災害・防犯アドバイザー

水害について

海からの脅威:波浪への備え

海面に生じる波のうち、風の影響によって発生するものが波浪と呼ばれ、私たちにとって身近な存在です。波浪は、その場で生まれたばかりの「風浪」と、遠くから伝わってきた「うねり」の二つに大きく分けられます。風浪は、その場所で吹いている風によって直接的に生じる波です。風の力を受けて波立ち始めるため、生まれたばかりの風浪は、比較的波の高さが低く、不規則な形をしています。まるで池に小石を投げ込んだときのように、様々な方向に波が広がっていく様子が観察できます。一方、うねりは、遠方の海域で発生した風浪が、風の影響を受けずに伝わってきたものを指します。発生源から長い距離を旅してくるため、波長が長く、規則的で滑らかな波面を持つのが特徴です。海岸に打ち寄せる波は、ほとんどの場合、うねりによってできています。このように、波浪は風との関係性によって、その姿を変えます。波の種類を見分けることで、現在の海の状態や風の強さなどを推測することができます。
水害について

波の高さ「波高」とは?

海岸線に打ち寄せる白波、穏やかな湖面を撫でる風によるさざ波、いずれも私たちにとって身近な自然現象です。これらの波の高さを表す言葉が「波高」です。波高は、波の山と谷の垂直距離を指し、波のエネルギーを知る上で重要な指標となります。波高は、風の強さや風の吹き続ける時間、風の吹く距離など、様々な要因によって変化します。一般的に、風が強いほど、風が長く吹き続けるほど、また、風が吹く距離が長いほど、波高は高くなります。例えば、遠くの外洋で発生した台風は、長い距離を吹き続ける強い風によって、大きな波を作り出します。このような波が海岸に到達すると、高潮や海岸浸食などの被害をもたらす可能性があります。波高は、海のレジャーや漁業にとっても重要な情報です。高い波は、船舶の転覆や海難事故の危険性を高めるため、安全な航行や漁業活動のために波高の予測が欠かせません。また、サーフィンなどのマリンスポーツでは、波高は楽しむ上で重要な要素となります。このように、波高は私たちの生活に様々な影響を与える自然現象です。波高に関する情報を正しく理解し、安全に過ごすために活用していくことが大切です。
水害について

火山泥流から身を守る!

- 火山泥流とは火山泥流は、火山活動に伴い発生する、土石流のような非常に危険な現象です。噴火活動によって、火山灰や岩石など様々な大きさの火山砕屑物が噴出されます。そして、それらの火山砕屑物が大量の雨水や雪解け水と混ざり合うことで、非常に流れやすい泥流が発生します。これが火山泥流です。火山泥流は、時速数十キロメートルという高速で山腹を流れ落ちます。その速さは想像を絶するもので、まるで巨大なコンクリートミキサー車が土砂を巻き上げながら突進してくるかのようです。火山泥流の恐ろしさは、その破壊力の大きさだけではありません。発生予測が難しいことも、大きな脅威となっています。一度発生してしまうと、その速さと規模から逃げることは極めて困難です。火山泥流は、家屋や橋などを一瞬にして飲み込み、壊滅的な被害をもたらします。また、流路を変えることもあり、広範囲に被害が及ぶ可能性もあります。火山泥流から身を守るためには、日頃からハザードマップで危険区域を確認しておくことが重要です。そして、噴火や大雨の際には、自治体からの情報に注意し、早めの避難を心がけましょう。命を守るためには、日頃からの備えと、迅速な判断、行動が重要です。
水害について

