災害・防犯アドバイザー

地震について

意外と知らない?やや深発地震の基礎知識

地震は、地球の表面を覆うプレートと呼ばれる巨大な岩盤が、互いに押し合い反発し合うことで発生する現象です。この現象は、地球内部の熱エネルギーが原因となっており、プレートに絶えず力が加わっています。そして、その力が岩盤の強度を超えた時に、岩盤が破壊され、地震波が発生します。地震はその発生する深さによって分類されます。地下60kmよりも浅い場所で発生する地震を「浅発地震」と呼びます。このタイプの地震は、私たちが普段経験する地震の大部分を占めており、揺れが大きく、被害をもたらす可能性が高い特徴があります。一方、「やや深発地震」は、地下60kmから200kmの間で発生する地震を指します。浅発地震と深発地震の中間に位置するタイプの地震であり、その発生メカニズムや特徴には、まだ解明されていない部分が多くあります。地下200km以深で発生する地震は「深発地震」と呼ばれ、発生原因やメカニズムが浅発地震とは異なる点が指摘されています。やや深発地震は、浅発地震に比べて、地表に到達するまでの距離が長いため、地震波が減衰しやすく、揺れは比較的弱くなる傾向があります。しかし、場合によっては、広範囲に揺れが伝わることもあり、注意が必要です。また、やや深発地震の発生メカニズムについては、プレートの沈み込みに伴う複雑な要因が考えられていますが、詳しいことはまだ分かっていません。今後の研究により、やや深発地震の謎が解明されることが期待されます。
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静かなる脅威:ぬるぬる地震の謎に迫る

- 見えざる地震、ぬるぬる地震とは?「ぬるぬる地震」と聞いて、一体どんな地震なのか想像できるでしょうか? あまり聞き慣れない言葉ですが、実は私たちの足元のずっと深い場所で、この「ぬるぬる地震」は発生しています。地球の表面はプレートと呼ばれる巨大な岩盤で覆われており、このプレートは常にゆっくりと動き続けています。ほとんどの場合、プレート同士は強く押し合い、その力によって周囲の岩盤は歪み、大きなエネルギーを蓄積していきます。そして、限界に達した時に岩盤が破壊され、蓄積されたエネルギーが一気に解放されることで、私たちが普段経験するような大きな揺れを伴う地震が発生するのです。一方、「ぬるぬる地震」は、専門的には「スロースリップ」と呼ばれ、通常の地震とは異なるメカニズムで発生します。プレート境界などの一部で、岩盤同士がゆっくりと滑り合うことでエネルギーが解放される現象であり、この滑りは数日から数年という長い期間にわたって続くこともあります。「ぬるぬる地震」は、通常の地震のように私たちが揺れを感じることはありません。しかし、GPSなどを用いた精密な地殻変動の観測によって、その動きをとらえることができます。一見、私たちの生活に影響がないように思える「ぬるぬる地震」ですが、実は周辺地域で発生する巨大地震の発生メカニズムを解明する上で重要な手がかりとなる可能性を秘めています。
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首都直下地震への備え:今できることから始めよう

- 首都直下地震とは?私たちが生活する首都圏の直下で発生する地震、それが首都直下地震です。いつ起きても不思議ではない、と耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。実は、私たちの足元には、複数のプレート境界や活断層が存在しています。プレート境界とは、地球の表面を覆う巨大な板状の岩盤、プレート同士がぶつかり合う場所のことです。そして活断層は、過去に地震を起こし、将来も活動する可能性のある断層のことです。これらの地下構造が複雑に絡み合い、首都圏ではいつ大きな地震が発生してもおかしくない状況なのです。過去には、1923年に関東大震災と呼ばれるマグニチュード7.9の巨大地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。この地震も、相模トラフと呼ばれるプレート境界で発生したと考えられています。首都直下地震は、私たちにとって決して他人事ではありません。政府もその切迫性を強く認識し、様々な対策を講じています。しかし、被害を最小限に抑えるためには、私たち一人ひとりが日頃から防災意識を高め、地震への備えをしておくことが重要です。
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火山活動のサイン? 火山性微動について解説

