
活性化プロテインC:血液凝固と炎症の制御
- 活性化プロテインCとは私たちの体内には、怪我などで出血した際に血液を固めて止血する、血液凝固系というシステムが備わっています。このシステムは、血液をスムーズに流すという役割と同時に、出血が起きた際には速やかに止血するという、相反する働きを両立させています。活性化プロテインC(APC)は、この血液凝固系において重要な役割を担うタンパク質の一つです。APCは、肝臓で作られるプロテインCが、血液凝固反応の過程で活性化されたものです。プロテインCの活性化には、食事から摂取する脂溶性ビタミンであるビタミンKが欠かせません。ビタミンKが不足すると、プロテインCが十分に活性化されず、血液が固まりすぎる状態、つまり血栓症のリスクが高まります。APCは、血液凝固反応を促進する働きを持つタンパク質の働きを阻害することで、血液凝固反応を抑制し、血栓の形成を防ぐ役割を担っています。また、APCは血液凝固系だけでなく、炎症反応にも関与しており、炎症反応を抑制する効果も期待されています。このように、APCは私たちの体内で非常に重要な役割を担っており、健康を維持する上で欠かせない存在と言えるでしょう。