空から降る脅威: 火山弾の破壊力

火山噴火は、地球が秘める途方もないエネルギーを私たちに突きつける、まさに驚異的な自然現象です。煮えたぎる溶岩が流れ出す光景、空から広範囲に降り注ぐ火山灰、猛スピードで斜面を駆け下りる火砕流など、火山噴火は私たちの想像をはるかに超える脅威を秘めています。これらの現象の中でも、特に人々に恐怖を与えるもののひとつに「火山弾」があります。火山弾とは、噴火の際に火口から噴き上げられる、大きさが数センチメートルから数メートルにも及ぶ岩石の塊のことです。この火山弾は、噴火の勢いによって数キロメートル先まで飛ばされることもあり、その破壊力は計り知れません。家屋や車に直撃すれば、ひとたまりもありません。また、火山弾が高温である場合、周囲に火災を引き起こす危険性もはらんでいます。さらに、火山弾の落下地点を予測することは非常に困難です。風向きや噴火の規模によって、落下地点は大きく変化するからです。そのため、火山噴火の際には、気象情報や火山に関する情報に注意を払い、安全な場所に避難することが重要です。火山噴火は、私たち人間の力では到底及ばない、自然の脅威を改めて認識させてくれます。
水害について

地震による津波とその脅威

- 津波の発生原因津波は、海で発生する巨大な波です。その破壊力は凄まじく、沿岸地域に甚大な被害をもたらすことがあります。津波を引き起こす原因はいくつかありますが、最も多いのは海底で起こる大規模な地殻変動です。地殻変動の中でも、特に海溝型地震は津波の発生と密接に関係しています。地球の表面はプレートと呼ばれる巨大な岩盤で覆われていますが、海溝型地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所で発生します。この時、海洋プレートの動きによって海底が大きく隆起したり、逆に沈降したりすることで、膨大な量の海水が押し上げられ、津波が発生します。地震以外にも、海底火山の噴火や、海底地すべりなども津波を引き起こす可能性があります。これらの現象によっても、海底地形が大きく変化し、その影響で津波が発生することがあります。このように、津波は海底で発生する様々な現象が引き金となって発生します。津波の発生メカニズムを理解し、日頃から防災意識を高めておくことが大切です。
水害について

火山砕屑流の脅威から身を守る

- 火山砕屑流とは何か火山砕屑流は、噴火に伴って発生する、高温の火山ガス、火山灰、そして大小さまざまな岩石の混合物が、まるで雪崩のように猛スピードで山腹を駆け下りる現象です。その速度は想像を絶し、時速100キロメートルを超えることもあります。自動車や新幹線をはるかに上回る速さで、高温の物質が押し寄せ、通過するあらゆるものを破壊し尽くす様は、まさに自然の脅威と言えるでしょう。火山砕屑流の恐ろしさは、その破壊力の大きさにあります。高温の火山ガスと火山灰は、家屋や樹木をいとも簡単に焼き尽くし、岩石はそれらを粉々に打ち砕きます。さらに、火山砕屑流は谷や窪地を埋め尽くしながら流れ下るため、広範囲に被害が及ぶ可能性があります。火山砕屑流が発生した場合、その速度と破壊力から逃げることは非常に困難です。そのため、日頃からハザードマップなどで危険区域を確認し、噴火の兆候を感じたら早めに避難することが重要です。また、噴火警戒レベルなどの情報にも注意し、安全を確保するための行動を心がけましょう。火山砕屑流の恐ろしさを正しく理解し、日頃から備えておくことが大切です。
水害について

冬の急変に備えよう:しゅう雪の知識

- しゅう雪とはしゅう雪とは、積乱雲や雄大積雲といった、空気が上昇することで発生する雲から降ってくる雪のことを指します。これらの雲は、大気が不安定な状態、つまり上空と地上の気温差が大きく、湿った空気が上昇しやすい状態の時に発生しやすくなります。しゅう雪の特徴は、その降り方にあります。積乱雲や雄大積雲は短時間で発達し、強い雨や雪を降らせ、その後すぐに消えてしまうという特徴があります。そのため、しゅう雪は、降ったり止んだりを繰り返したり、急に降り方が強まったりするなど、変化が激しいことが特徴です。このような急な天候の変化は、交通の妨げになるだけでなく、雪崩などの危険も高まります。しゅう雪は、冬から春にかけて、気温が上がりやすく、大気が不安定になりやすい時期によく見られます。特に、日本海側では、湿った空気が山脈にぶつかることで積乱雲が発生しやすく、しゅう雪による被害が出やすい地域と言えます。しゅう雪の予測は難しいですが、天気予報などで最新の情報をこまめに確認し、急な天候の変化に備えることが大切です。
水害について

集中豪雨から身を守る!

