
進化するハッキング:悪意ない行為から犯罪へ
- ハッキングの起源「ハッキング」という言葉が初めて世に出たのは、1960年代のアメリカでした。 当時は、コンピューターといえば巨大な計算機であり、限られた人しか扱うことのできない特別な機械でした。そんな中、「ハッキング」は、そんなコンピューターやシステムの仕組みを、その道の専門家にも劣らない技術と知識で解き明かす行為を指していました。興味深いことに、当時の「ハッキング」は、必ずしも悪い意味合いを持つものではありませんでした。むしろ、技術的な探求心や、未知の領域への好奇心、そして複雑なシステムを理解し操る高度な技術力に対する賞賛を伴う言葉として使われていました。例えば、初期のハッカーたちは、電話システムの複雑な仕組みを紐解き、無料で長距離電話をかける方法を見つけるなど、その技術力を駆使していました。また、コンピュータープログラムのコードを一行一行丁寧に解析し、その動作原理を根本から理解することに熱中していました。彼らは、技術の限界に挑戦し、不可能を可能にすることに喜びを感じる、まさに技術の開拓者のような存在だったと言えるでしょう。