企業の危機管理!事業継続計画(BCP)とは?
防災防犯を教えて
先生、「事業継続計画」ってニュースで聞いたことがあるんですけど、どんなものですか?
防災防犯の研究家
「事業継続計画」は、会社などが災害にあったときに、重要な仕事が止まらないようにするための計画のことだよ。例えば、地震で会社が使えなくなっても、別の場所で仕事ができるように準備しておくことなどが含まれるんだ。
防災防犯を教えて
なるほど。会社の仕事が止まらないように準備しておくことが大切なんですね。具体的にどんなことを計画しておくんですか?
防災防犯の研究家
そうだね。仕事の内容によって優先順位をつけたり、必要な物資を確保したり、連絡手段を確保したりすることが重要だよ。他にも、社員の安全を確保するための計画も必要になってくるね。
事業継続計画とは。
「もしもの時に備えて、会社などの活動が止まってしまわないように、あらかじめ大切な活動を決めておく計画があります。これは『事業継続計画』と呼ばれ、普段は『ビーシーピー』と略して呼ばれます。大きな災害などが起きた時でも、会社が活動を続けられるように、活動の順番や必要なものを決めておくことが大切です。」
はじめに
近年、企業を取り巻くリスクはますます複雑化し、その脅威は増大しています。特に、地震や台風といった自然災害は、従来から企業活動にとって大きなリスク要因でしたが、近年はその規模や頻度が増加傾向にあり、企業はこれまで以上に深刻な影響を受ける可能性が高まっています。
さらに、新型ウイルスの世界的な感染拡大に見られるような、想定外の事態も発生しています。このような事態は、従業員の安全確保、サプライチェーンの途絶、顧客の購買意欲の低下など、企業活動に多大な影響を与える可能性があります。
このような予測不能な事態が発生した場合でも、企業は混乱に陥ることなく、社会的な責任を果たしていく必要があります。そのためには、平時からの備えとして、事業継続計画(BCP)の策定や、従業員への防災・危機管理意識の向上など、様々な取り組みを進めることが重要になります。
リスクの種類 | 具体的な内容 | 企業への影響 |
---|---|---|
自然災害 | 地震、台風などの規模・頻度増加 | – 事業活動の停止 – 物的被害 – サプライチェーンの途絶 |
新型感染症の拡大 | – 従業員の感染 – 移動制限 – 経済活動の停滞 |
– 従業員の安全確保 – サプライチェーンの途絶 – 顧客の購買意欲の低下 |
事業継続計画(BCP)とは
事業継続計画(BCP)とは
近年、地震や風水害といった自然災害に加え、新型感染症の流行など、企業活動を脅かす様々なリスクが存在します。このような予期せぬ事態が発生した場合でも、企業が重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための計画、それが事業継続計画(BCP)です。これは英語の”Business Continuity Plan”の頭文字をとって「BCP」(ビーシーピー)とも呼ばれます。
BCPは、企業の規模や業種に関わらず、すべての企業にとって重要です。企業活動が予期せぬ事態によって中断してしまうと、事業だけでなく、顧客や取引先、従業員とその家族、さらには企業の信用やブランドイメージなど、様々なものに影響が及びます。BCPは、このような事態を想定し、被害を最小限に抑え、一日も早く事業を復旧させるための備えとなるのです。
BCPの作成には、まず自社の事業における重要業務を洗い出し、優先順位をつけることから始めます。そして、それぞれの業務において、どのようなリスクが考えられるのか、リスク発生時にどのような影響があるのかを分析します。その上で、それぞれのリスクに対して具体的な対策を検討し、優先順位に基づいて実行していくことが重要です。
BCPは、作成したら終わりではなく、定期的な見直しと改善が欠かせません。社会情勢や企業を取り巻く環境の変化に合わせて、計画の内容を常に最新の状態に保つことが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
BCPとは | 企業活動を脅かす様々なリスク発生時でも、重要な事業を中断させない、または可能な限り短い期間で復旧させるための計画 |