夏の暑い日に、空が急に暗くなり、ゴロゴロと雷の音とともに激しい雨が降り出すことがあります。このような短時間に大量の雨を降らせる現象をしゅう雨と呼びます。しゅう雨は、積乱雲と呼ばれる、背の高い雲によってもたらされます。積乱雲は、強い日差しによって地面付近の空気が暖められ、上昇気流が発生することで作られます。上昇気流によって上空に運ばれた水蒸気は冷やされ、雲粒となり、さらに成長して雨粒となります。積乱雲の中では、上昇気流が非常に激しいため、雨粒はなかなか地上に落ちてくることができず、雲の中に留まり続けます。しかし、雨粒が成長し、上昇気流では支えきれなくなると、一気に地上に降り注ぎます。これが、しゅう雨です。しゅう雨は、その名の通り、急に降り始め、短時間で強い雨を降らせるため、注意が必要です。降ってから備えようとしても、すでに遅い場合もあります。天気予報などをこまめに確認し、空模様の変化に気を配るようにしましょう。また、屋外での活動中に、急に空が暗くなってきたり、雷鳴が聞こえたりした場合は、しゅう雨の可能性が高いと判断し、早めに安全な場所に避難するようにしてください。
水害について

海の脅威「しけ」:その種類と備え

「しけ」という言葉をご存知でしょうか? 「しけ」とは、海上で強い風が吹き、波が高くなって海面が荒れる現象のことを指します。普段は穏やかな海も、ひとたび「しけ」になると、その姿は一変します。高い波は白いしぶきをあげ、まるで海の怒りを感じさせるような荒々しい表情を見せます。このような状況下では、漁船はもちろんのこと、大型船舶でも航行は困難になり、海運や漁業に大きな影響が出ます。また、沿岸部では、高波による浸水や海岸侵食などの被害が発生する危険性もあります。海は私たち人間にとって、多くの恵みをもたらす大切な存在ですが、同時に、ひとたび牙をむけば大きな脅威となることを忘れてはなりません。「しけ」という言葉を知ることは、海と安全に向き合うための第一歩と言えるでしょう。
水害について

知っていますか?家屋倒壊等氾濫想定区域

近年、毎年のように発生する集中豪雨や大型台風によって、各地で河川の氾濫による被害が後を絶ちません。洪水は、私たちの生活や財産に甚大な被害をもたらす恐ろしい自然災害です。洪水が発生すると、広範囲にわたって家屋や道路が浸水するだけでなく、濁流によって家屋が押し流されたり、土砂崩れや地盤の崩壊によって倒壊したりする危険性も高まります。このような被害に遭わないためには、自分が住んでいる地域がどのような被害を受ける可能性があるのかをハザードマップで事前に確認しておくことが重要です。ハザードマップは、洪水が発生した場合に浸水が想定される区域や、土砂災害の危険区域などを示した地図です。ハザードマップを確認することで、自宅や職場がどの程度の危険区域に位置しているのかを知ることができます。また、洪水時の避難場所や避難経路を事前に確認しておくことも重要です。避難場所へは、安全な経路を選び、余裕を持って移動しましょう。洪水時に慌てて行動すると、思わぬ事故に巻き込まれる可能性もあります。日頃から防災意識を高め、いざというときに落ち着いて行動できるよう、準備しておきましょう。
水害について

都市部の水害リスク:内水氾濫とは?

