劇症肝炎:沈黙の臓器の悲鳴
防災防犯を教えて
先生、「劇症肝炎」って、防災・防犯と何か関係があるんですか?
防災防犯の研究家
なるほど、確かに「劇症肝炎」は病気の名前なので、防災や防犯とは直接関係ないように思えるよね。では、防災や防犯は、どんな時に役立つかな?
防災防犯を教えて
そうですね…地震や火事、それに、泥棒に入られないようにするときとかですか?
防災防犯の研究家
その通り!つまり、危険なことや、犯罪から自分の身を守るためのものなんだ。 「劇症肝炎」は、ウイルスなどが原因で起こる病気だから、防災や防犯とは直接の関係はないんだよ。
劇症肝炎とは。
「防災・防犯」とは関係ありませんが、「劇症肝炎」について説明します。劇症肝炎は、命に関わる重い肝臓の病気です。 犬山シンポジウム(1981年)で、「肝炎のうち、症状が出てから8週間以内に、意識障害が強く(シャーロック分類でⅡ度以上)、血液を固まりにくくする指標(プロトロンビン時間)が40%以下のもの」と定義されました。 普段は、薬のアレルギーや肝炎ウイルスによって肝臓に炎症が起きた場合に起こります。 ただし、発症前から肝臓の病気を患っていた場合は除きます。 劇症肝炎には、症状が出てから10日以内に意識障害が現れる急性型と、それ以降に現れる亜急性型があります。 亜急性型の方が、治りにくい傾向があります。 イギリスでは、薬(アセトアミノフェン)が原因で起こる劇症肝不全が60%を占めます。 一方、日本では、90%以上がウイルス性のものです。
劇症肝炎とは
– 劇症肝炎とは劇症肝炎は、肝臓に急激な炎症が起こり、肝臓の働きが著しく低下する非常に危険な病気です。健康な肝臓は、私たちの体の中で、まるで工場のように様々な役割を担っています。体にとって有害な毒素を分解したり、健康を維持するための栄養を蓄えたり、食べ物の消化を助ける胆汁を作ったりと、生命維持に欠かせない働きを担っています。しかし、劇症肝炎によって肝臓が正常に機能しなくなると、これらの重要な働きが損なわれてしまいます。その結果、体に様々な影響が現れ、意識がもうろうしたり、出血しやすくなったり、深刻な症状が現れます。劇症肝炎は、ウイルス感染や薬の副作用など、様々な原因で発症する可能性があります。また、発症から短期間で病状が進行することが多く、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。劇症肝炎は命に関わる病気ですが、早期に適切な治療を受けることで、回復できる可能性もあります。日頃から、肝臓に負担をかけない生活習慣を心掛け、定期的な健康診断を受けるなど、予防を意識することも大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 肝臓に急激な炎症が起こり、肝機能が著しく低下する危険な病気 |
肝臓の役割 | – 毒素の分解 – 栄養の貯蔵 – 消化を助ける胆汁の生成 |
劇症肝炎の影響 | 肝機能の低下により、意識障害、出血傾向、その他深刻な症状が現れる |
原因 | ウイルス感染、薬の副作用など |
特徴 | 病状の進行が早く、早期発見と適切な治療が重要 |
予後 | 命に関わる可能性もあるが、早期治療で回復の可能性あり |
予防 | 肝臓に負担をかけない生活習慣、定期的な健康診断 |
主な原因
– 主な原因
突然かつ激しい症状に見舞われる劇症肝炎は、主にウイルスへの感染と薬剤に対するアレルギー反応によって引き起こされます。 特に、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスといった肝臓に炎症を起こしやすいウイルスが、劇症肝炎の原因として知られています。
これらのウイルスは、それぞれ感染経路が異なり、A型肝炎は汚染された食品や水からの経口感染、B型肝炎は血液や体液を介した接触感染、E型肝炎もA型肝炎と同様に経口感染で広がります。
一方、薬剤性の劇症肝炎は、解熱鎮痛剤や抗生物質といった特定の薬剤が肝臓に負担をかけ、急性肝不全を引き起こすことで発症します。
日本では、ウイルス性肝炎が劇症肝炎の主な原因とされており、特にB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスによるものが多数を占めます。 一方、海外では薬剤性の劇症肝炎が多く報告されており、国や地域によって原因となるウイルスや薬剤の種類には違いが見られます。
劇症肝炎は命に関わる深刻な病気であるため、早期発見と適切な治療が重要です。日頃から予防に努め、発症リスクを減らすように心がけましょう。
原因 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