- 火山性微動とは火山は噴火という劇的な変化だけでなく、私たちの目には見えない小さな動きも見せてくれます。それが「火山性微動」です。まるで生きているかのように、火山は常に地面を震わせているのです。火山性微動とは、火山活動に伴って発生する地面の連続的な震動のことです。地下深くでは、マグマや熱水が絶えず活動を続けています。これらの高温の物質が移動する際、周囲の岩盤と摩擦を起こしたり、圧力を変化させたりすることで、微弱な振動が発生します。これが火山性微動の正体です。この震動は、人間が感じ取れないほど微弱な場合もあれば、時には遠くで雷が鳴り続けているような、低い音として聞こえることもあります。まるで、火山が私たちに語りかけているかのようです。火山性微動は、火山の活動状況や、マグマの動きを把握するための重要な手がかりとなります。火山学者たちは、この微動を注意深く観測することで、噴火の可能性や規模を予測し、防災に役立てているのです。
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災害廃棄物:がれきの発生と処理

大きな地震が発生すると、家やビルなどの建物が大きく壊れたり、崩れ落ちたりすることがあります。そして、その壊れた建物から、たくさんのがれきが出てきます。がれきは、木やコンクリート、鉄、ガラス、プラスチックなど、様々な材料からできています。がれきの量は、被害が起きた場所の広さや被害の大きさによって大きく変わります。例えば、阪神・淡路大震災ではおよそ1億トン、東日本大震災ではおよそ2,200万トンもの、とてつもない量のがれきが出たと計算されています。地震によって発生するがれきは、私たちの生活に様々な影響を与えます。道をふさいでしまい、避難や救助の活動を難しくしてしまいます。また、火災の原因となったり、衛生状態を悪化させたりする可能性もあります。さらに、がれきの処理には膨大な時間と費用がかかり、復興の大きな妨げとなります。
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地震の揺れをもたらすS波

地震が発生すると、地面の振動が波のように伝わります。この波を地震波と呼び、いくつかの種類に分けられます。私たちが普段、地震の揺れとして感じ取っているのは、主に「実体波」と呼ばれる地震波によるものです。実体波は、さらに2つの種類に分類されます。最初に到達するのが「P波」と呼ばれる波です。P波は進行方向に平行に振動する波で、小さな揺れを感じます。この揺れは、「ガタガタ」という音とともに、家がわずかに上下に動くような感覚です。少し遅れてやってくるのが「S波」と呼ばれる波です。S波は進行方向に対して垂直に振動する波で、P波よりも大きな揺れ をもたらします。この揺れは、「ユサユサ」という音とともに、家が大きく横に揺れるような感覚です。地震発生時には、まず小さく揺れるP波を感じ、その後、大きく揺れるS波を感じることになります。このP波とS波の時間差は、地震の規模を知る上で重要な手がかりとなり、また、緊急地震速報などにも活用されています。
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地震の揺れを理解する:P波とは?

地震は、地球内部の岩盤が急に破壊されることで発生し、そのエネルギーが波となって周囲に伝わります。 この波を地震波と呼びますが、地震波は、伝わり方によって大きく二つに分けられます。一つは、地球内部を伝わる実体波です。実体波は、さらに二つに分類されます。まず、縦波であるP波は、波の伝わる方向と物質の振動方向が同じ波です。P波は、地震波の中で最も速度が速く、最初に伝わってきます。音波と似た性質を持つため、ガタガタという高い音で感じることが多いです。次に、横波であるS波は、波の伝わる方向と物質の振動方向が垂直な波です。P波に続いて伝わってきますが、速度はP波よりも遅く、ゆさゆさという大きな揺れ をもたらします。もう一つは、地球の表面に沿って伝わる表面波です。表面波は、実体波よりも速度は遅いですが、大きなエネルギーを持ち、被害を大きくする原因となります。ゆっくりとした大きな揺れが長く続くことが特徴です。
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巨大地震の脅威:南海トラフとは?

日本の南の海、四国地方の沖合には、深い海の底に巨大な溝が存在します。これが南海トラフと呼ばれる場所で、その深さは4,000メートルにも達します。 静岡県にある駿河湾から、弓なりに西に向かって伸び、九州地方の東側沖まで続いています。地図で見ると、その長さに驚かされます。この巨大な溝は、ただの海の底の窪みではありません。地球の表面は、いくつかのプレートと呼ばれる巨大な岩盤で覆われていますが、南海トラフはこのプレート同士がぶつかり合う場所に位置しています。陸側のプレートの下に、海のプレートが沈み込んでいるため、このような深い溝が形成されたのです。プレートがぶつかり合う場所では、巨大なエネルギーが蓄積され、それが解放される時に、私たちが恐れる地震が発生します。南海トラフは、過去から繰り返し巨大地震を引き起こしてきた場所であり、現在も将来発生が懸念される巨大地震の震源域として、さまざまな調査や研究が進められています。南海トラフの巨大地震は、私たちの生活に大きな被害をもたらす可能性があるため、日頃からの備えを怠らないように心掛ける必要があります。
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都市部の脅威:内陸型地震とは?