BCPの重要性 | 企業活動が中断すると、事業だけでなく、顧客や取引先、従業員とその家族、企業の信用やブランドイメージなど、様々なものに影響が及ぶため、すべての企業にとって重要 |
BCP作成の手順 | 1. 自社の事業における重要業務を洗い出し、優先順位をつける 2. それぞれの業務において、どのようなリスクが考えられるのか、リスク発生時にどのような影響があるのかを分析する 3. リスクに対して具体的な対策を検討し、優先順位に基づいて実行していく |
BCP運用上の留意点 | 作成したら終わりではなく、定期的な見直しと改善を行い、社会情勢や企業を取り巻く環境の変化に合わせて、計画の内容を常に最新の状態に保つ |
BCPの目的
– BCPの目的
企業が、地震や風水害といった自然災害、感染症の流行、大規模な事故、サイバー攻撃など、事業の継続を脅かすような予期せぬ事態に遭遇した場合でも、可能な限り速やかに重要な業務を再開し、顧客へのサービス提供を継続できるようにするための計画、それがBCP(事業継続計画)です。
BCPの目的は、企業活動が危機によって停止してしまうことを防ぎ、企業の損失を最小限に抑えることにあります。具体的には、次のような目的が挙げられます。
* -従業員の安全確保- 何よりもまず、従業員の命と安全を守ることが最優先事項です。緊急時の対応手順を明確化し、訓練を実施することで、従業員が適切に行動できるようにしておく必要があります。
* -顧客へのサービス提供の継続- 事業の停止は、顧客離れに繋がりかねません。顧客との信頼関係を維持するためにも、可能な限りサービス提供を継続できる体制を整えておく必要があります。
* -取引先との関係維持- 取引先との取引が途絶えてしまうと、事業の再開がさらに困難になる可能性があります。日頃から取引先と連絡を取り合い、緊急時の対応について協議しておくことが重要です。
* -企業の存続と成長- BCPは、企業が危機を乗り越え、事業を継続していくために不可欠です。
想定外の事態はいつ、どのような形で起こるかわかりません。日頃から備えをしておくことが、企業の存続と成長に繋がります。
BCPの内容
– 事業継続計画(BCP)の内容事業継続計画(BCP)は、企業が地震や風水害などの自然災害、感染症の流行、大規模な事故といった予期せぬ事態に遭遇した場合でも、重要な事業を中断させずに、あるいは中断したとしても可能な限り短い期間で復旧させるために策定する計画です。 BCPには、一般的に以下の内容が含まれます。-# 1. 現状分析まずは、自社の置かれている状況を把握することが重要です。どのような種類の災害、感染症、事故のリスクが想定されるのか、その規模や発生頻度、自社への影響度などを分析します。ハザードマップや過去の事例などを参考に、自社の事業内容に合わせた分析を行うようにしましょう。-# 2. 重要業務の特定企業活動全体を俯瞰し、その中でも特に重要な業務を特定します。顧客への製品・サービス提供、売上や利益に直結する業務、法令遵守のために必要な業務などを考慮し、優先順位をつけて明確化します。-# 3. 目標復旧レベルの設定重要業務ごとに、どの程度のレベルまで、どのくらいの時間内に復旧させるかという目標を設定します。重要度や緊急度が高い業務ほど、早期の復旧を目指すべきです。復旧レベルは、例えば、平常時の何%の能力で業務を再開するかといった具体的な数値で設定します。-# 4. 対策・手順設定した目標復旧レベルを達成するために、具体的な対策や手順を、業務の流れに沿って詳細に定めます。代替設備の確保、人員の配置転換、外部企業との連携など、様々な対策を検討し、手順書としてまとめることが重要です。 -# 5. 訓練・見直し策定したBCPは、机上の空論ではなく、実際に機能するものでなければ意味がありません。定期的に訓練を実施し、計画の内容が適切かどうか、 実行可能かどうかを確認・評価し、必要に応じて見直しを行います。訓練を通じて、従業員一人ひとりのBCPに対する意識を高めることも重要です。
項目 | 内容 |
