
糖尿病性ケトアシドーシス:命に関わる合併症
- 糖尿病性ケトアシドーシスとは糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンというホルモンが十分に働かなくなることで発症する、命に関わる危険性のある糖尿病の合併症です。私たちの体は、食事から摂取した糖をエネルギー源として利用しています。インスリンは、血液中の糖を細胞内に取り込むために欠かせないホルモンです。しかし、糖尿病の人はインスリンの分泌量が少ない、あるいはインスリンがうまく働かないため、細胞が糖をエネルギーとして利用できません。そこで体は、エネルギー不足を補うために脂肪を分解し始めます。この脂肪分解の過程で、ケトン体と呼ばれる酸性の物質が大量に作られます。ケトン体は本来、一時的なエネルギー源として利用されるものですが、大量に作られすぎると血液中に溜まり、血液が酸性に傾いてしまいます。これが「アシドーシス」と呼ばれる状態です。糖尿病性ケトアシドーシスは、適切な治療を行わなければ意識障害や昏睡に陥り、最悪の場合、死に至ることもあります。早期発見・早期治療が重要となるため、糖尿病の人は、のどの渇きや頻尿、倦怠感、吐き気などの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。