
ヨウ素131:知っておきたいこと
- ヨウ素131とはヨウ素131は、私達の体に必要な栄養素であるヨウ素と同じ元素ですが、目には見えない放射線というエネルギーを出す性質を持っています。これを放射性同位体と呼びます。自然界にもごく微量は存在しますが、原子力発電所や核実験など人工的な活動によって大量に作られ、事故や実験によって大気中に放出されることがあります。ヨウ素131は、呼吸によって体内に取り込まれたり、汚染された水や食物を摂取することによって体内に入ります。体内に入ったヨウ素131は、甲状腺に集まりやすく、長期間にわたって留まり続けることで、甲状腺ホルモンを作る細胞を傷つけ、甲状腺がん等の健康への影響を引き起こす可能性があります。特に成長期の子どもは、大人に比べて甲状腺が小さく、ヨウ素131の影響を受けやすいと言われています。そのため、原子力災害時などには、ヨウ素131を含む放射性物質の摂取を避けるための対策が重要となります。安定ヨウ素剤の服用や、汚染された食品の摂取制限などが有効な対策として挙げられます。