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1. 現状分析 | – 想定される災害、感染症、事故のリスクを分析 (種類、規模、発生頻度、自社への影響度) – ハザードマップや過去の事例などを参考に、自社事業に合わせた分析 |
2. 重要業務の特定 | – 企業活動全体から特に重要な業務を特定 – 顧客への製品・サービス提供、売上・利益に直結する業務、法令遵守に必要な業務などを考慮 – 優先順位をつけて明確化 |
3. 目標復旧レベルの設定 | – 重要業務ごとに、目標復旧レベル(復旧レベル、復旧時間)を設定 – 重要度や緊急度が高い業務ほど、早期の復旧を目指す – 復旧レベルは具体的な数値で設定(例: 平常時の何%の能力で業務を再開) |
4. 対策・手順 | – 目標復旧レベル達成のための具体的な対策と手順を、業務の流れに沿って詳細に設定 – 代替設備の確保、人員配置の転換、外部企業との連携など、様々な対策を検討 – 手順書としてまとめる |
5. 訓練・見直し | – 定期的な訓練を実施し、計画の内容が適切か、実行可能かを確認・評価 – 必要に応じて見直しを行う – 訓練を通じて従業員のBCPに対する意識を高める |
BCP策定のメリット
– 事業継続計画(BCP)策定のメリット事業継続計画(BCP)とは、地震や風水害などの災害、感染症の流行、あるいは大規模な事故など、企業の活動に大きな影響を与えるような事態が発生した場合でも、重要な事業を中断させずに継続あるいは早期復旧させるための計画です。BCPを策定することで、企業は様々なメリットを享受できます。-# 1. 企業価値の保護予期せぬ事態が発生した場合、企業は経済的な損失だけでなく、顧客の信頼を失墜、ブランドイメージの低下など、目に見えない損害を受ける可能性があります。BCPを策定することで、こうした危機発生時の被害を最小限に抑え、企業の大切な価値を守ることができます。-# 2. 競争優位性の確保災害や事故などの緊急事態発生時、いち早く事業を復旧できるかどうかは、その後の企業活動に大きく影響します。BCPを策定し、緊急時にも事業を継続あるいは早期復旧できるようにしておくことは、顧客からの信頼獲得に繋がり、競争優位性を築く上で大変重要です。-# 3. 組織力の強化BCP策定は、単に計画書を作成するだけでなく、策定プロセスを通じて、社員一人ひとりの危機意識を高め、リスクに対する共通認識を持つことができます。また、部署を超えた連携体制を構築することで、組織全体の連携強化にも繋がります。BCP策定は、企業が持続的に成長していくために欠かせない取り組みと言えるでしょう。
メリット | 内容 |
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企業価値の保護 | – 経済的損失の最小化 – 顧客の信頼失墜・ブランドイメージ低下の防止 |
競争優位性の確保 | – 事業の早期復旧による顧客からの信頼獲得 – 競争優位性の構築 |
組織力の強化 | – 社員の危機意識向上とリスクに対する共通認識の醸成 – 部署を超えた連携体制の構築による組織全体の連携強化 – 企業の持続的成長の促進 |
おわりに
ここまで、企業が事業継続のために取り組むべきBCP(事業継続計画)について、その重要性や策定手順、具体的な内容を見てきました。しかし、BCPは、一度作成したら終わりではありません。計画はあくまで計画であり、実際に災害や事故が起こった時に、想定通りに事が運ぶとは限りません。そのため、定期的に見直しを行い、状況の変化に合わせて内容を更新していくことが重要となります。
例えば、従業員の入れ替わりや事業内容の変更、あるいは、新たな感染症の流行や自然災害のリスクの高まりなど、事業を取り巻く環境は常に変化しています。これらの変化を踏まえ、必要に応じて計画を見直し、改善を加えることが、BCPをより実効性の高いものとするために不可欠です。
また、自社だけでBCP策定や見直しを行うのが難しい場合は、外部の専門家の力を借りるのも一つの方法です。BCP策定を専門とするコンサルタントは数多く存在し、企業の状況やニーズに合わせて、適切なアドバイスやサポートを提供しています。これらの専門家の知見や経験を活かすことで、より質の高いBCPを策定し、事業継続体制を強化することができます。