コンパートメント症候群

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圧挫症候群:長時間の圧迫がもたらす危険

- 圧挫症候群とは圧挫症候群は、地震などの災害時や事故に遭った際に、長時間、体の一部、特に腕や脚が重みで押しつぶされることで発症する危険な状態です。例えば、地震で倒壊した家屋や家具の下敷きになったり、交通事故で車に長時間挟まれたりすることで、この圧迫が発生します。長時間圧迫されると、筋肉組織が損傷し、体内に有害な物質が流れ出すことがあります。そして、その有害物質が血液中に流れ込むことで、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼし、様々な合併症を引き起こす可能性があります。具体的な症状としては、腫れや痛み、感覚麻痺、壊死などが挙げられます。また、筋肉が壊死すると、ミオグロビンという毒性のある物質が血液中に流れ出し、急性腎不全を引き起こす可能性もあります。さらに、重症化すると、ショック状態に陥り、死に至るケースもあります。圧挫症候群は、発症後の迅速な処置が重要となります。そのため、日頃から防災意識を高め、適切な行動をとれるようにしておくことが大切です。
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骨折後の後遺症:フォルクマン拘縮

- フォルクマン拘縮とはフォルクマン拘縮は、骨折後に発症する可能性のある深刻な後遺症です。骨が折れた後、適切な処置が行われないと、筋肉や神経に重大なダメージを与えることがあります。その結果、手や指の機能に深刻な影響を及ぼす可能性があり、これがフォルクマン拘縮と呼ばれる状態です。特に、肘の関節付近の骨折、特に子供の腕の骨の一部である上腕骨顆上骨折の後によく見られます。この骨折は、子供の骨がまだ柔らかく、成長段階にあるため、損傷を受けやすい特徴があります。フォルクマン拘縮が発生すると、前腕にある筋肉や神経が損傷を受けます。その結果、指が変形したり、手指を自由に動かすことが困難になります。これは、日常生活において、物を掴んだり、書いたり、ボタンをかけたりといった、基本的な動作に支障をきたす可能性があります。フォルクマン拘縮は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。治療には、リハビリテーションや手術などが挙げられます。しかし、症状が進行してしまうと、完全に回復することが難しいケースもあります。
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運動中の思わぬ危険!コンパートメント症候群とは?

私たちの体は、無数の筋肉によって支えられています。特に腕や脚には多くの筋肉が集まっており、複雑な動きを可能にしています。これらの筋肉は、ただ闇雲に配置されているわけではありません。それぞれの筋肉のグループは、骨や筋膜といった組織によって包み込まれ、まるで部屋のように区切られています。この筋肉を包む部屋のような区画のことを「コンパートメント」と呼びます。コンパートメントは、筋肉を保護する役割を担っています。外部からの衝撃を吸収し、筋肉へのダメージを軽減するクッションのような役割を果たします。また、筋肉が働く際に、その力を効率的に伝える役割も担っています。それぞれのコンパートメントの中には、筋肉以外にも、血管や神経が通っています。血管は筋肉に栄養や酸素を供給し、神経は脳からの指令を筋肉に伝達することで、スムーズな動きを可能にしています。このように、コンパートメントは、私たちの体が正常に機能するために重要な役割を担っています。