私たちが生活する大地のすぐ足元で発生する地震を内陸型地震と呼びます。この内陸型地震を引き起こす原因となるのが活断層です。活断層とは、過去に何度もずれ動き、そして将来も活動を再開する可能性が高い断層のことです。日本列島には、こうした活断層が網の目のように走り、私たちの生活圏のすぐ近くにも多数存在しています。恐ろしいことに、これらの活断層は全てが地表に姿を現しているわけではありません。地面の下に隠れており、私たちの目で確認することができない活断層も数多く存在します。つまり、いつ、どこで、どの程度の規模で地震が発生するのか、正確に予測することが非常に難しいのです。これがまさに、「見えない活断層の恐怖」と言えるでしょう。
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大地震後の安全確保:応急危険度判定とは

大きな地震が発生すると、建物は激しい揺れに見舞われ、様々な被害を受けます。目に見える被害としては、外壁に亀裂が入ったり、窓ガラスが割れたりといったものがあります。しかし、地震による建物の被害は、目に見えるものだけにとどまりません。建物を支える柱や梁など、構造体そのものがダメージを受けている場合も少なくありません。このような損傷を受けた建物は、非常に危険な状態にあります。わずかな揺れでも、建物全体が崩壊してしまう可能性があるからです。そして、倒壊によって中にいる人が巻き込まれてしまうかもしれません。また、その後も続く余震や、雨や風などの影響を受けて、徐々に損傷が拡大し、最終的に倒壊する危険性も高いです。さらに、損傷した建物は、周囲にも危険を及ぼす可能性があります。例えば、外壁の一部が剥がれ落ちて、通行人に当たってしまうかもしれません。また、屋根瓦が落下し、駐車中の車に損害を与えることも考えられます。このように、地震によって損傷を受けた建物は、放置しておくと大変危険です。安全のためにも、専門家による点検を依頼し、適切な対策を講じることが重要になります。
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地震の脅威:液状化現象を知っていますか?

地震の揺れは、私たちの暮らしに様々な被害をもたらします。建物が壊れてしまう被害はもちろんのこと、地面そのものが変化してしまう「液状化現象」も、大きな被害に繋がる恐ろしい現象です。液状化現象とは、読んで字のごとく、固いはずの地面が液体のようになってしまう現象です。この現象は、砂が長い年月をかけて積み重なってできたような、緩く砂が堆積した地盤で起こりやすいという特徴があります。地震の揺れによって地下水の水圧が上昇すると、砂の粒子は本来くっつき合っている状態を保てなくなり、バラバラになってしまいます。その結果、地面は砂と水が混ざり合った状態となり、まるで液体のように揺れ動くようになるのです。
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阪神・淡路大震災から学ぶ教訓

1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部を震源とするマグニチュード7.3の巨大地震が発生しました。後に「阪神・淡路大震災」と名付けられるこの地震は、神戸市や淡路島を中心に甚大な被害をもたらし、死者6,434名、負傷者43,792名という、戦後日本で最大の被害を出した都市直下型地震として、私たちの歴史に深く刻まれました。揺れは僅か20秒ほどでしたが、その衝撃は私たちの想像を遥かに超えるものでした。高速道路はまるで積み木のように崩れ落ち、建物は一瞬で瓦礫の山と化しました。火災も各地で発生し、街全体が炎に包まれるという悲惨な状況も広がりました。この未曾有の大災害は、地震の恐ろしさを改めて私たちに突きつけるとともに、災害に対する日頃の備えの大切さを強く認識させてくれました。同時に、地域住民同士の助け合いや、ボランティア活動の重要性など、多くの教訓も残しました。阪神・淡路大震災の経験と教訓を未来へ語り継ぎ、安全な社会を築いていくことが、私たちに課せられた使命と言えるでしょう。
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知っておきたい地震の謎:異常震域とは?

