脅威の食中毒:溶血性尿毒症症候群を知っていますか?

脅威の食中毒:溶血性尿毒症症候群を知っていますか?

防災防犯を教えて

『溶血性尿毒症症候群』って、何だか怖い名前の病気だけど、どんな病気なのですか?

防災防犯の研究家

そうだね、『溶血性尿毒症症候群』は、簡単に言うと、ばい菌が作る毒素が原因で、血液や腎臓に影響が出る病気なんだ。食中毒を起こす大腸菌の一種が原因になることが多いんだよ。

防災防犯を教えて

食中毒のあとに、血液の病気や腎臓の病気になってしまうってことですか?

防災防犯の研究家

そうなんだ。だから、食中毒を予防することが大切なんだね。特に夏場は、食べ物の管理に気を付けて、しっかり手を洗うようにしようね!

溶血性尿毒症症候群とは。

「溶血性尿毒症症候群」は、血液の病気、血小板の減少、急な腎臓の機能不全が同時に起こる病気で、大腸菌などが作る毒素が原因です。この病気は、血が混ざった便が出る下痢、吐き気、お腹の痛み、熱が出る腸管出血性大腸炎の後に、数日から10日ほど経ってから、数%から10%の割合で起こります。多くの場合、大腸菌O-157が原因ですが、O-26、O-111、O-128、O-145なども同じ毒素を作るため、この病気の原因となります。このような大腸菌による感染症は「三類感染症」に分類され、診断がついたら保健所を通じて都道府県に報告する義務があります(感染症の予防と治療に関する法律)。腸管出血性大腸炎は、子供や高齢者に多くみられ、夏場に食中毒や汚染された水を飲むことで集団発生することが多いですが、冬場でも発生することがあります。特に5歳以下の子供は、「溶血性尿毒症症候群」になりやすいです。また、大腸菌O-157が関わらない場合や、血便を伴わない場合もあります。治療法としては、毒素を取り除くための点滴、尿の量を増やす薬、血液透析、血漿交換などを行い、感染症に対しては抗生物質を使います。また、症状に合わせて、高血圧や中枢神経の症状に対する治療も行います。この病気は、急性期には2~3%の人が亡くなることがあります。

身近に潜む危険な食中毒

身近に潜む危険な食中毒

食中毒と聞くと、吐き気や下痢といった症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに、多くの場合、食中毒は比較的軽い症状で済むことが多いです。しかし、油断は禁物です。中には、命に関わるような重い合併症を引き起こす危険な食中毒も存在するのです。その一つが、今回ご紹介する「溶血性尿毒症症候群(HUS)」です。

HUSは、腸管出血性大腸菌O157などの特定の細菌が作り出す毒素によって引き起こされます。この毒素は、体内に侵入すると、血液中の赤血球を破壊し、腎臓などの臓器に深刻なダメージを与えます。その結果、血便や血小板減少、腎機能障害といった深刻な症状が現れます。特に、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすく、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。

HUSは決して他人事ではありません。私たちの身近なところに潜む危険な食中毒であることをしっかりと認識し、予防対策を徹底することが重要です。

項目 内容
原因 腸管出血性大腸菌O157などの特定の細菌が作り出す毒素
症状 吐き気、下痢、血便、血小板減少、腎機能障害など
重症化しやすい人 乳幼児、高齢者
予防 食中毒予防を徹底

溶血性尿毒症症候群とは?

溶血性尿毒症症候群とは?

– 溶血性尿毒症症候群とは?溶血性尿毒症症候群(HUS)は、細菌が出す毒素によって引き起こされる病気です。この毒素は、主に腸管出血性大腸菌などから産生されます。食品を介して体内に侵入した細菌は、腸の中で毒素を作り出し、血液中に流れ込みます。 この毒素が血液に入ると、赤血球を破壊するため、貧血を引き起こします。これが「溶血性貧血」と呼ばれる症状です。 さらに、血液を固める役割を持つ血小板も減少します(血小板減少)。 これらの症状に加えて、血液をろ過する働きを持つ腎臓の機能も低下し、「急性腎不全」の状態に陥ります。 溶血性尿毒症症候群は、5歳以下の小さなお子さんに多く見られます。 重症化すると、命に関わる危険性も伴うため、注意が必要です。

主な原因は?

主な原因は?

