沈下による気道閉塞を防ぎ、呼吸を楽にすることができます。また、ショック状態の患者さんに対しては、足を高く上げた体位をとることで、心臓への血液還流量を増やし、血圧の低下を抑制することができます。一方、骨折などの怪我を負っている患者さんに対しては、患部を動かさないように固定し、安静を保つ体位が重要です。むやみに動かしてしまうと、症状が悪化したり、さらなる怪我に繋がったりする可能性があります。このように、救急医療における体位は、状況に合わせて適切に選択することが非常に重要です。状況判断を誤り、不適切な体位をとってしまうと、患者さんの容態を悪化させてしまう可能性もあるため、注意が必要です。