近年、都市部を中心に、短時間に大量の雨が降る集中豪雨が頻発し、各地で大きな被害が出ています。水害と聞いて、多くの人は川の氾濫を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、川の水が堤防から溢れてしまう「外水氾濫」は、広範囲にわたって甚大な被害をもたらします。しかし、近年では、私たちの身近な場所で起こる「内水氾濫」による被害も増加しているのです。内水氾濫とは、市街地などに降った雨が、排水溝や下水道などの排水能力を超えてしまい、道路や建物に流れ込んでしまう現象を指します。内水氾濫は、都市化の進展と深く関係しています。都市部では、建物や舗装された道路が増えたことで、雨水が地面にしみ込みにくくなっています。そのため、一度に大量の雨が降ると、雨水が行き場を失い、内水氾濫を引き起こしやすくなるのです。また、地球温暖化の影響も指摘されています。温暖化によって、大気中に含まれる水蒸気量が増加し、集中豪雨が起こりやすくなっていると考えられています。内水氾濫は、私たちの生活に深刻な被害をもたらします。道路が冠水すれば、交通網が麻痺し、物流が滞るなど、経済活動にも大きな影響が出ます。また、床上浸水により家財が損壊したり、停電が発生したりするなど、生活にも大きな支障が生じます。さらに、地下に流れ込んだ水が建物の基礎を傷つけ、建物の安全性に影響を及ぼす可能性もあります。
水害について

春の訪れを告げる温暖前線

私たちが毎日経験する天気は、晴れの日、雨の日、曇りの日など、実に様々です。時には、一日のうちでも晴れから雨へと、目まぐるしく天気が変わることもあります。この変化の要因の一つに「前線」があります。前線とは、地表付近で性質の異なる二つの空気の塊が接する境界線のことです。空気の塊は「気団」と呼ばれ、例えば、暖かく湿った空気の塊を「暖気団」、冷たく乾燥した空気の塊を「寒気団」と呼びます。日本付近では、南から暖かく湿った暖気団が、北からは冷たく乾燥した寒気団が流れ込み、せめぎ合っています。この二つの気団の境界線である前線が日本列島を通過する際に、気温や風向き、湿度などが大きく変化します。例えば、暖気が寒気の下に潜り込むように進むと、温暖前線と呼ばれる前線ができ、ゆっくりと天気が崩れ始めます。反対に、寒気が暖気を押し上げるように進むと、寒冷前線と呼ばれる前線ができ、短時間に激しい雨や雷を伴うことがあります。このように、前線の通過は、雨や雪、雷など、様々な天気の変化をもたらすため、天気予報で前線の位置や動きを知ることは、日々の生活に役立ちます。
水害について

天気予報でよく聞く「気圧の谷」って?その影響と対策を解説

- 気圧の谷とは天気予報で耳にする「気圧の谷」。あまり聞きなれない言葉に、戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。天気図を見ると、聞きなれない記号や表現が使われていることもあり、難しく感じてしまうのも無理はありません。しかし、「気圧の谷」は、天気の変化を理解する上で重要な要素の一つです。簡単に言うと、「気圧の谷」とは、周囲よりも気圧が低い場所のことを指します。高い山と山の間に谷があるように、気圧の高いところと高いところの間に、気圧の低い場所ができることがあります。これが「気圧の谷」です。天気図では、同じ気圧の場所を線で結んだ「等圧線」を使って表現されます。気圧の谷は、この等圧線が谷のようにくぼんで描かれることから、その名がつきました。では、なぜ気圧の谷ができると天気が崩れやすいのでしょうか?それは、気圧の谷には周囲から空気が流れ込み、上昇気流が発生しやすくなるためです。空気が上昇すると、空気中の水蒸気が冷やされて雲が発生し、雨を降らせることがあります。気圧の谷は、その大きさや形、移動速度によって、もたらす天気の影響も異なります。そのため、天気予報で気圧の谷の動きを把握しておくことは、日々の天気の変化に備える上で役立ちます。
水害について

