知っておきたい内部被ばく:放射線の人体への影響
防災防犯を教えて
先生、「内部被ばく」ってどういう意味ですか?放射線と関係があるのはなんとなくわかるんですけど…
防災防犯の研究家
良い質問ですね。「内部被ばく」は、放射線を出す物質が体の中に入って起こる被ばくのことです。例えば、放射線を出しているものをうっかり食べてしまったり、呼吸で吸い込んでしまったりすることで起こります。
防災防犯を教えて
じゃあ、放射線を出しているものを触ったら、「内部被ばく」するんですか?
防災防犯の研究家
触っただけでは、「内部被ばく」にはなりませんよ。放射線を出しているものを触ることで起こるのは、「外部被ばく」と言います。「内部被ばく」は、あくまで放射線を出しているものが体の中に入ったときに起こる被ばくのことです。
内部被ばくとは。
放射線被ばくの種類
私たちが暮らす環境には、目には見えないものの、ごく微量の放射線が常に存在しています。これは自然放射線と呼ばれ、私たちの体も自然放射線の影響を常に受けているといえます。しかし、医療現場でのレントゲン検査や原子力発電所など、人工的に放射線を利用する場所では、被ばく量が増える可能性があるため、注意が必要です。
放射線の人体への影響は、被曝の種類によって大きく異なります。大きく分けて、体の外側からの放射線によって被ばくする『外部被ばく』と、体内に放射性物質を取り込むことによって被ばくする『内部被ばく』の二つがあります。
外部被ばくは、レントゲン検査のように、体の外から放射線を浴びることで起こります。外部被ばくの場合、放射線源から離れるほど、また、遮蔽物があるほど、被ばく量を減らすことができます。そのため、放射線を利用する施設では、防護服の着用や遮蔽物の設置など、被ばく量を抑えるための対策が厳重に取られています。
一方、内部被ばくは、放射性物質を含む食べ物や飲み物を摂取したり、空気中の放射性物質を吸い込んだりすることで起こります。体内に入った放射性物質は、体外に排出されるまで、常に放射線を出し続けるため、長期間にわたって影響が続く可能性があります。内部被ばくを防ぐためには、放射性物質で汚染された食品を摂取しない、汚染地域に不用意に立ち入らないなど、日頃から注意することが大切です。
放射線の種類 | 説明 | 影響 | 対策 |
---|---|---|---|
自然放射線 | 常に環境に存在するごく微量の放射線 | 人体への影響は軽微 | 特別な対策は不要 |
人工放射線 | 医療や原子力発電などで利用される放射線 | 被ばく量によっては健康への影響あり | 防護服の着用や遮蔽物の設置など |
外部被ばく | 体の外側からの放射線による被ばく | 放射線源から離れる、遮蔽物で防ぐことで影響を軽減できる | 放射線源に近づかない、防護服の着用など |
内部被ばく | 放射性物質を体内に取り込むことによる被ばく | 長期間にわたって影響が続く可能性あり | 汚染された食品を摂取しない、汚染地域に立ち入らないなど |
内部被ばくとは
– 内部被ばくとは私たちの身の回りには、ごくわずかな量ですが、放射線が常に存在しています。普段は問題となりませんが、事故や災害などで大量の放射線が放出された場合、放射性物質が体内に取り込まれることで内部から放射線を浴び続ける「内部被ばく」が起こる可能性があります。-# 体内への取り込み経路内部被ばくは、主に以下の3つの経路で放射性物質が体内に入ることで起こります。1. -呼吸による吸入- 放射性物質を含む塵や埃を吸い込むことで、肺から血液に入り込み、全身に広がります。2. -経口摂取- 放射性物質で汚染された水や食べ物を摂取することで、消化器官から吸収され、血液によって全身に運ばれます。3. -傷口からの侵入- 皮膚に傷口がある場合、そこから放射性物質が体内に侵入することがあります。-# 内部被ばくの影響体内に取り込まれた放射性物質の種類や量、体内での動き方によって、排出されるまでの期間は異なります。その間、体内から放射線を照射し続けるため、細胞や組織に影響を与え、健康被害を引き起こす可能性があります。内部被ばくの影響を軽減するためには、放射性物質を含む塵や埃を吸い込まないようマスクを着用することや、汚染された水や食べ物を口にしないなど、注意が必要です。
内部被ばくの経路