ウイルス感染 | – A型肝炎ウイルス – B型肝炎ウイルス – E型肝炎ウイルス など |
– 感染経路はウイルス毎に異なる – A型,E型は経口感染 – B型は血液/体液を介した接触感染 |
薬剤アレルギー反応 | – 解熱鎮痛剤 – 抗生物質 など |
– 薬剤が肝臓に負担をかけ急性肝不全を引き起こす |
日本での主な原因 | – ウイルス性肝炎 – B型肝炎ウイルス – C型肝炎ウイルス |
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海外での主な原因 | – 薬剤性肝炎 | – 国や地域によって原因となるウイルスや薬剤は異なる |
症状と診断
– 症状と診断
劇症肝炎は、初期症状だけを見ると、一般的な肝炎と非常によく似ています。 だるさや食欲不振、吐き気を覚えたり、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が出たりしますが、これらの症状は誰しもが一度は経験するようなありふれたものばかりです。
しかし、劇症肝炎の場合、これらの症状が急速に悪化していくのが特徴です。 単なるだるさから意識がもうろうとした状態に陥ったり、出血が止まりにくくなったりします。 また、おなかに水が溜まる腹水と呼ばれる症状が現れることもあります。
劇症肝炎の診断には、血液検査や画像検査に加えて、肝臓の状態をより詳しく調べるために肝生検を行うことがあります。 肝生検は、肝臓の一部を採取して顕微鏡で観察する検査です。 劇症肝炎の重症度を判断する上で、血液を固まりやすくする働きを持つタンパク質を作るのにかかる時間を測るプロトロンビン時間や、意識障害の程度などが重要な指標となります。
項目 | 内容 |
---|---|
初期症状 | だるさ、食欲不振、吐き気、黄疸など、一般的な肝炎と類似 |
劇症肝炎の特徴 | 症状の急速な悪化(意識障害、出血傾向、腹水など) |
診断方法 | 血液検査、画像検査、肝生検、プロトロンビン時間、意識障害の程度の確認など |
治療法
劇症肝炎の治療は、集中的な治療を行うことができる専門の部屋で行われることがほとんどです。
治療においては、安静を保ちながら、点滴によって水分や栄養を補給し、体の状態を安定させることが何よりも重要になります。
炎症を抑える薬の使用や、合併症が現れた場合には、その治療も行います。
しかし、劇症肝炎は非常に進行が速く、治療が難しい病気であることが少なくありません。
そのため、場合によっては、人工的に肝臓の働きを代替する治療や、提供された肝臓に移植する手術が必要となることもあります。
劇症肝炎の治療 |
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多くの場合、専門の部屋で集中的な治療が行われる |
治療のポイント:安静、点滴による水分・栄養補給による体の安定化 |
炎症を抑える薬の使用、合併症への対応 |
進行が速く、治療が難しい病気 |
場合によっては、人工肝臓による治療、肝移植手術が必要 |
予防と早期発見
– 予防と早期発見
劇症肝炎は、進行が非常に速く、命に関わることもある恐ろしい病気です。しかし、きちんと対策をすれば、防げるケースも少なくありません。
劇症肝炎の原因の一つに、ウイルスによる肝臓の炎症、つまりウイルス性肝炎が挙げられます。ウイルス性肝炎にはA型、B型、C型などいくつかの種類がありますが、A型やB型肝炎はワクチンを接種することで予防できます。ウイルス性肝炎を防ぐためには、これらのワクチンを接種することが重要です。
また、薬が原因で起こる劇症肝炎もあります。風邪薬や頭痛薬など、私たちが普段何気なく使用している薬であっても、使い方を誤ると肝臓に大きな負担をかけてしまうことがあります。肝臓に負担をかけないためには、市販薬も含めて、薬を使う場合は必ず医師や薬剤師に相談し、容量や飲み合わせをよく確認しましょう。自己判断で服用するのは大変危険です。
劇症肝炎は早期発見、早期治療が何よりも大切です。肝炎の初期症状には、体がだるい、食欲がない、吐き気がする、皮膚や白目が黄色くなるなどがあります。これらの症状は他の病気でも見られることがありますが、少しでも異常を感じたら、すぐに医療機関を受診してください。早期発見が、劇症肝炎から命を守ることに繋がります。
種類 | 原因 | 予防策 | 早期発見 |
---|---|---|---|
ウイルス性肝炎 | A型、B型、C型などのウイルス | A型、B型肝炎はワクチン接種 | 体がだるい、食欲がない、吐き気がする、皮膚や白目が黄色くなるなど |
薬剤性肝炎 | 風邪薬、頭痛薬など | 医師や薬剤師に相談し、容量や飲み合わせをよく確認 | 体がだるい、食欲がない、吐き気がする、皮膚や白目が黄色くなるなど |