カテーテル

けが人へ医療

循環管理の要!肺動脈カテーテルとは?

- 肺動脈カテーテル心臓の状態を詳しく知るための管肺動脈カテーテルは、心臓の機能を詳細に評価するために用いられる、特殊な管のことです。別名スワン・ガンツカテーテルとも呼ばれます。このカテーテルは、心臓の状態や血液の流れに関する重要な情報を提供し、適切な治療方針の決定に役立ちます。カテーテルは、首や足の付け根にある大きな静脈から挿入し、心臓の右心房、右心室を通過して肺動脈へと進められます。カテーテルの先端にはセンサーが付いており、肺動脈内の圧力を測定することができます。この圧力は、心臓から送り出される血液量や、心臓が効率的に血液を送り出す能力などを反映しています。肺動脈カテーテルによって得られる情報としては、心臓のポンプ機能の指標となる心拍出量、心臓に戻る血液量を示す中心静脈圧、肺にどれだけの圧力がかかっているかを示す肺動脈楔入圧などがあります。これらの情報は、心不全、ショック、重症の呼吸不全などの深刻な病状の診断や治療において特に重要となります。ただし、肺動脈カテーテルは侵襲的な検査であるため、合併症のリスクも伴います。そのため、患者さんの状態や検査の必要性を慎重に判断した上で、実施が決定されます。近年では、超音波検査や心臓MRIなど、侵襲性の低い検査法の進歩により、肺動脈カテーテルの使用頻度は減少傾向にあります。
感染症から守る

命を守るために知っておきたいカテーテル感染

- カテーテル感染とは何か病院で治療を受ける際に、血管に管を入れる医療行為を受けることがあります。これは、点滴や栄養剤の投与、血液検査など、様々な治療に必要な場合に行われます。この血管に入れる管のことをカテーテルと呼びます。カテーテルは、患者さんの治療をスムーズに進める上で、とても大切な役割を担っています。しかし、このカテーテルを介して、細菌やカビなどの病原体が体内に侵入し、感染症を引き起こしてしまうことがあります。これがカテーテル感染です。カテーテル感染は、決して珍しいものではありません。入院している患者さんにとって、誰にでも起こりうる可能性があります。特に、病気や治療の影響で免疫力が低下している患者さんや、長期にわたってカテーテルを使用しなければならない患者さんは、注意が必要です。カテーテル感染は、発熱や患部の腫れ、痛み、膿など、様々な症状を引き起こします。重症化すると、敗血症など、命に関わる危険な状態に陥ることもあります。そのため、カテーテル感染を予防するために、医療従事者は、カテーテルを挿入する際には徹底した衛生管理を行い、患者さん自身も、手洗いをこまめに行うなど、清潔を心がけることが重要です。
その他

命を救う!冠インターベンション治療とは?

- 心臓の血管の詰まりを解消!心臓は、体全体に血液を送り出す重要な臓器です。そして、その心臓自身にも栄養を届けるための血管が存在します。それが冠動脈と呼ばれる血管です。毎日休むことなく働き続ける心臓にとって、冠動脈はまさに生命線と言えるでしょう。しかし、この冠動脈も、加齢や生活習慣の影響などによって、徐々に動脈硬化を起こしてしまうことがあります。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなってしまう状態のことです。水道管に例えると、内側に錆や汚れが付着して、水の通りが悪くなってしまうイメージです。冠動脈が動脈硬化を起こすと、心臓の筋肉に十分な血液が行き渡らなくなり、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。このような状態を狭心症と呼びます。さらに症状が進行すると、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部が壊死してしまうことがあります。これが心筋梗塞です。心筋梗塞は命に関わる危険性も高く、迅速な治療が必要となります。冠インターベンションは、狭窄や閉塞を起こした冠動脈を治療し、心臓の筋肉への血流を改善するための治療法です。カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、風船やステントなどを用いて、狭くなった血管を拡張します。この治療により、心臓への血流が回復し、胸の痛みや圧迫感などの症状が改善されます。また、心筋梗塞の再発予防にも効果が期待できます。