– 体内に取り込まれる放射性物質内部被ばくの経路私たちの身の回りには、ごく微量の放射性物質が存在しており、知らず知らずのうちに体内に取り込まれていることがあります。これを内部被ばくといい、主な経路として、呼吸、口からの摂取、そして傷口からの侵入の三つが挙げられます。まず、呼吸による内部被ばくについてですが、これは放射性物質を含む塵やガスを吸い込むことで起こります。目に見えないほど小さな塵やガスは、呼吸と共に肺の奥深くまで入り込み、体内に留まってしまう可能性があります。特に、原子力施設事故などで放射性物質が空気中に大量に放出された場合は、注意が必要です。次に、口からの摂取による内部被ばくは、放射性物質で汚染された水や食べ物を口にすることで起こります。汚染された水や食べ物は、一見しただけでは区別がつきません。そのため、産地や水源の情報に注意したり、国や自治体からの情報に耳を傾けることが重要です。最後に、傷口からの侵入による内部被ばくですが、これは皮膚に傷口がある場合、そこから放射性物質が体内に直接侵入してしまうことで起こります。目に見えないほどの小さな傷でも、放射性物質にとっては体内への入口となりえます。放射性物質を扱う際には、手袋や保護服を着用するなど、皮膚を露出させないようにすることが大切です。このように、内部被ばくは私たちの身近に潜む危険性です。それぞれの経路とリスクを正しく理解し、日頃から適切な予防対策を心がけましょう。
経路 | 内容 | 注意点・対策 |
---|---|---|
呼吸 | 放射性物質を含む塵やガスを吸い込む | 原子力施設事故などに注意 国や自治体からの情報に耳を傾ける |
口からの摂取 | 放射性物質で汚染された水や食べ物を口にする | 産地や水源の情報に注意 国や自治体からの情報に耳を傾ける |
傷口からの侵入 | 皮膚の傷口から放射性物質が体内に直接侵入する | 放射性物質を扱う際には、手袋や保護服を着用するなど、皮膚を露出させないようにする |
内部被ばくの影響
– 内部被ばくの影響私たちの体に放射性物質が取り込まれてしまうことを内部被ばくと言います。その影響は、放射性物質の種類や量、被ばくした時間、そしてその人の健康状態によって大きく変わる可能性があります。短期的には、吐き気や嘔吐、だるさ、食欲不振といった症状が現れることがあります。これは、放射性物質から放出される放射線が、体の細胞を傷つけてしまうために起こると考えられています。さらに恐ろしいのは、長期的にはがんや白血病といった病気の発症リスクが高まる可能性が指摘されていることです。放射線は細胞の遺伝子を傷つける可能性があり、その結果、細胞が正常に機能しなくなり、がん細胞へと変化してしまうことがあるからです。また、体内に入った放射性物質の種類によっては、特定の臓器に蓄積しやすくなることがあります。例えば、ヨウ素131は甲状腺、ストロンチウム90は骨に蓄積しやすいため、これらの臓器に集中して影響が現れることがあります。内部被ばくは目に見えないだけに、その影響を正しく理解し、予防することが重要です。
影響 | 期間 | 症状・リスク | 要因 |
---|---|---|---|
内部被ばくの影響 | 短期 | ・吐き気 ・嘔吐 ・だるさ ・食欲不振 |
放射線が体の細胞を傷つけるため |
長期 | ・がん ・白血病 ・特定の臓器への影響(ヨウ素131は甲状腺、ストロンチウム90は骨など) |
放射線による遺伝子損傷 放射性物質の体内蓄積 |
内部被ばくを防ぐためには
– 内部被ばくを防ぐためには放射性物質による健康への影響は、体外からの被ばくだけでなく、体内への取り込みによる内部被ばくも大きな問題となります。内部被ばくを防ぐためには、放射性物質を体内に取り込まないよう、細心の注意を払うことが重要です。放射性物質を扱う場所では、防塵マスクや防護服などの適切な防護具を着用し、皮膚や呼吸器からの体内への侵入を防ぎましょう。また、作業場所の空気中の放射性物質濃度を低減するため、換気を十分に行うことも必要です。飲食についても注意が必要です。放射性物質で汚染された可能性のある水は飲まず、食品についても、国や自治体からの情報に基づき、安全性が確認されたものだけを摂取するようにしてください。万が一、放射性物質を体内に取り込んでしまった場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な処置を受けましょう。体内からの排出を促す薬剤の投与や、汚染された衣服の除去など、状況に応じた対応が必要となります。内部被ばくのリスクを減らすためには、正しい知識を持ち、日頃から予防対策を講じることが重要です。
内部被ばくの防止策 | 具体的な行動 |
---|---|
体内への取り込みを防ぐ | – 防塵マスクや防護服などの適切な防護具を着用する – 換気を十分に行う – 安全性が確認された水・食品だけを摂取する |
体内に取り込んでしまった場合 | – できるだけ早く医療機関を受診し、適切な処置を受ける |