
原子力災害と放射性ヨウ素
- 放射性ヨウ素とは放射性ヨウ素とは、私たちになじみのある元素であるヨウ素の中に、放射線を出す性質を持つものが存在し、それらをまとめて指す言葉です。原子番号53番のヨウ素は、自然界に広く存在し、私たちの体にとっても、甲状腺ホルモンを作るために欠かせない大切な役割を担っています。しかし、このヨウ素には、不安定で放射線を出しながら壊れていく、放射性同位体と呼ばれるものがいくつか存在します。これらの放射性同位体を総称して、放射性ヨウ素と呼びます。放射性ヨウ素には、ヨウ素131やヨウ素133など、いくつかの種類があります。これらの放射性ヨウ素は、原子力発電所の事故などで発生する可能性があり、空気中や水に混じって広がり、呼吸や飲食を通して私たちの体に取り込まれることがあります。体内に取り込まれた放射性ヨウ素は、甲状腺に集まりやすく、甲状腺がんや甲状腺機能低下症などの健康への影響を引き起こす可能性があります。放射性ヨウ素から体を守るためには、事故発生時には、政府や自治体からの情報に注意し、指示に従って行動することが重要です。屋内退避や安定ヨウ素剤の服用など、適切な対策を講じることで、健康への影響を最小限に抑えることができます。