冬の到来を告げる寒冷前線

- 寒冷前線とは寒冷前線とは、気温の異なる空気の塊がぶつかり合う場所にできる境界線のことです。 暖かい部屋に冷たい風が吹き込むように、冷たい空気の塊(寒気団)が、暖かい空気の塊(暖気団)の下に潜り込むようにして進んでいきます。この時、もともとそこにあった暖かい空気は、冷たい空気によって押し上げられます。 暖かい空気は上昇しやすいため、この場所に上昇気流が発生しやすくなります。 上昇気流が発生すると、空気中の水蒸気が冷やされて雲が発生し、雨を降らせることがあります。 寒冷前線が通過すると、通過前は比較的温暖だった気温が、通過後は急激に低下します。 また、風向きも変化し、強い風が吹くこともあります。 時には、積乱雲が発生し、激しい雨や雷、突風をもたらすこともあります。 寒冷前線の通過は、短時間で天候が大きく変化する現象であると言えるでしょう。
水害について

冬の寒さ到来!寒気団の正体に迫る

冬の厳しい寒さをもたらすものとして、ニュースなどで「寒気団」という言葉を耳にすることがありますね。しかし、寒気団とは一体どのようなものなのでしょうか?寒気団とは、周りの空気よりも気温が低い、巨大な空気の塊のことを指します。ただし、ただ冷たいだけでなく、広い範囲にわたって気温と水蒸気量がほぼ一定であるという特徴があります。寒気団は、その発生場所によって性質が異なり、大きく分けて二つの種類があります。一つは、シベリアや北極など、陸上で生まれた「シベリア気団」です。非常に低温で乾燥しているのが特徴で、日本にやってくると、冬の晴れた日でも厳しい寒さをもたらします。もう一つは、アリューシャン列島付近の海洋上で生まれた「アリューシャン気団」です。こちらは、シベリア気団に比べると比較的温暖ですが、湿った空気を多く含んでいるため、日本に雪を降らせることがあります。冬になると、これらの寒気団が日本付近に次々と流れ込み、寒暖の変化が激しくなります。そのため、天気予報などで寒気団の動きを事前に知っておくことは、冬の寒さに備えるために非常に大切です。
水害について

津波の発生源:波源域を理解する

地球内部深くで蓄積されたエネルギーが解放される現象、それが地震です。このエネルギーは、時に海底に大きな変動をもたらし、巨大な波を生み出すことがあります。これが津波です。津波は、地震の規模や種類、海底の地形、震源の深さなど、様々な要因によって発生します。地震の規模が大きく、海底の地殻変動が大きいほど、発生する津波の規模も大きくなります。また、海底火山の噴火や海底地すべりによっても津波が発生することがあります。津波の発生源となる場所を理解することは、津波のメカニズムを解明し、防災対策を講じる上で非常に重要です。地震発生時には、気象庁などから津波に関する情報が発表されますので、速やかに情報を入手し、適切な行動をとるようにしましょう。津波は、その発生から沿岸に到達するまでに時間的な猶予がある場合もあれば、わずか数分で到達する場合もあります。日頃から、津波が発生した場合の避難経路や避難場所を確認しておくことが大切です。
水害について

集中豪雨から身を守る!

近年、毎年のように耳にするようになった「集中豪雨」という言葉。天気予報でも耳にする機会が増え、もはや他人事とは思えない自然災害の一つになっています。集中豪雨とは、その名の通り、ごく限られた地域に、短時間に大量の雨が降る現象のことです。気象庁では、狭い範囲に1時間あたり50ミリ以上の、または数時間にわたって総雨量が100ミリを超えるような激しい雨と定義しています。これは、一般的なバケツで例えると、その深さがわずか1時間で5センチ以上、数時間後には数十センチにも達することを意味します。わずか数時間のうちに、これほどの量の水が一気に地上に降り注ぐため、各地に甚大な被害をもたらす危険性をはらんでいます。例えば、集中豪雨によって河川の水位が急上昇すると、堤防が決壊し、周辺の住宅や農地が浸水することがあります。また、山間部や傾斜地では、大量の雨水が地盤を緩ませることで、土砂崩れが発生し、家屋を押し流したり、道路を寸断したりすることもあります。近年、地球温暖化の影響で、大気の状態が不安定になり、集中豪雨が発生しやすくなっていると言われています。いつ、どこで発生するかわからないからこそ、日頃から集中豪雨への備えをしておくことが重要です。
水害について

