机上で災害に備える!図上訓練のススメ

机上で災害に備える!図上訓練のススメ

防災防犯を教えて

先生、「図上訓練」ってなんですか?

防災防犯の研究家

いい質問だね!「図上訓練」は、実際に外に出たり、体を動かしたりする訓練ではなくて、部屋の中で頭と紙とペンを使って行う防災訓練のことだよ。

防災防犯を教えて

頭と紙とペンを使うんですか?どんなことをするんですか?

防災防犯の研究家

例えば、地震が起きたと想定して、その時の状況を地図上に書き込んだり、誰がどこに避難するかを話し合ったりするんだ。 こうすることで、いざという時に適切に行動できるよう、頭の中でシミュレーションするんだよ。

図上訓練とは。

「災害や犯罪を防ぐための言葉に、『図上訓練』というものがあります。これは、実際に外に出て動く訓練ではなく、主に部屋の中で行う訓練のことです。

図上訓練には、大きく分けて二つの方法があります。

一つ目は、ある状況を急に与えられて、その場でどのように判断し、行動するべきかを考える訓練です。これは、まるで役割を演じるように行うので、『ロールプレーイング方式』とも呼ばれます。

二つ目は、あらかじめ決められた筋書きに沿って、状況説明を聞きながら、どのように行動すれば良いかを考える訓練です。こちらは、『シナリオ読み上げ方式』と呼ばれ、どのような行動をとるべきかを理解し、とっさの事態にも対応できる能力を高めることを目的としています。」

はじめに

はじめに

近年、地震や台風、豪雨など、私たちの暮らしを脅かす自然災害が頻発しています。いつ、どこで、どのような災害に遭遇するとも限りません。こうした状況下において、日頃からの備えと、いざという時に適切な行動をとれるようにしておくことが非常に重要となります。

災害発生時、多くの人はパニックに陥り、冷静な判断ができなくなることがあります。また、実際に災害に直面した際に、どのように行動すれば良いのか分からず、適切な判断を下せないケースも少なくありません。

そこで有効なのが、「図上訓練」です。図上訓練とは、地図や図面などを使用し、実際に災害が発生したと想定して、その状況下における役割分担や避難経路、情報伝達の方法などをシミュレーションする訓練を指します。

図上訓練を通して、災害発生時の状況を具体的にイメージし、問題点や改善点を洗い出すことができます。また、家族や地域住民と訓練を行うことで、連携を深め、より実践的な防災意識を高めることが期待できます。

災害への備え
近年、地震、台風、豪雨などの自然災害が増加し、いつどこで発生するかわからない状況である。
日頃からの備えと、適切な行動をとることが重要。
災害時の課題
多くの人がパニックに陥り、冷静な判断ができない。
適切な行動がわからず、適切な判断を下せないケースが多い。
図上訓練のススメ
地図や図面を使用し、災害発生を想定したシミュレーションを行う。
役割分担、避難経路、情報伝達方法などを確認する。
災害時の状況を具体的にイメージし、問題点や改善点を洗い出す。
家族や地域住民と連携し、実践的な防災意識を高める。

図上訓練とは

図上訓練とは

– 図上訓練とは

図上訓練とは、実際に避難する訓練ではなく、地図や資料を使って、災害が起こったときにとるべき行動を模擬体験する訓練のことです。机に向かって行うことから「机上訓練」とも呼ばれています。

図上訓練の大きなメリットは、時間や場所にとらわれずに、少ない費用で実施できる点にあります。そのため、参加者の予定が合いにくい場合や、広範囲に人が分散している職場、予算が限られている場合でも、比較的容易に実施できます。

具体的な訓練の内容としては、災害発生時の情報伝達経路の確認、避難経路の確認、役割分担の確認などを行います。地図上に自社の建物や周辺の道路、避難場所などを書き込み、災害の種類に応じて安全な避難経路や行動を検討します。また、災害発生時の連絡体制や情報共有の方法、役割分担などを明確にすることで、混乱を防ぎ、迅速な対応を可能にします。

図上訓練は、実際に体を動かす避難訓練とは異なり、実践的な経験は積めません。しかし、災害発生時の状況を具体的にイメージし、課題や改善点を事前に洗い出すことで、より効果的な防災対策を講じることができます。

項目 内容
定義 地図や資料を使い、災害時の行動を模擬体験する訓練。机上訓練とも呼ばれる。
メリット 時間や場所にとらわれず、低コストで実施できる。
具体的な内容 情報伝達経路、避難経路、役割分担の確認など。地図に建物、道路、避難場所などを書き込み、状況に応じた行動を検討する。
効果 実践経験は積めないが、状況を具体的にイメージし、課題や改善点を事前に洗い出すことで、効果的な防災対策を検討できる。

