一酸化炭素中毒

その他

酸素親和性:酸素との結びつきの強さ

- 酸素を運ぶ力、酸素親和性とは?呼吸によって体内に取り込まれた酸素は、血液によって全身に運ばれています。この酸素を運ぶ役割を担っているのが、赤血球の中に存在するヘモグロビンというタンパク質です。 ヘモグロビンは、ちょうど船に荷物を積み込むように、酸素と結びつくことで、体内の隅々まで酸素を届けます。このヘモグロビンと酸素が、どのくらい強く結びつくのかを示す指標となるのが「酸素親和性」です。 酸素親和性が高いということは、ヘモグロビンが酸素と強く結合している状態を指します。反対に酸素親和性が低い場合は、ヘモグロビンと酸素の結びつきが弱い状態です。酸素親和性は、体内で効率的に酸素を運搬するために非常に重要な役割を果たしています。 肺で酸素を取り込む際には、高い酸素親和性を持つことで効率的に酸素と結びつきます。そして、酸素を必要とする組織に到達すると、今度は酸素親和性を低下させることで、酸素をスムーズに解離させ、組織に届けます。このように、酸素親和性は体の状況に合わせて巧妙に変化することで、私達は生きていくために必要な酸素を、体の隅々まで届けることができるのです。
けが人へ医療

高気圧酸素療法:現代医療における新たな可能性

- 高気圧酸素療法とは高気圧酸素療法とは、普段私たちが生活している気圧よりも高い、2~3気圧という特殊な環境に設置された部屋の中で、高濃度の酸素を吸入する治療法です。この治療法は、体に取り込む酸素の量を大幅に増やすことで、様々な病状の改善に効果を発揮します。私たちの体は、呼吸によって酸素を取り込み、血液によって全身に運びます。しかし、病気や怪我などによって、血液の流れが悪くなったり、酸素を十分に取り込めなくなったりすることがあります。このような状態になると、体の組織は酸素不足に陥り、様々な機能が低下してしまいます。高気圧酸素療法では、気圧を高めた環境で高濃度の酸素を吸入することで、血液中に溶け込む酸素の量を増加させます。これにより、酸素不足に陥っている組織にも十分な酸素を供給することができるようになり、組織の修復や機能回復を促します。高気圧酸素療法は、一酸化炭素中毒や潜水病などの急性疾患から、難聴や糖尿病性壊疽などの慢性疾患まで、幅広い疾患に効果が期待できます。また、近年では、美容や健康増進を目的とした利用も増えています。