犯罪の現状を知る指標:送致件数とは?
防災防犯を教えて
先生、「送致件数」ってニュースで聞いたんですけど、どういう意味ですか?
防災防犯の研究家
「送致」は、警察が事件を捜査したあと、裁判で罪を裁いてもらうために、事件関係の書類を裁判所などに送ることだよ。つまり「送致件数」は、そうやって送られた事件の数のことだね。
防災防犯を教えて
なるほど。事件を解決した数を表しているわけではないんですね。
防災防犯の研究家
そうだよ。「送致」された後、裁判で無罪になる場合もあるからね。だから、「送致件数=犯罪件数」ではないことを覚えておこう。
送致件数とは。
「みんなが安心して暮らせる街にするために、警察などが事件を検察官に送って、裁判をするかどうか判断してもらうために送った事件の数について」
送致件数:犯罪の指標
ニュースや新聞などで「送致件数が増加」といった言葉を目にすることがあります。 「送致」とは、警察などの捜査機関が、事件の捜査を終えて、被疑者を検察庁へ送ったり、事件書類を送付したりすることを指します。 つまり、「送致件数が増加」とは、一定期間内に、警察が捜査を終えて検察庁に事件を送った件数が増えたことを意味します。
では、なぜ送致件数が犯罪の指標となるのでしょうか?それは、送致件数が、一定期間内に発生し、捜査が行われた犯罪の件数を表しているからです。 送致件数が多いということは、それだけ多くの犯罪が捜査され、検察庁に送られたことを意味します。 逆に、送致件数が少ない場合は、犯罪発生件数が少なかった、あるいは捜査が進んでいないなどの可能性が考えられます。
ただし、送致件数=犯罪発生件数ではありません。 送致されるためには、事件が捜査され、被疑者が特定される必要があります。 実際には、発生したにもかかわらず、捜査が難航したり、被疑者が特定できなかったりする事件も少なくありません。そのため、送致件数は、あくまでも犯罪の発生状況を把握するためのひとつの指標として捉える必要があります。
送致されるまで
事件が起きると、まず警察が動き出します。警察は、現場に残された痕跡や目撃者の証言といった証拠を集め、関係する人々から話を聞いて事件の真相を明らかにしようとします。そして、集めた証拠や証言などから、ある人が犯罪に関わっている疑いが強まった場合、警察はその人を捕まえ、身柄を拘束します。これが逮捕です。
逮捕後も警察は捜査を続けます。事件がどのように起こったのか、誰がどのような役割を担ったのか、動機は何かなど、事件の全体像を明らかにしていくのです。そして、十分な捜査を行い、事件の全容が明らかになったと判断した段階で、警察は事件と被疑者の関係を示す書類一式を検察庁に送ります。これを送致といい、これにより事件は捜査の段階から起訴・裁判へと移行していきます。
検察庁の役割
– 検察庁の役割
犯罪が発生すると、警察は捜査を行い、事件の真相解明に努めます。そして、事件の容疑者が明らかになり、証拠が集まった段階で、事件は検察庁へと送られます。これを送致といいます。
送致を受けた検察庁では、まず、警察から送られてきた捜査書類を細かく調べます。この中には、被害状況や犯行の手口、集められた証拠、容疑者の供述などが詳細に記録されています。検察官は、これらの情報をもとに、事件が本当に起こったのか、そして、容疑者がその犯罪行為を行ったと認められるのかを慎重に判断します。
そして、十分な証拠があると判断した場合、検察官は裁判所に起訴状を提出します。これが起訴と呼ばれる手続きです。起訴されると、事件は裁判所の判断を仰ぐことになり、裁判員裁判または裁判官だけで行われる裁判が開かれます。
しかし、送致された事件の全てが起訴されるわけではありません。検察官は、証拠が不十分だと判断した場合、容疑者を起訴せずに事件を終わらせることができます。これを不起訴といいます。不起訴にするかどうかの判断は、検察官の重要な役割の一つです。
送致件数から見えるもの
– 送致件数から見えるもの
犯罪が発生すると、警察は捜査を行い、事件の真相解明に努めます。そして、十分な証拠が集まり、犯罪が成立すると判断された場合には、検察官に事件を送致します。この送致された事件の数を「送致件数」と呼びます。
送致件数は、単なる数字ではなく、社会に潜む犯罪の傾向や変化を映し出す鏡と言えるでしょう。例えば、ある特定の種類の犯罪の送致件数が年々増加傾向にある場合、その背景には、社会構造の変化や、人々の意識の変化、あるいは新たな犯罪の手口の出現といった要因が考えられます。
送致件数の推移を注意深く分析することで、私たちは、今、社会で何が起きているのか、どのような犯罪が増加傾向にあるのか、そして、どのような対策が必要とされているのかを把握することができます。
例えば、サイバー犯罪の送致件数が増加していることが分かれば、インターネット利用に関するセキュリティ意識の向上を呼びかける啓発活動や、サイバー犯罪に対応できる捜査員の育成などが重要性を増してきます。
このように、送致件数は、犯罪の現状を把握し、効果的な犯罪対策を立案するための、極めて重要な情報源と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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送致件数とは | 警察が捜査を行い、十分な証拠が集まり、犯罪が成立すると判断した場合に、検察官に事件を送致した数 |
送致件数の意義 | 社会に潜む犯罪の傾向や変化を映し出す鏡 |
送致件数からわかること | 社会で何が起きているのか、どのような犯罪が増加傾向にあるのか、どのような対策が必要とされているのか |
送致件数分析の活用例 | サイバー犯罪の送致件数増加 → インターネット利用に関するセキュリティ意識の向上を呼びかける啓発活動や、サイバー犯罪に対応できる捜査員の育成 |
送致件数の重要性 | 犯罪の現状を把握し、効果的な犯罪対策を立案するための、極めて重要な情報源 |
データの解釈には注意が必要
– データの解釈には注意が必要
犯罪に関する統計データは、一見すると客観的な情報の様に見えますが、その解釈には注意が必要です。例えば、よく目にする「送致件数」は、警察が捜査を終えて検察庁に事件を送った件数を表しています。しかし、これはあくまでも警察が捜査を行い、事件として処理した件数に過ぎません。
実際に発生した犯罪の総数は、統計に表れないものも含めると、送致件数をはるかに上回る可能性があります。例えば、被害者が警察に届け出なかったり、警察が事件として扱わなかったケースは統計に含まれません。また、警察の取り締まりが強化されれば検挙件数が増加し、逆に、取り締まりが緩和されれば検挙件数が減少する可能性もあります。
さらに、メディア報道などによって特定の種類の犯罪に対する社会的な関心が高まれば、人々の犯罪に対する意識も変化し、結果として警察への通報件数が増加することもあります。このように、犯罪統計は様々な要因の影響を受けて変動するため、その数字だけを鵜呑みにせず、他の統計データや社会状況なども考慮しながら総合的に判断することが重要です。
項目 | 内容 |
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犯罪統計データの注意点 | 一見客観的に見えるが解釈には注意が必要 |
送致件数の意味 | 警察が捜査を終えて検察庁に事件を送った件数であり、実際に発生した犯罪の総数とは異なる |
統計に含まれないもの |
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犯罪統計に影響を与える要因 |
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犯罪統計データの解釈方法 | 数字だけを鵜呑みにせず、他の統計データや社会状況なども考慮しながら総合的に判断する |