秋の訪れを告げる秋雨前線

夏のうだるような暑さが落ち着き始め、朝晩に秋の気配が感じられる頃になると、日本列島の上空には秋雨前線と呼ばれるものが姿を現します。これは、北からの冷たい空気と南からの暖かい湿った空気がぶつかり合うところにできる停滞性の前線です。秋雨前線は、まるで季節の変わり目を告げる使者のように、数日間、時には数週間にわたって日本列島に停滞し続けます。そして、この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むことで、日本各地に秋雨と呼ばれる長雨がもたらされるのです。秋雨の雨は、しとしとと静かに降り続くことが多く、夏の間に照りつける太陽で乾ききっていた大地を潤し、植物や生き物たちに恵みの水をもたらします。また、秋雨前線が南下するに伴い、日本の各地に秋の涼しさを運んできます。私たちにとって、秋雨前線は、夏の終わりと秋の始まりを肌で感じる、身近な気象現象と言えるでしょう。
水害について

防災の知恵:秋雨への備えを万全に

- 秋雨とは秋雨とは、夏の暑さが落ち着き始める頃から秋の始まりにかけて、日本列島に長々と降り続く雨のことを指します。まるで、夏の名残を惜しむかのように、しとしとと降り続けるのが特徴です。なぜ、この時期に秋雨が降るのでしょうか? それは、日本の周辺の気圧配置の変化と深く関係しています。 夏の間、日本列島に夏の暑さをもたらしていた太平洋高気圧の勢力が、秋になるにつれて次第に弱まっていくのです。 一方で、北のシベリア大陸などから冷たい空気が流れ込み始めます。 南からはまだ暖かい空気が流れ込んでいるため、この冷たい空気と暖かい空気が日本列島付近でぶつかり合うようになります。 この時、空気の温度差によって前線と呼ばれるものができます。 この前線が日本列島の上空に停滞しやすくなるため、秋の長雨がもたらされるのです。秋雨の時期は、地域によって多少前後しますが、一般的には9月上旬から10月上旬頃までです。
水害について

予測が難しい?突発的な雨、にわか雨に備えよう

- にわか雨とは何かにわか雨とは、突然空から降ってくる、一時的な雨のことを指します。ある地域に限って、ごく短時間だけ激しく降るのが特徴です。ひとしきり雨が降ると、その後は嘘のように晴れ間がのぞくこともあります。にわか雨は、空全体を分厚い雨雲が覆ってしまうような、長く続く雨とは異なります。どちらかというと、積乱雲と呼ばれる、縦方向に大きく発達した雲によってもたらされることが多いです。積乱雲は、強い日差しによって地面が温められ、上昇気流が発生することで生まれます。この上昇気流によって、空気中の水蒸気が上空で冷やされ、雲粒となって集まります。そして、雲粒が次第に大きく成長し、やがて雨粒となって地上に落ちてくるのです。にわか雨は、その発生が予測しにくいという特徴があります。天気予報で事前に把握するのが難しく、外出時に急な雨に降られることも少なくありません。そのため、特に夏場などは、折り畳み傘を持ち歩くなど、急な雨への備えをしておくことが大切です。
水害について

「特別警報」ってどんな警報?