日々ニュースなどで地震の情報を目にしますが、「マグニチュード」と「震度」の違いを正しく理解しているでしょうか?地震が発生すると、その規模を示す「マグニチュード」と、ある地点での揺れの強さを示す「震度」が発表されます。マグニチュードは、地震自体が持つエネルギーの大きさを表す尺度です。マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍にもなります。つまり、マグニチュードが大きくなるほど、地震の規模は飛躍的に増大します。一方、震度は、ある地点における地震の揺れの強さを表します。震度は、震源からの距離や地盤の状況によって異なります。同じ地震であっても、震源に近い場所ほど震度は大きくなり、遠い場所ほど小さくなります。また、軟弱な地盤の場所では、硬い地盤の場所よりも震度が大きくなる傾向があります。地震のニュースを正しく理解し、身の安全を守るためには、マグニチュードと震度の違いを理解しておくことが重要です。
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地震の大きさを読み解く:最大震度とは?

地震が発生すると、震源とよばれる地下深くの場所から、四方八方へ揺れが伝わります。この揺れの大きさを示すのが震度です。震度は、体感や周囲の状況から1から7までの10段階で表され、数字が大きくなるほど揺れが強くなります。同じ地震でも、場所によって震度は異なります。震源に近い場所ほど揺れは強く、震度は大きくなります。反対に、震源から遠い場所では揺れは弱まり、震度は小さくなります。また、震度は地盤の固さによっても影響を受けます。固い地盤は揺れを伝えにくいため、震度は小さくなります。一方、柔らかい地盤は揺れを増幅させるため、震度は大きくなる傾向があります。さらに、建物の構造や高さによっても、揺れ方は異なります。同じ場所であっても、建物の構造や高さによって、揺れの大きさは変わってきます。地震の規模を示すマグニチュードは、地震そのもののエネルギーの大きさを表すのに対し、震度はある地点における揺れの大きさを表すものなので、両者を混同しないように注意が必要です。
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地震発生のサイクル:再来周期を理解する

私たちが暮らす地球は、常に変化し続ける活気のある星です。その変化は、時に地震という形で私たちの生活を脅かすことがあります。地震は、地下深くの岩盤が突然壊れることで発生する現象ですが、ある地域では、大きな地震が一定の時間をおいて繰り返し発生することが分かっています。これは「再来周期」と呼ばれ、過去の地震の記録を調べることで、次に大きな地震がいつ頃発生するのかをある程度予測することができます。日本は、世界的に見ても地震活動が活発な地域に位置しており、「再来周期」が観測されている地域も数多く存在します。例えば、南海トラフと呼ばれる海底の溝付近では、過去にマグニチュード8クラスの巨大地震がおよそ100年から200年の間隔で発生しており、現在も次の巨大地震への警戒が続けられています。このような「再来周期」を持つ地震への対策として、国や地方自治体は、過去に発生した地震の規模や被害状況を分析し、将来発生する地震の規模や被害を予測する取り組みを行っています。そして、その予測に基づいて、建物の耐震化や津波対策などの防災対策を進めたり、住民への防災意識の啓発活動を行ったりしています。過去の教訓を未来へ活かすことで、地震による被害を最小限に抑える努力が続けられています。
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意外と知らない低周波地震の謎

- 低周波地震とは低周波地震とは、1秒間に1回から2回ほど揺れる、ゆったりとした地震のことです。普段私たちが感じる地震は、ガタガタと揺れがすぐに収まることが多いですよね。しかし低周波地震は、揺れを感じにくいほどゆっくりとした周期で発生します。そのため、体感ではなかなか気づきにくい地震と言えるでしょう。この低周波地震、実は私たちの身近で発生している可能性もあります。活断層で発生する一般的な地震とは異なり、火山活動に伴い発生することが多いのが特徴です。地下深くでマグマや熱水が移動することで、周囲の岩盤に影響を与え、低い周波数の揺れを引き起こすと考えられています。また、プレートの沈み込み帯など、深い場所で発生する地震も低周波地震の特徴です。深い場所では、地震波が高周波成分を減衰させてしまい、低い周波数の波だけが地表に到達するためです。低周波地震は、体に感じにくいからといって、決して影響がないわけではありません。むしろ、高層ビルなど周期の長い建物では、共振を起こしやすく、家具の転倒や建物の損傷を引き起こす可能性も考えられます。
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都市部への影響大!直下型地震の脅威

