中性子

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原子力発電の縁の下の力持ち:反射材

原子力発電は、ウランなどの原子核が中性子という小さな粒子を吸収して分裂する現象、つまり核分裂を利用して熱エネルギーを生み出し、発電を行う仕組みです。原子核が中性子を吸収すると、不安定な状態になり、二つ以上の原子核に分裂します。これが核分裂と呼ばれる現象です。この核分裂の過程で、熱エネルギーとともに、新たな中性子がいくつか飛び出してきます。驚くことに、この新たに放出された中性子が、周囲の他のウランなどの原子核にぶつかり、さらに核分裂を引き起こす可能性があります。このように、次々と核分裂が連鎖的に起こる現象を連鎖反応と呼びます。原子力発電では、この連鎖反応を人工的に制御することで、安定した熱エネルギーを継続的に取り出すことを可能にしています。もし、この連鎖反応が制御を失ってしまうと、莫大なエネルギーが一瞬で放出されてしまうため、原子力発電所では、この連鎖反応を安全に制御することが何よりも重要となります。
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目に見えない脅威:中性子線とは?

私たちの身の回りにある物質は、机、椅子、空気、水など、実に様々です。しかし、これら一見全く異なるように見える物質も、すべて共通の小さな building block から成り立っています。それが「原子」です。原子は、原子核とその周りを回る電子から構成されています。電子はマイナスの電気を帯びていますが、原子の中心部に位置する原子核はプラスの電気を帯びています。原子核はさらに小さな粒子である「陽子」と「中性子」から構成されています。陽子はプラスの電気を帯びていますが、中性子は電気的に中性であり、電気を帯びていません。原子核はプラスの電気を帯びているため、マイナスの電気を帯びた電子を引き寄せ、原子としての形を保っています。一方、中性子は電気を帯びていないため、他の粒子との間に電気的な力が働きません。そのため、中性子は物質を構成する原子の中まで容易に侵入することができます。この性質を利用して、中性子は原子力発電や医療分野など、様々な分野で応用されています。
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原子力発電の安全: 減速材の役割

- 原子力発電と中性子原子力発電は、ウランなどの核燃料が核分裂する際に生じる莫大なエネルギーを利用して電気を起こす発電方法です。原子炉の中には核燃料が入っており、この核燃料に中性子がぶつかると核分裂が起こります。核分裂とは、ウランなどの重い原子核が中性子を吸収することで、より軽い原子核に分裂する現象です。この時、莫大なエネルギーが熱として放出されます。核分裂の際に、新しい中性子が飛び出してきます。この中性子は非常に速いスピードで飛び回っており、再び他のウラン原子核に衝突することで、さらに核分裂を引き起こします。このようにして、中性子が次々と核分裂反応を引き起こす連鎖反応が、原子炉の中で制御されながら持続的に起こることで、熱エネルギーが継続的に生み出されているのです。この熱エネルギーを利用して水を沸騰させ、蒸気によってタービンを回し発電機を動かすことで、電気エネルギーが作り出されます。