図上訓練の種類

図上訓練の種類

– 図上訓練の種類災害に備えるための訓練には、実際に体を動かすものだけでなく、地図や資料を用いて机上で行う「図上訓練」も重要です。図上訓練は、低コストで実施できる上に、短時間で多くの状況を想定した訓練ができるというメリットがあります。図上訓練には、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、「ロールプレイング方式」と呼ばれるものです。この方式では、参加者にそれぞれ役割が与えられ、災害発生時の状況を想定したシナリオに沿って訓練を行います。例えば、地震発生時の市役所職員の動きを訓練する場合、参加者はそれぞれ市長、防災担当職員、広報担当職員などの役割を演じます。そして、地震発生の報が入ってから、被害状況の把握、避難所の開設、住民への情報提供など、それぞれの役割に応じて取るべき行動をシミュレーションしていきます。ロールプレイング方式は、参加者一人ひとりが積極的に訓練に参加することで、より実践的な知識や技能を習得できるという特徴があります。二つ目は、「シナリオ読み上げ方式」です。この方式では、訓練の進行役がシナリオを読み上げ、参加者はそれを聞きながら状況をイメージし、それぞれの段階で取るべき行動を検討します。例えば、大雨による河川氾濫のシナリオを用いる場合、進行役は雨量や河川の水位などの情報を順次伝達し、参加者はその情報に基づいて避難のタイミングや避難経路などを考えます。シナリオ読み上げ方式は、比較的多くの参加者を対象に、短時間で訓練を実施できるというメリットがあります。それぞれの図上訓練には、メリット・デメリットがあります。目的に合わせて適切な訓練方式を選択することが重要です。

種類 概要 メリット 特徴
ロールプレイング方式 参加者に役割を与え、災害発生時のシナリオに沿って行動をシミュレーションする。 参加者一人ひとりが積極的に訓練に参加することで、より実践的な知識や技能を習得できる。 参加者それぞれが役割を演じ、状況に応じた行動を検討する。
シナリオ読み上げ方式 訓練の進行役がシナリオを読み上げ、参加者はそれを聞きながら状況をイメージし、取るべき行動を検討する。 比較的多くの参加者を対象に、短時間で訓練を実施できる。 進行役が情報を提供し、参加者はその情報に基づいて行動を検討する。

図上訓練の効果

図上訓練の効果

– 図上訓練の効果

図上訓練は、机の上で地図や資料を用いて災害発生時を想定した行動をシミュレーションする訓練です。これは、実際に災害が起きたときに、落ち着いて行動し、被害を最小限に抑えるために非常に重要な役割を果たします。

まず、図上訓練を行うことで、参加者は災害発生時の状況を具体的にイメージすることができます。例えば、地震が発生した場合、自分のいる場所がどのような被害を受けるのか、避難経路はどうなっているのか、などを地図上で確認することができます。これにより、いざというときに、頭の中が真っ白になって何もできなくなるということを防ぐことができます。

また、図上訓練は、関係者間で情報共有や連携を確認する良い機会となります。災害対応には、消防や警察、自治体など、様々な機関が関わってきます。日頃から図上訓練を通して互いの役割や連携方法を確認しておくことで、実際の災害時においても、スムーズな連携体制を築くことができます。

さらに、図上訓練を通して、現在の防災計画の課題を洗い出し、改善策を検討することができます。例えば、避難経路に問題点が見つかったり、備蓄品の不足が明らかになったりすることがあります。訓練で明らかになった課題を改善していくことで、より実効性の高い防災対策を構築することができます。

図上訓練は、防災意識の向上、対応力の強化、防災対策の改善といった多くの効果が期待できます。そのため、企業や地域、学校など、様々な場面で積極的に取り入れていくことが重要です。

図上訓練の効果 詳細
状況の具体化 地図や資料を用いることで災害発生時の状況を具体的にイメージし、落ち着いて行動できるようにする。
情報共有と連携確認 関係機関が互いの役割や連携方法を確認し、スムーズな連携体制を築く。
防災計画の課題発見と改善 訓練を通して避難経路の問題点や備蓄品の不足などを洗い出し、改善策を検討する。
防災意識の向上 訓練を通して防災意識を高め、災害への備えを強化する。
対応力の強化 シミュレーションを通して、災害発生時の対応力を高める。

まとめ

まとめ

災害から命を守るためには、日頃からの備えが何よりも大切です。その備えの一つとして、企業や地域住民など、あらゆる団体にとって、図上訓練は非常に重要な防災対策です。

図上訓練とは、実際に災害が発生したと想定し、地図や図面を用いながら、災害時の役割分担や避難経路、情報伝達の方法などをシミュレーションする訓練です。机上で訓練を行うことで、実際の災害時に起こりうる事態を想定し、冷静かつ迅速に行動するための手順を事前に確認することができます。

定期的に図上訓練を実施することで、防災意識を高め、災害への対応能力を高めることができます。また、訓練を通して、問題点や改善点を洗い出し、より実践的な防災計画に修正していくことも可能です。

図上訓練の実施方法は、対象とする災害や参加者のレベルによって調整する必要があります。専門家の助言を受けたり、防災関係機関が提供するマニュアルを活用するなど、適切な方法で行うことが重要です。図上訓練を通して、地域全体で防災意識を高め、安全な暮らしを築きましょう。