人工呼吸器

けが人へ医療

人工呼吸器使用中のリスク、圧外傷とは?

- 圧外傷の概要圧外傷とは、私たちの体の外側と内側の圧力の差が原因で起こる怪我のことをいいます。 普段はあまり意識しませんが、私たちの体は常に大気の圧力に囲まれています。そして、飛行機に乗ったり、ダイビングをしたりするなど、急激に周りの気圧が変わると、体の内側と外側の圧力のバランスが崩れ、体に負担がかかります。 このような圧力の変化によって引き起こされる怪我こそが、圧外傷なのです。圧外傷で最も身近な例として挙げられるのが、飛行機の離着陸時や、高い山に登った際に感じる耳の痛みや閉塞感です。これは、急激な気圧の変化に耳の中の圧力が追いつかず、鼓膜が内側か外側に引っ張られることで起こります。 また、ダイビング中に深く潜りすぎたり、急に浮上したりすると、耳抜きがうまくいかずに同様の症状が現れることがあります。さらに、鼻の奥が痛くなるのも圧外傷の症状の一つです。 圧外傷は、軽度の場合は自然に治ることが多いですが、症状が重い場合は、鼓膜の損傷や内耳の障害、さらには潜水病などの重篤な病気につながる可能性もあります。そのため、圧外傷を予防するためには、飛行機の離着陸時やダイビング中にはこまめな耳抜きや鼻抜きを行い、体の内側と外側の圧力を調整することが重要です。
その他

酸素中毒:知っておきたいリスクと対策

- 酸素中毒とは私たちは呼吸によって酸素を体内に取り込み、生命を維持しています。酸素は人間にとって必要不可欠なものですが、過剰に摂取してしまうと体に悪影響を及ぼすことがあります。 これが「酸素中毒」と呼ばれる状態です。酸素中毒は、主に脳と肺に障害を引き起こします。 高濃度の酸素を短時間で吸入した場合に起こる「急性酸素中毒」と、低濃度の酸素を長期間吸入した場合に起こる「慢性酸素中毒」の二つに分けられます。急性酸素中毒は、主にダイバーや高圧酸素療法を受ける患者に発生するリスクがあります。症状としては、めまい、吐き気、痙攣、意識障害などが挙げられます。重症化すると、肺水腫や脳浮腫を引き起こし、死に至る可能性もあります。一方、慢性酸素中毒は、主に未熟児や長期にわたり人工呼吸器を使用している患者に発生するリスクがあります。症状としては、視力障害、呼吸困難、咳などが挙げられます。酸素中毒は、適切な酸素濃度と吸入時間を守ることで予防することができます。 酸素を使用する際には、医師や医療従事者の指示に従い、安全に利用するようにしましょう。