- 直下型地震とは?直下型地震とは、まさに私たちが生活する地面の真下で発生する地震のことです。 別名「内陸型地震」とも呼ばれ、都市部やその周辺で発生するケースが多く見られます。このタイプの地震は、私たちの生活に大きな影響を与える可能性を秘めています。 なぜなら、震源が浅いという特徴があるからです。 地震の揺れの大きさは「マグニチュード」という尺度で表されますが、直下型地震はマグニチュードが小さくても、震源が浅いために、私たちが住む地面を激しく揺さぶります。では、なぜ地面の真下で地震が起きるのでしょうか? その原因は、「活断層」と呼ばれる場所に潜んでいます。 活断層とは、過去に幾度となくずれ動き、地面に大きな傷跡を残してきた断層のことです。 この活断層や、地下深くにある岩盤が、私たちが日頃感じることはない、巨大な力で押されたり引っ張られたりすることで、ついに耐え切れず破壊されてしまう際に、直下型地震が発生するのです。直下型地震は、いつ、どこで起きてもおかしくないという、私たちにとって非常に身近な脅威です。 大きな揺れは、建物や道路を破壊するだけでなく、家具の転倒や落下などにより、私たちに直接的な被害をもたらす可能性もあります。
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高層ビルは要注意?長周期地震動の脅威

- 長周期地震動とは?地震が発生すると、様々な揺れが生じますが、その中には、周期が数秒から十数秒と非常に長いものが存在します。これが長周期地震動と呼ばれるものです。長周期地震動は、人間の感覚では、ほとんど揺れを感じることができないほどのゆっくりとした揺れです。そのため、体感では揺れていないように感じても、実際には大きくゆっくりと揺れているということが起こりえます。この長周期地震動は、高層ビルや長大橋、大型のタンクなど、構造が大きく、固有周期の長い構造物に、特に大きな影響を与えます。これらの構造物は、長周期地震動の揺れと共振しやすく、大きな振幅で揺さられる可能性があります。その結果、構造物の損傷や転倒、内部の設備の破損などに繋がりかねません。近年、都市部では高層ビルや長大橋など、長周期地震動の影響を受けやすい構造物が増加しています。そのため、長周期地震動による被害の発生が懸念されており、防災対策の重要性が高まっています。
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意外と怖い?中地震への備え

- 中地震とは地震の大きさ、つまりエネルギーの規模を表す指標にマグニチュードがあります。このマグニチュードが5以上7未満の地震を中地震と呼びます。マグニチュード7以上の巨大地震と比較すると、規模は小さく感じてしまうかもしれません。しかし、中地震だからといって決して軽視できるものではありません。震源が陸地に近かったり、人口が密集した都市部の直下で発生したりした場合、建物が倒壊するなど、大きな被害をもたらす可能性を秘めているのです。中地震は、体感では震度5強から震度6強程度の揺れを感じることが想定されます。震度5強では、家具の固定が不十分だと転倒したり、食器棚の扉が開いて食器が飛び出したりする可能性があります。さらに、震度6強では、耐震対策がされていない建物では倒壊する危険性も高まります。また、中地震によって地盤が緩んでしまい、その後の大雨で土砂災害が発生しやすくなることもあります。中地震は、発生頻度が高いのも特徴です。いつどこで発生してもおかしくないと認識し、日頃から防災意識を高めておくことが重要です。家具の固定や備蓄品の準備など、できることから対策を行いましょう。
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マグマ水蒸気爆発:そのメカニズムと脅威

地球の奥深くで煮えたぎる高温の液体、マグマ。このマグマは、時に地下深くから上昇し、私たちが暮らす地表へと姿を現そうとします。マグマが上昇する過程で、地下水や海水といった水と接触することがあります。このような時、想像をはるかに超えるエネルギーが解放される現象が起こることがあります。それが「マグマ水蒸気爆発」です。マグマ水蒸気爆発は、マグマの熱によって水が瞬時に水蒸気に変化し、その体積が急激に膨張することで発生します。水は水蒸気になると、その体積は約1700倍にもなります。この急激な体積膨張によって、周囲の岩石や地盤に非常に大きな圧力がかかります。そして、この圧力が限界を超えた瞬間、爆発的な噴火が起こるのです。マグマ水蒸気爆発は、その名の通り水蒸気が関係しているため、比較的規模が小さい噴火が多いとされています。しかし、場所や条件によっては、大規模な噴火を引き起こす可能性も否定できません。そのため、マグマと水の危険な出会いは、常に警戒が必要なのです。
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宏観異常現象:地震予知の謎