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、腸管出血性大腸菌(EHEC)という細菌への感染によって引き起こされる深刻な病気です。中でも、O157という型のEHECが、HUSの主な原因として知られています。

EHECは、“ベロ毒素”と呼ばれる毒素を産生します。この毒素が体内に入ると、血液中に侵入し、様々な臓器、特に腎臓に深刻なダメージを与えます。その結果、溶血性貧血、腎機能障害、血小板減少症といったHUS特有の症状が現れます。

EHECへの感染経路として最も多いのは、汚染された食品や水を口にすることです。特に、加熱が不十分な牛肉や豚肉、生野菜、殺菌されていない牛乳やジュースなどが感染源となる可能性があります。また、感染者の便に触れた後、手をきちんと洗わないまま食事をしたり、口に触れたりすることでも感染する可能性があります。さらに、井戸水など、衛生管理が不十分な水が感染源となることもあります。

初期症状を見逃さないで!

初期症状を見逃さないで!

– 初期症状を見逃さないで!

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、早期発見と適切な治療が非常に重要となる病気です。しかし、初期症状が他の病気と似ているため、見過ごされてしまうケースも少なくありません。

HUSの初期には、血が混ざった便が出る、吐き気や嘔吐、腹部の痛み、熱が出るといった症状が現れます。これらの症状は、食中毒や感染性腸炎など、他の病気でもよく見られるため、HUSだと気づかない場合もあるのです。

そして、これらの初期症状が現れてから数日~10日ほど経過すると、顔色が悪くなる、貧血になる、血小板が減る、尿の量が減るといったHUS特有の症状が現れ始めます。

もし、お子様に血便を伴う下痢や嘔吐、腹痛、発熱などの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。そして、医療機関を受診する際には、「血便が出た」「嘔吐がある」など、具体的な症状を伝えることが大切です。初期症状をしっかりと伝えることで、医師は的確な診断と治療を行うことができます。

予防と早期発見が重要

予防と早期発見が重要

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、早期発見と早期治療が極めて重要となる病気です。HUSは重症化すると命に関わる可能性もあり、後遺症が残ってしまうこともあります。そのため、日頃から予防を心がけ、少しでも早く異変に気づくことが大切です。HUSは、腸管出血性大腸菌(O157など)の感染によって引き起こされる場合が多く、その多くは食べ物から感染します。 食中毒を防ぐためには、食品の適切な取り扱いが重要です。肉は十分に加熱し、生野菜は流水でよく洗い、調理器具は清潔に保ちましょう。また、トイレの後や食事の前にはしっかりと石鹸で手を洗い、菌の口からの侵入を防ぎましょう。 もし、血便や激しい腹痛、顔色が悪い、尿量が減る、体がむくむなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。 特に、小さなお子さんは症状をうまく伝えることが難しい場合もあるため、保護者の方の注意深い観察が必要です。早期発見と早期治療によって、HUSの重症化を防ぎ、お子様の健康を守りましょう。

HUSとは 予防策 HUSの疑いがある場合の症状
  • 早期発見・早期治療が重要な病気
  • 重症化すると命に関わる可能性、後遺症が残る可能性もある
  • 食品の適切な取り扱い(肉は十分に加熱、生野菜は流水で洗浄、調理器具は清潔に保つ)
  • トイレの後や食事前の手洗い
  • 血便
  • 激しい腹痛
  • 顔色が悪い
  • 尿量が減る
  • 体がむくむ

HUSの治療法

HUSの治療法

溶血性尿毒症症候群(HUS)は、赤血球が破壊され、腎臓の機能が低下する深刻な病気です。HUSの治療では、まず、体の中に溜まった毒素を体外に出すことが重要となります。そのために、点滴で水分を補給したり、尿の量を増やす薬を使用します。腎臓の働きが著しく低下している場合は、血液透析が必要となることもあります。血液透析は、体にとって重要な役割を果たしている腎臓の働きを機械によって代行する治療法です。

HUSは、多くの場合、細菌感染によって引き起こされます。そのため、抗生物質を投与して、原因となる細菌の増殖を抑えることが重要です。細菌感染によって引き起こされる症状を抑えるために、高血圧や中枢神経症状など、HUSに伴って現れる症状に対して、適切な治療が行われます。

HUSは命に関わる病気ですが、適切な治療を行うことで、多くの場合、回復することが期待できます。早期発見、早期治療が重要です。気になる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

項目 内容
病気名 溶血性尿毒症症候群(HUS)
症状 赤血球の破壊、腎機能低下
原因 細菌感染
治療法 – 体内毒素の排出(水分補給、尿量増加薬)- 腎機能低下時の血液透析- 抗生物質投与- 高血圧や中枢神経症状への対症療法
予後 適切な治療で回復が見込めるが、命に関わる場合もある
その他 早期発見、早期治療が重要