- 特別警報とは特別警報は、数十年に一度しか起こらないような、甚大な被害をもたらす可能性のある異常な気象状況が予測される際に、気象庁が発表する特別な警報です。これは、従来の警報の発表基準をはるかに上回る、経験したことのないような危険が差し迫っていることを意味します。過去の災害では、予想をはるかに超える規模の被害が発生し、人々の命が危険にさらされるケースも見られました。こうした教訓を踏まえ、より分かりやすく、切迫性の高い情報提供を行うことで、一人でも多くの命を守り、被害を最小限に抑えることを目的として、特別警報は導入されました。特別警報が発表された場合は、自分の身を守るための行動を最優先に考えてください。 既に避難勧告や指示が出ている場合には、速やかに安全な場所に避難しましょう。また、自宅や職場など、その場に留まる必要がある場合は、屋内の最も安全な場所へ移動するなど、身の安全を確保するための対策を講じてください。特別警報は、命に関わる危険が迫っていることを知らせる、最後の砦ともいえる警報です。気象情報や自治体からの情報に注意し、特別警報が発表された場合には、ためらうことなく、命を守る行動をとってください。
水害について

遠方からの脅威:遠地津波とは

- 遠くの地で発生する津波「遠地津波」という言葉、耳にしたことはありますか?これは、文字通り遠く離れた場所で発生した地震が引き起こす津波のことです。具体的には、日本の海岸線から600キロメートル以上離れた海域で起きた地震が原因となる津波を指します。想像してみてください。日本の海岸で、穏やかな波音を聞きながら心地よい時間を過ごしているとします。青い空、白い砂浜、どこまでも続く水平線。そこに突如として、はるか遠くの海で起きた巨大地震の影響が、津波となって押し寄せるのです。津波は海面を進む波で、地震のエネルギーを吸収し、非常に速い速度で広がっていきます。そして、何時間もかけて日本の沿岸に到達することがあります。遠くで発生した地震だからといって、決して安心はできません。遠地津波は、発生から到達まで時間的な猶予がある点が特徴です。この時間を利用して、正確な情報を入手し、適切な避難行動をとることが重要となります。
水害について

空からの恵みと脅威:雨への備え

雨は、私たち人間を含め、地球上のあらゆる生命にとって、かけがえのないものです。植物は、大地に降り注ぐ雨水を根から吸い上げて成長します。私たち人間は、その植物を食料として、生命を維持しています。つまり、雨は植物を通じて、私たちの命を支える源となっているのです。また、飲料水も雨によってもたらされます。澄み切った水は、私たちの喉の渇きを癒し、健康な体を保つために必要不可欠です。さらに、農作物の生育にも、雨は重要な役割を果たします。田畑に降り注いだ雨は、土壌に潤いを与え、稲や野菜が育つための栄養分を供給します。豊かな実りを育むのも、雨の恵みによるものなのです。このように、雨はあらゆる生命の源であり、私たちの生活を支える大切なものです。雨の大切さを改めて認識し、感謝の気持ちを持つことが重要です。
水害について

土石流から身を守る!

- 土石流とは土石流は、土砂災害の一つで、「山津波」とも呼ばれる恐ろしい自然現象です。山腹や谷底に積もった土砂が、集中豪雨や長雨などによって大量の水を含み、まるで液体のようになり、一気に低い場所へと流れ落ちる現象を指します。土石流は、時速数十キロメートルという非常に速い速度で流れ落ち、その破壊力はすさまじく、岩石や樹木、さらには家屋さえも巻き込みながら、下流へと押し寄せます。土石流が発生しやすい場所としては、山の斜面や谷底など、傾斜が急で、土砂が堆積しやすい場所が挙げられます。また、火山灰が堆積している場所も、土石流が発生しやすいため注意が必要です。土石流の発生時期は、梅雨や台風シーズンなど、大量の雨が降る時期に集中しています。特に、長雨が続いた後や、一度に大量の雨が降った場合には、土石流が発生する危険性が非常に高まります。土石流は、その発生が予測しにくく、発生した場合には避難することが非常に困難なため、日頃から土石流が発生しやすい場所を把握し、適切な防災対策を講じておくことが重要です。