巨大地震は、私たちの社会に想像を絶する被害をもたらします。家屋が倒壊し、道路が寸断され、電気、ガス、水道といったライフラインも止まってしまいます。そのため、地震を事前に予測し、備えることは私たちが安全に暮らしていく上で極めて重要です。地震予知には、地殻変動や地磁気の変化、地下水の異常などを科学的に観測する方法が現在主流となっています。しかし、これらの方法だけでは、地震の発生を正確に予測することはいまだに難しいのが現状です。近年、注目を集めているのが「宏観異常現象」と呼ばれるものです。これは、地震発生前に動物の異常行動や、電磁波の異常、空の色や雲の形の変化など、科学的には説明が難しい現象を指します。過去の巨大地震の際にも、動物が落ち着きを失ったり、井戸の水位が変化したりといった現象が報告されています。これらの現象を科学的に解明し、地震予知に役立てようという研究も進められています。しかし、宏観異常現象は、必ずしも地震の前兆現象とは限らないという点に注意が必要です。大切なことは、日頃から地震への備えを怠らないことです。家具の固定や非常持ち出し袋の準備など、できることから始めましょう。
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火山活動の源: マグマだまりの謎

私達の足元深く、地下には想像を絶するほどの熱エネルギーが眠っています。その熱源となるのが、火山活動の源であるマグマです。マグマは地下深くで高温の液体状で存在しており、特に大量に集まっている場所を「マグマだまり」と呼びます。マグマだまりは、その名の通りマグマが溜まっている場所ですが、その規模は私たちの想像をはるかに超えています。時には数十キロメートルにも及ぶとされ、まさに火山活動の心臓部と言えるでしょう。マグマだまりの存在は、地表に様々な影響を与えます。例えば、温泉や地熱発電など、私達の生活に恩恵をもたらすこともあります。一方、マグマだまりの活動が活発化すると、地震や火山噴火を引き起こし、大きな災害をもたらす可能性も秘めているのです。したがって、マグマだまりのメカニズムを解明することは、火山活動の予測や防災対策を立てる上で非常に重要です。近年では、地震波観測や地殻変動の観測など、様々な方法を駆使して、マグマだまりの大きさや形状、マグマの性質などが徐々に明らかになってきています。まだ多くの謎に包まれているマグマだまりですが、その解明は地球の活動と私たちの未来を理解する上で欠かせないものなのです。
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地球の鼓動:マグマの正体

地球の中心に向かっていくと、やがて全てが溶けてしまったかのような、高温でドロドロとした世界が広がっています。この灼熱の世界は私たちが足元で感じる大地とは全く異なる顔を見せています。この地下深くでドロドロに溶けた高温の物質こそがマグマであり、地球内部に秘められた途方もないエネルギーを象徴する存在です。マグマは地下深くで、とてつもない圧力と熱によって岩石が溶けることで生まれます。まるで地球の血液のように、このマグマは地下深くをゆっくりと移動し続けます。そして、時折、このマグマが地表へと姿を現すことがあります。これが火山活動です。地下深くで静かに眠っていたマグマが、火山の噴火によって地上に姿を現す時、その姿は溶岩と呼ばれます。煮えたぎる溶岩は周囲のものを全て焼き尽くし、大地を溶かしながら流れていきます。その光景はまさに地球が秘める巨大なエネルギーを私たちに見せつける、壮大なショーと言えるでしょう。マグマは地球内部で絶えず動き続け、火山活動を通して地球の表面に変化をもたらす原動力となっています。地球の深部でうごめくマグマは、地球の活動と変化を語る上で、決して無視することのできない存在なのです。
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地震の規模を測る: マグニチュードを知る

日々生活する中で、地震はいつ起こるか分かりません。報道などで地震の規模を表す言葉として「マグニチュード」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。このマグニチュードは、地震そのものが持つエネルギーの大きさを示す尺度です。マグニチュードの値が大きくなるにつれて、地震のエネルギーも大きくなります。具体的には、マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは約30倍、2増えるとなんと約1000倍にもなります。つまり、マグニチュードが少し違うだけでも、地震のエネルギーは大きく変わるということです。過去の地震を例に見てみましょう。1923年に関東地方を襲った関東大震災はマグニチュード7.9、1995年に発生した兵庫県南部地震はマグニチュード7.2でした。マグニチュードの値が1も違わないにも関わらず、私たちの記憶に深く残るような甚大な被害をもたらしました。このことからも、マグニチュードがわずかに変わるだけで、地震のエネルギーがどれほど大きく変わり、私たちの生活に影響を及ぼすのかが分かります。日頃から地震への備えを怠らないようにしましょう。