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命を守る!アナフィラキシーの基礎知識と対策

- アナフィラキシーとはアナフィラキシーは、特定の物質に対して私たちの体が過剰に防御反応を起こしてしまうことで引き起こされる、重篤なアレルギー反応です。この反応は非常に速く、物質に触れてから数分以内に症状が現れることもあり、場合によっては命に関わる危険性も孕んでいます。私たちの体には、細菌やウイルスなどの異物が侵入してくると、それらを排除して体を守ろうとする免疫システムが備わっています。この免疫システムは、通常は私たちの体を守るために働いていますが、アナフィラキシーの場合、特定の物質に対して過剰に反応してしまい、体に悪影響を及ぼしてしまうのです。例えば、食べ物ではピーナッツやそば、甲殻類などがアナフィラキシーの原因として知られていますが、ハチ毒や薬剤など、人によって原因物質は様々です。症状としては、じんましんや呼吸困難、血圧低下などが挙げられます。アナフィラキシーは適切な処置が遅れると命に関わるため、原因物質となるものを避け、発症した場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。
感染症から守る

身近な脅威:アレルギーについて

- アレルギーとは私たちの体は、外から侵入してくるウイルスや細菌などの異物から身を守るために、『免疫』というシステムを持っています。通常、免疫は体にとって有害な異物だけに反応し、これらを攻撃して排除することで健康を守っています。しかし、本来であれば体に害のない無害な物質に対して、この免疫システムが過剰に反応してしまうことがあります。これが『アレルギー』と呼ばれる反応です。アレルギー反応を引き起こす原因となる物質は『アレルゲン』と呼ばれ、代表的なものとして、花粉、食べ物(卵、牛乳、小麦など)、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、薬などが挙げられます。アレルゲンは人によって異なり、同じものでも反応する人としない人がいます。また、アレルギー反応の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、皮膚の発疹やかゆみなど、比較的軽いものから、呼吸困難、意識障害など、重篤なものまでさまざまです。アレルギー反応は、アレルゲンを特定し、可能な限り接触を避けることが重要です。また、症状に応じて薬物療法が行われることもあります。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
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薬物過敏症の基礎知識

- 薬物過敏症とは薬は病気の治療や予防のために有効ですが、時に体に思わぬ反応を引き起こすことがあります。その一つが薬物過敏症です。薬物過敏症とは、服用した薬が、その人の体質や体調によって、通常とは異なる過剰な反応を示し、体に害を及ぼす状態を指します。誰でも経験する可能性があるものですが、高齢の方や複数の薬を服用している方は特に注意が必要です。例えば、ある種の抗生物質を服用した際に、皮膚に発疹が出たり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。これは、その抗生物質に対して体が過敏に反応しているために起こる現象です。薬物過敏症は、その症状の重さや現れ方によって、大きく3つのタイプに分けられます。* -即時型反応- 薬を服用してから数分から数時間以内に、じんましん、かゆみ、呼吸困難などの症状が現れます。重症の場合、意識消失や血圧低下などを伴うアナフィラキシーショックを起こすこともあります。* -遅延型反応- 薬を服用してから数日〜数週間後に、発疹、発熱、肝機能障害などの症状が現れます。* -その他- 薬剤性肺炎や間質性肺炎などのように、特定の臓器に障害が現れる場合があります。薬物過敏症は、適切な治療を行えば症状を抑え、改善することができます。気になる症状が出た場合は、自己判断せずに、すぐに医療機関を受診しましょう。
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遅延型アレルギー反応:時間差のある免疫の攻撃

私たちの体は、細菌やウイルスなどの体に害をなすものから体を守る仕組みを持っています。これを免疫システムと呼びますが、このシステムは、大きく分けて二つの反応で異物を排除します。一つは、即時型アレルギー反応と呼ばれるもので、アレルギーの原因となるもの(アレルゲン)に触れてから数分から数時間以内に症状が現れるものです。花粉症や特定の食品アレルギーなどが、この反応に当てはまります。もう一つは、今回紹介する遅延型アレルギー反応です。この反応は、アレルゲンに触れてから症状が現れるまでに24時間から48時間かかる点が特徴です。特定の金属や化粧品などに触れた部分が赤くなったり、かゆくなったりする接触皮膚炎は、この遅延型アレルギー反応によって引き起こされます。また、ツベルクリン反応も遅延型アレルギー反応の一つです。この二つのアレルギー反応は、症状が出るまでの時間だけでなく、免疫システムがどのように働くかという点でも異なります。即時型アレルギー反応は、主にIgE抗体と呼ばれる物質が関与し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで、くしゃみや鼻水、皮膚の発疹などの症状を引き起こします。一方、遅延型アレルギー反応は、T細胞と呼ばれる免疫細胞が、アレルゲンに反応して活性化することで起こります。活性化したT細胞は、様々な炎症物質を産生し、それが皮膚や組織の炎症を引き起こします。遅延型アレルギー反応は、即時型アレルギー反応に比べて症状が現れるまでに時間がかかるため、原因となるアレルゲンを特定することが難しい場合があります。身に覚えのない皮膚炎などが続く場合は、医療機関を受診し、パッチテストなどの検査を受けることをお勧めします。
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化学メディエータとアレルギー反応

私たちの体の中では、様々な種類の細胞がそれぞれ役割を担い、互いに連携を取りながら活動しています。この細胞間の連携をスムーズに行うためには、細胞同士が情報をやり取りする仕組みが必要不可欠です。細胞間の情報伝達を担う重要な役割を果たしているのが、「化学伝達物質」と呼ばれる物質です。化学伝達物質は、特定の細胞から分泌され、血液などの体液を通じて他の細胞に情報を伝えます。情報を伝える相手は、すぐ近くの細胞の場合もあれば、遠く離れた臓器や組織の細胞である場合もあります。化学伝達物質には、ホルモンや神経伝達物質など、様々な種類が存在します。例えば、ホルモンは、血液によって全身の細胞に運ばれ、成長や代謝、生殖など、体の様々な機能を調節しています。また、神経伝達物質は、神経細胞の間で情報を伝える役割を担っており、思考や感情、運動など、脳の働きに関わっています。このように、化学伝達物質は、細胞間のコミュニケーションにおいて欠かせない役割を担っており、私たちの体が正常に機能するために非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。今回は、この化学伝達物質の中でも、アレルギー反応に深く関わるものについて詳しく解説していきます。