エンドトキシン

感染症から守る

エンドトキシン吸着療法:敗血症治療の革新

- エンドトキシン吸着療法とはエンドトキシン吸着療法は、血液の中に存在する毒素であるエンドトキシンを取り除く治療法です。私たちの体内では、通常、免疫システムが細菌などの病原体と戦ってくれています。しかし、細菌の中には、グラム陰性菌という種類があり、その細胞壁の外膜にはエンドトキシンという毒素が含まれています。グラム陰性菌が血液中に侵入し、増殖すると、エンドトキシンが血液中に放出され、敗血症と呼ばれる重篤な病態を引き起こすことがあります。敗血症は、過剰な免疫反応によって臓器障害やショック状態を引き起こし、命に関わることもある恐ろしい病気です。エンドトキシン吸着療法では、血液を体外循環させながら、エンドトキシンだけを吸着する特殊なフィルター(カラム)に通すことで、血液を浄化します。この治療法によって、血液中のエンドトキシン濃度を低下させ、敗血症の症状を改善させる効果が期待できます。エンドトキシン吸着療法は、主にグラム陰性菌感染による敗血症の治療に用いられます。ただし、この治療法単独ですべての敗血症を治せるわけではなく、抗菌薬による治療などと併用されることが一般的です。
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見えない脅威: エンドトキシンと私たちの闘い

- エンドトキシンその正体エンドトキシンは、私たちの身の回りにありふれている、グラム陰性桿菌と呼ばれる種類の細菌の細胞壁に含まれている物質です。普段は大人しく、私たちが生活する上で特に病気の原因となることはありません。しかし、細菌が死滅したり、破壊されたりすると、状況は一変します。エンドトキシンは細菌の外に放出され、私たちの体内に侵入し始めます。体内に侵入したエンドトキシンは、私たちの体の防衛システムである免疫システムにとって、見過ごすことのできない異物として認識されます。免疫システムは、この侵入者であるエンドトキシンを排除しようと、過剰な反応を引き起こします。これが、様々な体調不良を引き起こす発熱、炎症、ショックなどの原因となるのです。エンドトキシンは、私たちの身の回りの水、空気、土壌など、どこにでも存在する可能性があります。特に、水回りの清掃が不十分な場所や、空調設備のフィルターの汚れなどに多く潜んでいる可能性があります。普段から清潔を心がけ、これらの場所に注意することで、エンドトキシンへの曝露リスクを減らすことができます。