自宅の窓は大丈夫？ ガラス破り対策のススメ

自宅の窓は大丈夫？ ガラス破り対策のススメ

増加するガラス破り

近年、留守中の家に侵入して金品を盗む「空き巣」など、窃盗犯による被害が増える傾向にあります。その中でも、特に注意が必要なのが「ガラス破り」です。「ガラス破り」とは、窓ガラスを割って住宅に侵入する手口を指します。統計によると、侵入窃盗全体の約7割がこの「ガラス破り」によるものだと言われています。
なぜ、これほど「ガラス破り」による被害が多いのでしょうか？
1つ目の理由として、ガラスは他の建材と比べて簡単に割れてしまうことが挙げられます。少しの力で割れるガラスも多いため、犯人は侵入経路を確保しやすいのです。
2つ目の理由として、ガラス破りは音や痕跡を残しにくいという点も挙げられます。ピッキングのように専用の道具を用いる必要がなく、犯行後も証拠となるものを残しにくいという点で、犯人にとって都合が良い手口と言えるでしょう。
このように、「ガラス破り」は、犯人にとって侵入しやすく、証拠も残しにくいという点で、非常に容易な犯行であると言えます。そのため、私たち一人ひとりが防犯対策をしっかりと行うことが重要です。

ガラス破りの主な方法

窓ガラスを割って侵入する犯罪は、昔から後を絶ちません。犯行の手口は大きく分けて「こじ破り」「打ち破り」「焼き破り」の３つに分類できます。

「こじ破り」は、ドライバーのような工具を使って窓枠をこじ開ける方法です。窓枠の強度が低い場合に多く、比較的簡単に侵入を許してしまう可能性があります。犯行に時間がかかると、その分見つかるリスクも高まるため、犯人は短時間で侵入できる場所を狙う傾向があります。

「打ち破り」は、ハンマーや石などを用いてガラスを叩き割る方法です。音が大きく周囲に響き渡るため、人通りの少ない夜間や早朝を狙って行われることが多いようです。

「焼き破り」は、ガスバーナーなどを使い高温でガラスを熱して割る方法です。他の方法に比べて準備に手間と時間がかかるため、あまり一般的ではありません。しかし、音を立てずにガラスを割ることが可能なため、特殊な状況下で用いられるケースも考えられます。

ガラス破りの被害に遭いやすい場所

窓ガラスを割って侵入する犯罪は、人通りが少なく、周りの目につきにくい場所を狙って発生することが多いため、注意が必要です。特に、一戸建て住宅の場合、庭に面した窓は、人目につきにくく、侵入しやすい場所と言えるでしょう。庭木や塀などで死角になりやすい場所にある窓も、犯罪者の侵入経路になりやすいため、注意が必要です。浴室やトイレなど、道路から見えない位置にある窓も、ガラス破りの被害に遭いやすい場所の一つです。
マンションなどの集合住宅だからといって、安心はできません。ベランダやバルコニーなど、外に面した窓は、一戸建て住宅の庭と同様に、人目につきにくく、侵入されやすい場所です。また、マンションの非常口の窓も、建物の構造上、死角になりやすく、ガラス破りの被害に遭いやすい場所と言えます。
2階以上の窓だからといって、油断は禁物です。電柱や雨どい、室外機など、足場となるものがあれば、2階以上の窓からも侵入される可能性があります。家の周囲に、足場になりそうなものがないか、定期的に点検するようにしましょう。

効果的な対策を講じよう

住まいや店舗を狙った犯罪から大切な財産を守るためには、効果的な対策を講じることが重要です。中でも、ガラス破りは侵入の手口として多いため、窓ガラスを中心とした対策が欠かせません。

まず、窓ガラスの強度を高めるために、防犯フィルムを貼ることが有効です。防犯フィルムは、特殊な樹脂でできており、ガラスに強力に密着することで、ハンマーなどで叩き割られにくくする効果があります。また、既存の窓ガラスを、強度が高い防犯ガラスに交換することも検討しましょう。防犯ガラスは、２枚以上のガラスの間に、強靭な中間膜を挟み込んだ構造となっており、容易に割れることはありません。

窓枠の強化も、侵入対策として重要です。窓枠に補助錠を取り付けることで、窓をこじ開けるための力を分散させ、侵入を防ぐ効果を高めることができます。さらに、防犯性の高い窓枠に交換することも有効です。防犯性の高い窓枠は、頑丈な材質で作られているだけでなく、こじ開けにくい構造となっているため、より高い防犯効果が期待できます。

これらの対策に加えて、センサーライトや防犯カメラを設置することも効果的です。センサーライトは、人が近づくと自動で点灯するため、窃盗犯に心理的なプレッシャーを与え、侵入を断念させる効果があります。防犯カメラは、犯罪の抑止効果だけでなく、万が一、被害に遭った場合の証拠となることもあります。

このように、ガラス破り対策には、様々な方法があります。それぞれの対策を組み合わせることで、より高い防犯効果を得ることが期待できます。

地域ぐるみでの防犯対策

近年、窓ガラスを割って家の中に侵入し、金品を盗むといった犯罪が増加しています。このような犯罪から家や地域を守るためには、住民一人ひとりが防犯意識を高め、地域全体で協力し合うことが重要です。

まず、ご近所同士で日頃からコミュニケーションを取り、顔見知りを増やしておきましょう。そして、「最近、見慣れない人がうろついている」「夜遅くに家の周りをうろうろしている人がいる」など、少しでも不審に思ったことがあれば、互いに情報交換をすることが大切です。

また、地域で組織されている防犯パトロールにも積極的に参加してみましょう。夜間、徒歩で地域を巡回し、不審者や不審な車を見かけた際に、声をかけたり、警察に通報したりすることで、犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。

さらに、防犯ボランティアに登録するという方法もあります。防犯ボランティアは、地域の子供たちの安全を見守ったり、高齢者の自宅を訪問して防犯状況を確認したりするなど、様々な活動を行っています。

このように、地域全体で防犯意識を高め、警察や行政機関とも連携しながら、犯罪の起きにくい安全で安心な街づくりを目指しましょう。