
盗難車の温床? 『ヤード』の実態
自動車を解体する場所を指す「ヤード」は、元々は、役目を終えた車や事故などで損傷した車を解体し、まだ使える部品を取り出して再利用したり、鉄やアルミなどの資源をリサイクルしたりする、合法的な事業者の作業場を指す言葉でした。国内で不要になった車を解体し、海外で必要とされる部品を輸出するなど、自動車のリサイクルや資源の有効活用において重要な役割を担っています。しかし近年、このヤードが本来の目的とは異なる形で利用されるケースが増えてきています。 「車を解体する」という側面が悪用され、盗難車の解体場所としてヤードが利用されるケースが増加しているのです。盗まれた車はヤードで部品に解体され、足取りをくらまされてしまいます。中には、盗難車を解体した部品を海外へ不正に輸出したり、別の車に組み込んで転売したりするなど、組織的な犯罪に関わっているケースも見られます。このような違法な行為を取り締まるため、警察はヤードへの監視を強化しています。また、自動車の所有者も、自分の車が犯罪に巻き込まれないよう、防犯対策を徹底する必要があります。